山梨学院大附の初出場初優勝で幕を閉じた第88回全国高校サッカー選手権大会。我が故郷のルーテル学院がベスト8まで行ったこともあって、いつもよりチョット真剣に観てしまった。そして久々に高校サッカーの面白さを感じた。それはこの大会はまさに「本命なき戦い」であったゆえのものだったように思う。
高校サッカーは今激動の時代に入っている。というのも、選手権では5大会連続初優勝校が誕生し、今大会はベスト4の段階ですべてのチームに選手権優勝経験がなく、青森山田以外はベスト4も初めてであった。そう年々地域格差がなくなっているのだ。 ただ今大会を見てみると、「波乱の少ない大会」だったとも言える。国見(長崎)、帝京(東京B)、東福岡(福岡)など名門校が1、2回戦で負け、世間では「波乱」として報じられたが、実はそれは決して「波乱」ではなく、「十分に起こり得ること」であった。
具体的に書くと、国見と2回戦で当たった藤枝明誠は、初出場ながら各ポジションに核となる選手をそろえ、プリンスリーグ東海1部3位、高円宮杯全日本ユースでもベスト8に進出するなど全国レベルのチームだったし、東福岡を2回戦で下した岐阜工も昨年の主軸が多く残り、指導経験が豊富な澤藤忍総監督と青年監督の清本勝政監督のタッグで培われた洗練された組織的守備は全国的にも評価が高かった。 また帝京を開幕戦で撃破したルーテル学院も、県予選決勝でインターハイベスト4のタレント集団・大津を破っていた。元U-16日本代表のFW山本大貴(今大会得点王)らを擁し、全国で戦う力は十分にあったのだ。つまりこれが「波乱」に映ったのは、国見、帝京、東福岡など強豪校が、かつてのような他を圧倒する力がなくなったからである。
それは、決して指導方針どうこうの問題ではない。以前ほど優秀なタレントが集中して高校に入学して来ず、戦力分散が進んだことから、巨大な力を持ったマンモスチームができなくなったことに尽きる。これら伝統校がかつて全国を席巻した時には、それこそこの年代で最高ランクの選手がずらりと顔をそろえていた。今大会でそれに近いチームは、U-17、U-18日本代表のMF小島秀仁らを擁した前橋育英くらいだったが、それをもってしても初戦の2回戦で香川西(香川)に敗れてしまった。
Jリーグの発達とともに変わるサッカー全国地図。高校サッカーはこれからもっと面白くなるだろう。そう思った大会だった。
高校サッカーは今激動の時代に入っている。というのも、選手権では5大会連続初優勝校が誕生し、今大会はベスト4の段階ですべてのチームに選手権優勝経験がなく、青森山田以外はベスト4も初めてであった。そう年々地域格差がなくなっているのだ。 ただ今大会を見てみると、「波乱の少ない大会」だったとも言える。国見(長崎)、帝京(東京B)、東福岡(福岡)など名門校が1、2回戦で負け、世間では「波乱」として報じられたが、実はそれは決して「波乱」ではなく、「十分に起こり得ること」であった。
具体的に書くと、国見と2回戦で当たった藤枝明誠は、初出場ながら各ポジションに核となる選手をそろえ、プリンスリーグ東海1部3位、高円宮杯全日本ユースでもベスト8に進出するなど全国レベルのチームだったし、東福岡を2回戦で下した岐阜工も昨年の主軸が多く残り、指導経験が豊富な澤藤忍総監督と青年監督の清本勝政監督のタッグで培われた洗練された組織的守備は全国的にも評価が高かった。 また帝京を開幕戦で撃破したルーテル学院も、県予選決勝でインターハイベスト4のタレント集団・大津を破っていた。元U-16日本代表のFW山本大貴(今大会得点王)らを擁し、全国で戦う力は十分にあったのだ。つまりこれが「波乱」に映ったのは、国見、帝京、東福岡など強豪校が、かつてのような他を圧倒する力がなくなったからである。
それは、決して指導方針どうこうの問題ではない。以前ほど優秀なタレントが集中して高校に入学して来ず、戦力分散が進んだことから、巨大な力を持ったマンモスチームができなくなったことに尽きる。これら伝統校がかつて全国を席巻した時には、それこそこの年代で最高ランクの選手がずらりと顔をそろえていた。今大会でそれに近いチームは、U-17、U-18日本代表のMF小島秀仁らを擁した前橋育英くらいだったが、それをもってしても初戦の2回戦で香川西(香川)に敗れてしまった。
Jリーグの発達とともに変わるサッカー全国地図。高校サッカーはこれからもっと面白くなるだろう。そう思った大会だった。