先日競馬界にとって大きなニュース(僕はそう思っているのだが)が飛び込んできた。それは河野通文調教師の暴力団との“黒い交際”のニュースである。
詳細はこうだ。JRAは26日東京都港区の六本木事務所で緊急会見を行い、暴力団関係者との“黒い交際”を理由に、河野通文調教師(61)=美浦=の調教師免許を同日付で取り消すと発表した。
処分の発端となったのは、3月に発覚した詐欺事件だった。’10年7月30日に指定暴力団山口組系所属のI氏からの1,000万円の借り入れ申し込みに、師は即日、伊丹空港で全額を貸与。その際に担保として受け取った小切手が偽物だったことが分かり、師から相談を受けていた大阪府警が、I氏を逮捕したことで発覚した(この詐欺事件の裁判は8月に懲役2年6月、執行猶予4年で結審している)。
この事件に関して河野師は被害者にあたるが、JRAは裁判を傍聴、本人からの聴取の結果、日本中央競馬会競馬施行規程第53条第6号に該当するとして免許取り消しの処分に至った。小林善一郎JRA審判担当理事は「かねて知り合いであったI氏について、暴力団関係者であるとの認識を持ったにもかかわらず、交際を途絶しなかった点、即日で1,000万円を貸し与えるほどの深い関係であった点を重視した」と話している。
一方、河野師はJRAに対して処分取り消しの訴訟を起こす準備があるとし、「暴力団関係者とは認識していなかった」と語り、JRAとの見解が大きく食い違っているだけに今後が注目される。
で、僕が心配しているのは、競馬界と暴力団との関係をこう簡単に露わにしていいのだろうかということだ。というのも、JRAが健全になったとはいえ、やっぱり歴史的にダークな部分は残っていると思えるからだ。例えば、紳助さんと暴力団会長との写真。騎手や調教師だと多分いくらでも出てくる可能性がある。また馬主の関係にしても、直接暴力団ではないにしろ濃い関係性があるところは少なくないと聞いている。これは地方競馬ならもっとだろう。
問題はどこまでが「シロ」でどこからが「クロ」と判別するかということだ。今回の処分に不服の河野調教師が訴訟を起こすとなると、いろんな関係者の名前が挙がって来る可能性がある。「なんで俺がダメであいつがOKなんだ」とか・・・。また調教師OB、騎手OBが所属している予想会社なども正直ダークに近いイメージもある。ある意味JRAの今回の処分は英断に違いないが、どこまでこの影響が広がるかを考えると競馬が無くなると休みの過ごし方がわからない僕にとっては心配で仕方ない。
では明日の予想。まずは中山メイン【韓国馬事会杯】。本命は1番ダイワファルコン。準オープンに戻れば57.5kgは実績から仕方ないだろう。前走の惨敗で人気が少し下がるが、この馬は重い芝の方がいい馬。つまり東京より中山、阪神だ。よってここは絶好な狙い目。相手は昨年【マイルCS】で狙おうと思っていた9番、そして順調に使われている12番。
阪神メイン【シリウスS】は悩んだが6番タガノロックオン。本当は1800m以下のほうが良いと思える馬だが、まだ成長の段階だから距離も克服すると期待したい。相手は3,11番。5番は昨年の勝ち馬だが、ここは様子見。
札幌メイン【札幌2歳S】は6番ゴールドシップ。ここは11番グランデッツアが圧倒的人気だろうが、ゴールドは今をときめくステイ×マックィーン産駒。須貝厩舎は小倉、新潟2歳Sで共に2着。3度目の正直で2歳Sを狙う。鞍上は昨年の覇者・アンカツ。相手は11,12番。
イチローの200本安打だ途絶えた今年もうひとつの大記録が途絶えた。カージナルスの主砲プホルスが、自身が持つメジャー記録の更新に失敗したのだ。イチローと同じ’01年のデビューから続けていた打率3割、30本塁打、100打点が11年目で遂にSTOPした。本塁打こそはメジャー史上初の新人から11年連続での30本を達成し37発を放ったが、この日5打数1安打1打点で、打率は2割9分9厘、99打点と惜しくも届かなかった。
だが、何よりもチームの勝利を重視する男は個人成績には執着せず「10月に戦えるチャンスを得てうれしい」と、最終戦でプレーオフに滑り込んだことを喜んでいたというから器がでかい。