ひとつは大阪で開幕する世界選手権の代表選考会を兼ねた『第26回大阪国際女子マラソン』で、このレースは約1年半ぶりのマラソンとなる原裕美子(25歳・京セラ)が2時間23分48秒で初優勝し、前回ヘルシンキ大会に続き、2大会連続の代表に決まった(女子マラソンでは代表第1号)。2着には小崎まり(31歳・ノーリツ)が2時間24分39秒でなり、代表入りを有力にし、初マラソンの加納由理(28歳・資生堂)も小崎に4秒差の3位となり、代表候補に浮上した。 レースは前日本記録保持者の渋井陽子(27歳・三井住友海上)と原が序盤で抜け出し、29キロすぎで原がスパート、渋井との差を一気に広げた。渋井は33キロすぎで1度止まるなど大きく失速し、2時間34分15秒の10位に終わった。優勝した原はヘルシンキ大会でラドクリフに力負けの6位に終わったが、それでも日本人最高だった。その後疲労骨折などでマラソンを走れなかったが、復活を見事な勝利に飾った。いつも苦しそうな顔で走る原、是非世界選手権でもあの顔で頑張ってほしいものだ。
そしてもうひとつが、レスリングの『全日本選手権』である。それはあの山本“KID”徳郁(29歳)が男子フリースタイル60㌔級に出場したからだ。その“KID” 1回戦で日本社会人選手権3位の土田章博(自衛隊)を2-0のストレートで破ったが、2回戦でアテネ五輪銅メダリストの井上謙二(30・自衛隊)に巻き投げからひじを故障して第1ピリオドフォール負けを喫した。1回戦を見る限り、結構上まで行くのではと思ったが、一瞬の油断がこういう結果を招いたように思えた。プロのリングでは投げられてもその後反撃ができるが、アマチュアの試合では・・・。ただ1回戦を勝ったことで、“KID”は世界選手権代表の最終選考会となる6月の全日本選抜選手権の出場資格を得たので、“KID”の夢は辛うじて先に繋がった。尚、その男子フリースタイル60㌔級は湯元健一(日体大)が2連覇を達成した。
では今日の競馬。重賞を振り返る。まずは東京で行われた【根岸S】。勝ったのは村田騎乗の11番人気のビッググラス (牡6・中尾秀厩舎)。先に抜け出した1番人気シーキングザベストをゴール前で交わし、1.1/4馬身差をつけ優勝した。さらにハナ差の3着に12番人気ニホンピロサートが入った。勝ったビッググラスは人気の盲点であったが、パドックで馬体が絞れ良く見えた。ただここでは敷居が高いと思っていたので、軽視してしまったが、直線ゴチャついて立て直して勝つ辺りその素質は相当なのかもしれない。シーキングザベストはやはり相手なりに走る馬である。いつもより早めに動いての2着はさすがに力がある。驚いたのは3着になったニホンピロサート、9歳だがまだまだ元気いっぱいだ。4着のリミットレスピットも良く走っているが、最後脚が止まったのは強行軍の疲れかもしれない。僕が狙ったヒカルウイッシュは直線一瞬いいところを魅せたが、結局伸びず5着に敗れた。他馬に少し迷惑をかけたが、もう少し進路があれば・・・と思えるレースであった。残念! このレース【フェブラリーS】の前哨戦となっていたが、今日のレースを見る限り低調のように思えた。
勝ったビッググラスは父エルコンドルパサー、母はドラゴンリリー(父イブンベイ)という血統。’03年12月に、デビューから6戦目で勝ち上がると、【樅の木賞】も連勝。’04年【シャングリラ賞】を勝った後は伸び悩んだが、昨年は8戦3勝2着3回3着1回という安定した走りを見せ、【アクアルミナスS】に勝ちオープン入り。前走は【京都金杯】で14着となり、今回が初重賞制覇となった。通算成績28戦7勝(重賞1勝)。 鞍上の村田は’97年のデビュー以来、重賞127回目の騎乗にしてJRA重賞初制覇。管理する中尾秀調教師も’04年の初出走以来、重賞12回目の出走で重賞初制覇となった。また、エルコンドルパサー産駒はヴァーミリアンの【ラジオたんぱ杯2歳S】、ソングオブウインドの【菊花賞】、アロンダイトの【ジャパンCダート】に続き4頭目のJRA重賞勝ち馬となった。尚、母の父にイブンベイを持つ馬がJRA重賞を勝ったのは初めてであった。
一方京都で行われた【京都牝馬S】は、岩田騎乗の1番人気ディアデラノビア (牝5・角居厩舎)が中団からレースを進めて直線馬群を割って抜け出し、8番人気ウイングレットに4馬身差つけて快勝した。さらに1/2馬身差の3着には3番人気アグネスラズベリが入った。勝ったディアデノビアは圧勝であった。今までの詰めの甘さが嘘のように今日は直線僅かな隙間を見つけると間髪をいれず割って出た。するとアッ問い馬に4馬身差。その強さに本命をつけた僕もビックリであった。2着ウイングレットはやはりマイルは良く走る。ぎりぎり追い出しを我慢してたが、勝ち馬とは力の差としか言いようがない。3着アグネスラズベリにはやはりちょっと距離が長かったようだ。ただそれでもここまで走るのは力を付けている証拠だろう。逆に4着サンレイジャズパーはあと1ハロンほしい感じで、5着アクロスザヘイブンは大好走だったといえる。
勝ったディアデラノビアは、父SS、母はポトリザリス(父Potrillazo)という血統。’04年12月に2歳新馬、【白梅賞】を連勝してクラシック候補に名乗りを上げるが、【チューリップ賞】、【フィリーズR】で【桜花賞】の権利を取ることができず、【オークス】へと路線を変更。’05年【フローラS】を快勝して臨んだ【オークス】でも3着に入るも、左前膝を剥離骨折して休養を余儀なくされる。’06年1月に戦線に復帰してからは、【マイラーズC】、【ヴィクトリアマイル】、【オールカマー】、【府中牝馬S】、【エリザベス女王杯】で5連続3着と安定した走りを続けるも勝ち切れない競馬が続いた。前走は【香港C】(香G1)に遠征したが、後方追走から伸びず7着に敗れた。今回の勝利が1年9か月ぶりの重賞勝利となった。通算成績16戦4勝(うち重賞2勝、海外1戦0勝)。
鞍上の岩田はアドマイヤオーラで制した【シンザン記念】に続くJRA重賞制覇で今年2勝目(通算6勝)。管理する角居調教師はウオッカで制した昨年の【阪神JF】以来の重賞制覇で、通算では16勝目となった。なお、このコンビは昨年の【メルボルンC】(豪G1)をデルタブルースで優勝している。
今日の競馬、先週の勝利があったものだから、朝からいろんなレースに手を出していたら、メインを終わった頃には大きな負債を抱えていた。で“さすがに今日は無理だろう”と思いつつも、最後の悪戯で東京、京都の最終レースを“穴は逃げ馬から”という初歩的な理由で逃げ馬から馬券を購入した。すると2レース共人気薄の逃げ馬が逃げ切ってくれた。両レースとも馬単2万馬券、収支はプラスに僅か届かなかったが、結果としては満足なものであった。今日の女子マラソンでいうと、小松まり(2着)的な感じかな!?