樹皮の内皮が緑色

2009-08-25 | 【樹木】ETC
 「たまに、こちらの道を行こうか」と言うところに、その木は生えている。
 名前がアオハダ(青膚)と言うことは、幹につけられたプレートで知っていた。
 特に関心をそそらせない木である。
 先般、その枝に赤い実を見つけて、図鑑で確認してみる気になった。
 モチノキ科モチノキ属の落葉樹である。
 樹皮の内皮が緑色であるところから、その名がついたそうだ。

白い百合と言えど

2009-08-25 | 【草花】ETC
 しばらく、きわめて限られた景色しか見られぬ環境にいた。
 窓の外に眺められる傾斜地の白い花はひとつの慰めだった。
 その花はユリ。
 テッポウユリ系か。
 野生のユリと言っても種類が多くて、何と呼べばいいか分からぬ。
 写真は、別の場所で見つけた同じ種類と見られるユリ。

うらみむとのみ人のいふ

2009-08-25 | 【断想】ETC
 海人のすむ里のしるべにあらなくにうらみむとのみ人のいふらむ(小野小町)
 わたしは海辺の里の案内人ではありませんことよ。
 浦が見たい(うらみむ)と言われても困ってしまいます。
 そして、あなたは。
 わたしのことを恨みに思う(うらみむ)と言うけれど。
 お門違いですよ。
 あなたって、ひとの気持ちのわからぬ、お馬鹿さんね。

黒い玉をふくむ

2009-08-24 | 【樹木】ETC
 無花果の実を食べる。
 店先には熟した無花果。
 ベランダの無花果の実はまだ青い。
 時は今、実りの秋へ向かっている。
 まだ熟さないまでも実をつけはじめた木々が見られる。
 赤い唇をあけて、なかに黒い玉をふくんでいるのは、ゴンズイ(権萃)。
 ミツバウツギ科の落葉小高木である。

紅白の水引

2009-08-24 | 【草花】ETC
 タデ科のミズヒキ(水引)。
 細い花茎にまばらにつく小さな花。
 その花は、上から見ると紅、下から見ると白。
 この紅白が合わさったところが、熨斗袋の水引を連想させた。
 花びらとされる部分は、実は萼。
 いずれにしろ、決して主人公にはなれないなと思わせる野の花。

鬼灯にして大蛇の赤い目

2009-08-24 | 【草花】ETC
 草むらに濃い橙色の提灯を見つけた。
 ナス科のホオズキ(鬼灯)の実莢である。
 6~7月に淡黄白色の花が咲く。
 そのあと、赤熟した球果ができる。
 それは、大きく膨らんだ萼に包まれている。
 小さい頃、球果から種を抜いたりして遊んだ。
 ホオズキは、酸漿とも書く。
 また、別名にカガチ(輝血)、アカカガチ(赤加賀智)もある。
 カガチとは、もともと大蛇のことである。
 「古事記」上巻で、八岐大蛇の形が次のように語られる。
 「その目は赤かがちの如くして、身一つに八頭八尾あり。・・・」
 訳すと、「その目は酸漿(ホオズキ)のように真っ赤で・・・・」となる。

「酔郷譚」の桜

2009-08-23 | 読書
 久しぶりに倉橋由美子の小説を読む。
 「酔郷譚」の七話。
 倉橋由美子は、四年前に亡くなっており、生前に書いていたものである。
 去年の七月に河出書房新社から出版されていたが、気づかずにいた。
 倉橋由美子は、好きな作家のひとりである。
 その身と心の置き方が好きなのだ。
 「酔郷譚」は、確か「シュンポシオン」以降の作品の流れのなかにある。
 いつものスタイルでの、いつもの話である。
 倉橋由美子は、「慧君」のような「少年」が好きなのだと思う。
 利発で教養があって、ちゃちな道徳にとらわれず、夢とうつつのさかいめで遊ぶような。 改めて思うに、いささかその儒教文化が色濃く出るところが気にはなるが。
 第一話には、「桜花変化」というタイトルが示すように、さなざまな桜の名が出てくる。染井吉野、山桜、鬱金、大島桜、白妙、普賢象、関山・・・・・・。記憶にとどめておきたい。
 写真は、夏の山桜の幹。

青いどんぐり

2009-08-23 | 【樹木】ETC
 ワライカワセミの丘。
 青いドングリを拾う。
 こうしてあることに感謝する。

 西脇順三郎の詩集「旅人かへらず」に、ところどころ「どんぐり」が出てくる。
 50に、
  どんぐりの実のやさしき
 35に
  青いどんぐりの先が
  少し銅色になりかけた
  やるせない思ひに迷う  

夢よりうつつ

2009-08-23 | 【断想】ETC
 夢路にはあしもやすめず通へどもうつつに一目見しごとはあらず(小野小町)
 夢での逢瀬には足繁く通っています。
 でも、実際にお逢いしたときのようなよろこびはありません。
 現実の一目は、幾多の夢にまさります。