今日行われた『東京マラソン』。今夏の『世界選手権(モスクワ)』代表選考会を兼ねた男子は、前田和浩(九電工)が2時間8分0秒で日本勢最高の4位となった。前田は自動的に『世界選手権』代表に内定する日本陸連の派遣設定記録(2時間7分59秒以内)に1秒届かなかったが、日本歴代13位の好記録でほぼ代表を確実にした。
それにしても凄かったケニア勢。優勝は世界歴代5位の記録を持つデニス・キメット(ケニア)で、タイムは2時間6分50秒の大会新記録だったし、連覇を狙ったマイケル・キピエゴ(同)は2位となった。3着、5着もケニア選手で、10着までに6選手が入った(日本人は松宮と2人で、あとはエチオピア勢2人)。レースはペースメーカーが外れた30㌔すぎに一転。アフリカ勢がスパートし、なんと30㌔から40㌔までが14分10秒の快速レースとなった。それはこれまでの30㌔が練習だったような感じで今までの日本のレースではお目にかかることが出来ない展開となった。そんな中、前田は第2集団で必至に追い、41㌔手前で5位に上がり、ゴール直前で4位に浮上した。これは2時間4分台選手を抜いてのものだから立派。元祖山の神・今井は11位、期待の佐藤悠基は31位に敗れた。尚、選考会ではない女子は、今大会で第一線を退く尾崎好美(第一生命)が2時間28分30秒で日本勢トップの5位、吉川美香(パナソニック)が7位。アベル・ケベデ(エチオピア)が初制覇した。
では今日の重賞を振り返る。まずは中山11Rで行われた【第87回中山記念】。柴田善臣騎乗の2番人気ナカヤマナイト(牡5歳・二ノ宮敬宇厩舎)がゴール寸前で差し切ってV、重賞3勝目を飾った。タイムは1分47秒3。レースは予想通り、シルポートが大逃げを打つ展開。2番手にダイワファルコン、3番手にシンゲンがつけ、ナカヤマナイトは中団の外めにつける。1番人気のタッチミーノットは後方に待機した。シルポートは直線に向いても大きなリードを保って逃げ切り態勢かと思われたが、坂を上がってからダイワファルコンとナカヤマナイトが猛追。3頭が接戦のフィニッシュとなったが、ゴール寸前でナカヤマナイトがわずかに差し切った。前日に落馬負傷で騎乗をキャンセルした柴田善、フレグモーネで【AJCC】を見送ったナカヤマナイトともにアクシデント明けだったが、それを感じさせない走りで重賞3勝目を飾った。クビ差の2着が3番人気のダイワファルコン。8番人気のシルポートがハナ差の3着に粘り込んだ。僕が本命に推したダノンバラードは前回の斜行を避けるために早仕掛けだったが、逆にゴール前失速し6着となった。
勝ったナカヤマナイトだが、折り合いがつき大人になった感じがするレースだった。こんなレースが出来るなら今後も楽しみだ。2着ダイワファルコンは最高のレース。中山やはり走る。最後は勝ち馬が強かっただけだ。3着シルポートも4つのコーナーのコースは良く走る。まぁ力は出し切った。4着タッチミーノットもちからは出し切っている。5着トーセンレーヴは中山より、阪神、東京向きか。この馬も力は出している。
ナカヤマナイトは、父ステイゴールド、母フィジーガール(母父カコイーシーズ)という血統。北海道・沖田牧場の生産で、和泉信一氏の所有馬。通算成績は20戦6勝。重賞は【共同通信杯】(’11年)、【産経賞オールカマー】(’12年)に次いで3勝目。ステイゴールド産駒は【有馬記念】(ゴールドシップ)以来通算46勝目。二ノ宮敬宇調教師は【中山記念】初勝利。柴田善臣は’90年ホクトヘリオス、’97年キングオブダイヤ、’99年キングヘイローに次いで【中山記念】4勝目。二ノ宮師、柴田善共に重賞勝利は昨年の【エリザベス女王杯】(レインボーダリア)以来、それぞれ24勝目、86勝目となった。
一方、阪神11Rで行われた【第57回阪急杯】は岩田康誠騎乗の1番人気ロードカナロア(牡5歳・安田隆行厩舎)が直線で外から抜け出して完勝。タイムは1分21秒0。いやいや参りました。これが王者の風格というものだろう。好位追走から一番外に持ち出して差し切る横綱相撲。文句なしの完勝であった。レースは僕が本命に推したクィーンズバーンの逃げで始まったが、外からシゲルスダチが競りかけてハイペース。ここで僕は万事休す(13着)。ロードカナロアは先行勢4頭を先に行かせて、離れた5番手からレースを進めた。徐々に前を射程圏内にとらえ、4角では一番外に持ち出す。手応えの差は歴然。距離延長も初の58㌔もまったく問題なく、あっさりと差し切った。3/4馬身差の2着は馬群の中から伸びた2番人気のマジンプロスパーで、クビ差の3着に好位から最内を突いた11番人気の伏兵オリービンが入った。
勝ったロードカナロアだが、完全に完成されつつある。強い!文句なし!2着 マジンプロスパーも今日の競馬は褒めて良い。内で我慢が出来たのは収穫。次はもっと良くなりそう。3着オリービンには驚いた。阪神との相性がやはりいいのだろう。こういう馬は抑えておかなければならない。4着サンカルロも内を上手く捌いてはいるが、やや今日は太かったためか、反応がイマイチだった。5着 シュプリームギフトは収穫のあるレースだった。1400mでもこのレースが出来れば今後選択が広がる。9着 エピセアローム 武豊騎手
「スタートよく、取りたいポジションを取れましたが、追ってから反応がありませんでした。結果的には内を走った馬の競馬になりましたしね。次はよくなってくると思います」
ロードカナロアは、父キングカメハメハ、母レディブラッサム(母父Storm Cat)という血統。北海道・ケイアイファームの生産で、(株)ロードホースクラブの所有馬。通算成績は14戦9勝。重賞は【京阪杯】(’11年)、【シルクロードS】、【スプリンターズS】、【香港スプリント】(’12年)に次いで5勝目。キンカメ産駒は【小倉大賞典】(ヒットザターゲット)以来、JRA通算42勝目、今年2勝目。安田隆行調教師は【阪急杯】初勝利。岩田康誠は’10年エーシンフォワードに次いで【阪急杯】2勝目。安田師は先週の【フェブラリーS】(グレープブランデー)以来今年3勝目、JRA通算25勝目となった。また岩田は【東京新聞杯】(クラレント)以来今年2勝目、JRA通算55勝目となった。
今日の中山で田辺の騎乗が光った。なんと騎乗機会10R中9Rで馬券となった。馬券を外したのはメインレースだけだったのだが、1Rから10Rまでの8レースをちなみに1,000円複勝の転がしをやったらなんと1,000円が10R終了時には581,500円となっていた(10円台の配当は切捨て)。まぁメインレースでそれも藻屑となるのだが、12Rで再び1,000円の複勝を買えば6,500円の配当に。つまり今日一日、2,000円で6,700(200円は10円台の切捨て分)となることに・・・。僕も長いこと競馬やっているが、このような結果は珍しい。”中山の田辺”困ったときはこれで行こうか・・・。