打楽器万歳!

2018-07-29 | 【断想】音楽
 古いものはぶっ壊せ、道徳なんて踏みにじれ、常識なんか捨てちまえ、そんな時代があった。
 エドガー・ヴァレーズ(1883-1965)は、メロディやハーモニーにこだわるのはやめよう、リズムと音色だけで音楽を作ろうとし、それをやった。
 音楽史上初となる本格的打楽器合奏曲を作った?
 でも、打楽器だけの合奏なんて、昔々からあったんじゃないの。
 クラシックの世界じゃ初かも知れないけれど。
 世界各地で、ドンドコボコボコ・・・もっと楽しくやったんじゃない。
 打楽器合奏曲《イオニザシオン》 を聴く。ニューヨーク・フィルハーモニックの13人の打楽器奏者による演奏。太鼓やサイレンで。

静かなるペルト

2018-07-29 | 【断想】音楽
 アルヴォ・ペルト(1935- )は、ソ連の支配下にあつたエストニアの出身である。
 このことは重要なことだ。自己の表現に特徴がある。
 たまたま見た顔写真では、あたまが禿げていて、弱々しい印象がある。
 わたしが聴いたペルトの音楽は哀調がただよい、静謐で、中世に戻り、誰もいない夜の修道院の回廊をあるいているような気分にさせる。
 「タブラ・ラサ」(ECM盤)と言うCDには、4曲というのか、4つのパートになっている。以下のようである。
 1.フラトレス
 2.ベンジャミン・ブリテンの追悼歌
 3.フラトレス
 4.タブラ・ラサ
 調整破壊でただうるさい前衛音楽から解放されたという気分をもてたのでないか。

“展覧会の絵”Ⅱ

2018-07-29 | 【断想】音楽
 ムソルグスキー(1839-1881)の「組曲“展覧会の絵”」。
 この曲は、元はピアノ曲である。
 アシュケナージの演奏で聴く。
 なんだかとてもいい。
 オーケストレーションされた曲が耳に残っているせいもあるのかな。
 DECCA盤。

“展覧会の絵”Ⅰ

2018-07-29 | 【断想】音楽
 モデスト・ペトロヴィチ・ムソルグスキー(1839-1881)の「組曲“展覧会の絵”」を聴く。
 ラヴェルによるオーケストレーションで広く親しまれるようになった曲である。
 プロムナードがあって、より愉しく聞けるのかな。
 《インバル指揮/フランス国立管弦楽団/DENON》

“ツァラトゥストラ”

2018-07-29 | 【断想】音楽
 リヒャルト・ゲオルク・シュトラウス(1864-1949)の「交響詩 ツァラトゥストラはかく語りき」(1896)を聴く。
 R・シュトラウスによれば、この曲は、何らかの哲学や思想そのものを表現しようとしたものでなく、いわば、ニーチェへの賛歌として書かれたものとのこと。
 ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」から得られるさまざまな印象・イメージをもとに作られた。
 《カラヤン指揮/ウィン・フィルハーモニー管弦楽団/LONDON》

“死のための抒情詩”

2018-07-29 | 【断想】音楽
 ショスタコーヴィチの「交響曲第14番ト短調《死者の歌》」は、11楽章からなる異端の交響曲。
 《死者の歌》は、“死のための抒情詩”であり、「ベンジャミン・ブリテンに捧ぐ」とされたものである。
 以下のように、ロルカをはじめとした4人の詩人の死に関した11の詩で構成されている。
 1.ガルシア・ロルカ:深いところより
 2.ガルシア・ロルカ:マラゲーニャ
 3.ギィヨーム・アポリネール:ローレライ
 4.ギィヨーム・アポリネール:自殺
 5.ギィヨーム・アポリネール:心して
 6.ギィヨーム・アポリネール:マダム、ごらんなさい
 7.ギィヨーム・アポリネール:ラ・サンテ監獄にて
 8.ギィヨーム・アポリネール:コンスタンチノーブルのサルタンへのザポロージェ・コザックの返事
 9.ヴィリゲリム・キュヘルベケル:おお、デルウィーク、デルウィーク!
 10.ライナー・マリア・リルケ:詩人の死
 11.ライナー・マリア・リルケ:むすび
 《ロストローヴィチ指揮/モスクワ・フィルハーモニー室内O/V USSR》

“レニングラード”

2018-07-29 | 【断想】音楽
 ディミトリー・ディミトリエヴィチ・ショスタコーヴィチ(1906-1975)の名を聞くと、どうしても、20世紀において人類が歴史にのこした戦争のこと、共産主義という全体主義の重苦しさのこと、悲劇のことが思い浮かんでくる。
 なんだか気が重くなるので、ショスタコーヴィチは、普段はほとんど聴かない。
 だけど、今回は、「交響曲第7番ハ長調《レニングラード》」を聴く。
 第二次世界大戦の独ソ戦、ナチス・ドイツ軍のレニングラード侵攻、ソ連のスターリン圧政、これらのことがバックにあっての作品である。
 第1楽章は、聞くのに30分近くかかる大作。
 その第1楽章の主題は、シュワルツェネッガーのテレビCHで使われ、広く知られた。
 その反復は、ラヴェルの「ボレロ」が想起されるところである。
 激しさもあるが、美しさもある。全体としては、激しさの表現の素晴らしい作品である。
 《バーンスタイン指揮/ニューヨク・フィルハーモニック/CBS》
 ●悔やみ
 もう相当前のことになるが、日本で、「ショスタコーヴィチの証言」(中央公論社)が出版されたとき、その書評を某誌に書いたことがある。
 あれは、ことわるべき仕事だった。音楽のこともよく知らず引き受けてしまったことを恥ずべき思い出として、未だに覚えている。

“シェエラザード”Ⅰ

2018-07-29 | 【断想】音楽
 ニコライ・リムスキー・コルサコフ(1844-1908) の交響組曲「シェエラザード」(1888)は、きもちよく愉しめる曲で、とても好きだ。
 このような明るくワクワクするような曲を作れるコルサコフの心性をめでたい。
 曲中、やさしげに奏でられるヴァイオリンは、シェエラザード。
 アランビア・ナイト(千夜一夜物語)では、シェエラザードは、夜毎、残虐なサルタンに心躍る物語を語ってきかせる。
 4つの楽章でなり、それぞれ題がついている。
 第1楽章:海とシンドバットの船
 第2楽章:カレンダー王子の物語
 第3楽章:若い王子と王女
 第4楽章:バグダットの祭り・海 青銅の騎士のある岩での難破、終曲
 これらの題を見ただけで、愉しさの幾ばくかが分かろうと言うもの。
 ドラマ性の強い曲なので、はでな演奏をするストコフスキー盤で聴いた。
 《ストコフスキー指揮/ロンドン交響楽団/DECCA盤》