“チェイシン・ザ・トレーン”

2021-11-21 | 【断想】音楽

 ジョン・コルトレーンの「ライブ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード 11-01-1961」。
 ジャズの名盤と言われるこの一枚、私が持っているCDは、上記の名前で、スイングジャーナル誌名盤蒐集クラブ選定アルバムになっている。
 名前にあるように、1961年11月1日、ニューヨークでのライブ録音である。
 このアルバムの演奏は6人である。
 ジョン・コルトレーン(ts,ss)
 エリック・ドルフィー(bcl)
 マッコイ・タイナー(p)
 ジミー・ギャリソン(b)
 レジー・ワークマン(b)
 エルヴィン・ジョーンズ(ds)
 収録曲は、以下の6曲。
 1.チェイシン・ザ・トレーン
 2.インプレッション ※ジミー・ギャリソンがベース
 3.スピリチュアル
 4.ザ・レッド・プラネット
 5.ナイーマ
 6.ブラジリア
 以上がこのアルバムの基礎情報である。
 しかし、このアルバムが、もともと評価された時のデータは、以上とは違うのである。
 もとのLP盤では、レコーディングの日が、1961年11月2,3日である。
 演奏メンバーには、“黄金カルテット”の一員となるジミー・ギャリソンが入っていない。
 収録曲は、以下の3曲である。
 A-1.スピリチュアル
 A-2.朝日のようにさわやかに
 B-1.チェイシン・ザ・トレーン
 以上の通りであり、アルバム名は、「ライブ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」。
 「11-01-1961」は付いていないのである。
 そして、このアルバムのB面の「チェイシン・ザ・トレーン」における、ジョン・コルトレーンの15~16分にわたるソロに、皆が感嘆し、エモーショナルな演奏と驚いたわけである。
 と言うようなことで、ちょっと注意しないと、ほぼ同じとは言え、異なるアルバムを入手したりすることになる。
 ちなみに、「11-01-1961」における「チェイシン・ザ・トレーン」の演奏は、9分52秒。
 ジョン・コルトレーンのサックス、確かにパワフルであるが、あんなに吹き続けて、何を表現したかったのだろうかとも思ってしまう。
 ああいうのに、まじめくさった顔をして、耳を傾けた人が大勢いた時代が懐かしくもある。
 わたしが高校生の頃、ジャズ喫茶は、このような音であふれていた。
 その音は聞いていたが、結局、ジョン・コルトレーンには、これと言ったものを感じなかった。
 それには、いろんな要素があるのだろうが。
 ひらめきのような魅力がないのである。
 一方、エリック・ドルフィーは、違う。
 3曲目の「スピリチュアル」、エリック・ドルフィーのバス・クラリネットがよく聞こえる。魅力的だ。ひらめきを感じる。


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