懐かしいのだ。
オーネット・コールマンの「タウンホール 1962」(ESP)。
彼のアルバムの中で、特に評価が高いものではない。
しかし、僕には最高なのだ。
かつて、繰り返し繰り返し聞いた。
それで、すっかりなじんだのだ。
ベースは、デヴィッド・アイゼンソン。
ドラムは、チャールズ・モフェット。
“ドーナッツ”、“サッドネス”・・・と続く。
高校生の頃だったか、田無駅の近くの小さな本屋に、少しだけレコードがおいてあり、そこで、ドーナッツ盤を買ったように記憶している。
それは無くした。
今、手元には、ジャケットが別仕様のLP盤が二枚、CDが一枚ある。
先日、牡丹の花を見に出かけた。
蕪村に牡丹を詠んだ句が幾つもある。
好きな数句。
閻王の口や牡丹を吐んとす
虹を吐てひらかんとする牡丹哉
地車のとゞろとひゞくぼたんかな
ちりて後おもかげにたつぼたん哉
ケニー・ドリュー・トリオの“ムーンリット・デザート(月の沙漠)”。
デンマーク王立室内楽団のメンバーをまじえての演奏である。
雨降りでもあって、外出せず、久しぶりにケニー・ドリューを聞く。
「バイ・リクエスト」、「ムーンリット・デザート」、いずれもLP盤がある。
3つのブエノスアイレス・タンゴ風楽章
アストル・ピアソラ、1968年作曲の管弦楽曲
シャルル・デュトワ指揮、モントリオール交響楽団
2000年5月録音 DECCA
PIAZZOLLA / TANGAZO(タンガーソ)に収録
他の収録曲
・アディオス・ノニーノ
・天使のミロンガ
・バンドネオンとギターのための二重協奏曲
・オブリビオン
・ダンサ・クリオージャ
・タンガーソ
さて、「3つのブエノスアイレス・タンゴ風楽章」。
第一楽章
ズバッズバッと切れ味のいいタンゴのリズム。
哀愁をただよわせながら、迫力満点の展開。
第二楽章
これは、戦いだろうか。
兵士たちは、帷子の音をたてながら前進。
夜、兵営の空には、昔ながらの燦めく星々。
第三楽章
女たちの戦い。
戦乱の悲劇は、人を問わず広がる。
勝利を信じて進むしかない。
以上は、聞きながら思い浮かんだこと。
ピアソラ、デュトワは、何を聞いてもらいたかったのか。
今の時代の激しい側面か。
バンドネオンはないが、いつものピアソラの音楽である。