8月2日世界に初挑戦する亀田興毅を巡って面白い(失礼かな!?)場外バトルが勃発している。事の起こりは26日付の毎日新聞で、元WBA世界ライトフライ級王者で東日本ボクシング協会副会長の具志堅用高氏が「皆に愛される選手になってほしい」と言いながらも、「元ボクサーや現役選手で本当に(亀田が)強いと思っている人がどれだけいるか」「金をかければ簡単に世界挑戦できるのか。WBAライトフライ級王座はかつて僕が持っていたタイトルだけど、一緒にされたら困る」という持論を展開。また会見でのメンチ切りや弟・大毅の歌のパフォーマンスについても「やっていいことと悪いことがある」と苦言を呈していたことだ。
これに対し、協栄ジムの金平桂一郎会長と亀田のトレーナーである父・史郎氏が「事実誤認も甚だしい。まして具志堅氏は東日本ボクシング協会副会長という要職にある人。こういう発言はいかがなものかと思う」と反論。更に「具志堅氏から謝罪や説明がない限り、対戦相手やプロモートなどでの白井・具志堅ジムとの交流を停止する」と“絶縁”まで口にした。具志堅氏というと金平会長の父・正紀氏が育てた名ボクサーで協栄ジムにも彼のパネルが飾られている。しかし今回の件でそのパネルも降ろすと言う。ただ国内最多の13回連続防衛記録を打ち立てた偉大な王者も堂々としたもので「金平会長からなんら言われる筋合いはない。オレは一般的な考えを言っただけ。技術的な批判も亀田君の将来を思ってのことだ」と不快感を示す。まさしく一発触発の状態である。
僕はどちらかというと、具志堅氏の意見に共鳴している。確かに亀田は弱い外国人ばかりと対戦しているのに、日本、東洋太平洋のランキングに入った。それも全く日本選手と戦わないでである。勿論それはJBC(日本ボクシングコミッション)にも問題はある。しかし多くのボクサーが必至に夢を追いかけ日本ランキング下位でもがいているのを考えるとこの扱いの差は余りにも違いすぎる。また今回の世界挑戦にしても本来のフライ級がWBA,WBC共に現王者が強いこともあり、1階級下げて空位の王座決定戦に出るということがそう簡単に許されていいのかという問題もある。普通なら考えられないことが資金力をバックに可能するのはプロモーターの力なのだろうが、今回のやり方は不思議な違和感が残る。まぁどちらにしろ、このバトルの結末は8月2日の結果をもって幕引きとなるのだろうが、具志堅氏のこのコメントは久々に気持ちのいいパンチであった(尚、僕は個人的には興毅より大毅の方が強くなると思っている)。
では明日の予想。まずは福島から。10R【三春駒特別】の1番ピサノグラフを狙いたい。ここ2走10着、10着だが、3走前は1600万で3着がある。番頭格の厩務員がいなくなって昨年から調子落ちの藤沢和厩舎がなりふり構わず福島に全力投球。先週は2勝2着1回の勢いも買える材料だ。11R【TUF杯】は9番スピニングノアール。前走マイナス16㌔で2着の激走で中1週。調子が悪ければ使わないだろう。ここは長浜師の手腕を信じて勝負する。12Rは13番スギノベラージオ。骨折放牧明けだが、素質があり、馬券的には今回が美味しい。 京都からは11R【灘S】は9番メイショウホウオウ。連頭となるが、前走は小回りコースでレコード勝負の2着と見所たっぷり。得意の京都に替わり、53㌔なら充分勝負になるはず。同12Rは2番リアルコンコルドを狙いたい。ここは1頭(アフリカンビート)強いのがいるが、2000以上で末が甘くなる分マイルなら変り身がありそう。
今夜からW杯の準々決勝が始まる。いかさま無しの真剣勝負。因縁は国と国と対立まで招く。金平具志堅同様とても楽しみである。