いたづらにわが身世にふる

2009-08-08 | 【断想】ETC
花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに(小野小町)
花の色のうつろいに、過ぎし日を想う。
色褪せ香の衰えはとどめ難い。
艶ますことはない。
時流れる。
肌に灰の影やどる。
美しき日にこそ色恋を。
美しき日にこそ悦びの声。
しかしながら、美しき日は夢の彼方。
想えば、輝かしくあっていい日々をむなしく過ごした。
雨降りの日が続いた。
雨をながめて暮らした。
わが肌に悦びなく時のみ過ぎた。
そして気づけば色香はうすれた。
・・・・・・・・・
色恋に浮き身をやつせよ。
時経てのこるのは若き日の悦びよ。
・・・・・・・・・
小野小町の若き日が、どのようなものであったかは知らない。
ただ、いわゆる青春を謳歌するという感じではなかったのでないかと思う。