2022年度の『ドラフト会議』が昨日開催され、高校No.1野手の浅野翔吾 (高松商高)は巨人と阪神が競合し、巨人が交渉権を獲得。最速154キロ右腕・荘司康誠 (立大)も楽天とロッテが競合し、楽天が交渉権を獲得した。指名された選手は12球団で計69選手。広島、中日が最多の7選手を指名した。育成選手を除いた各球団のドラフトの結果を勝手に採点する。
まずは《セ・リーグ》。
◎ヤクルト…1位吉村貢司郎(投手・東芝)、2位西村瑠伊斗(外野手・京都外大西高)、3位澤井廉(外野手・中京大)、4位坂本拓己(投手・知内高)、5位北村恵吾(内野手・中大)
〈感想〉…1位吉村貢司郎は1年目から先発ローテーションで期待できるし、高校通算54本塁打の西村瑠伊斗はいい素材。ただ正直、左投手不足で即戦力の左投手が欲しかったところ。
◎DeNA…1位松尾汐恩(捕手・大阪桐蔭高)、2位吉野光樹(投手・トヨタ自動車)、3位林琢真(内野手・駒大)、4位森下瑠大(投手・京都国際高)、5位橋本達弥(投手・ 慶大)
〈感想〉…1位で強肩強打の捕手・松尾汐恩の単独指名に成功。問題はうまく育てられるか。ただ野手としての活躍も考えられる。ただ通年だと2,3位で獲れる選手。2位吉野光樹は直球に力強さが増し、先発、救援どちらもできるので使いやすい。僕は4位の森下瑠大に期待。左腕のいい投手が多いだけに成長が楽しみだ。
◎阪神…1位森下翔太(外野手・中大)、2位門別啓人(投手・東海大札幌高)、3位井坪陽生(外野手・関東一高)、4位茨木秀俊(投手・帝京長岡高)、5位戸井零士(内野手・天理高)、6位富田蓮(投手・三菱自動車岡崎)
〈感想〉…浅野の外れ1位で森下翔太を指名。外野の守備、俊足にも定評があり、右打者が少ないチーム事情で1年目からレギュラーをつかむ可能性はある。個人的には僕は浅野より良かったのではないかと思っている。ここ数年。将来性豊かな高校生を獲得している阪神だが、今年も同様。手薄な二遊間はトレードの渡辺で賄うつもりか。
◎巨人…1位浅野翔吾(外野手・高松商高)、2位萩尾匡也(外野手・慶大)、3位田中千晴(投手・国学院大)、4位門脇誠(内野手・創価大)、5位船迫大雅(投手・西濃運輸)
〈感想〉…1位指名浅野翔吾はヤクルト山田やオリックス吉田を彷彿させるといわれているが、僕はやはり体の小ささがきになる。面白い存在は5位の船迫大雅。サイドスローで原監督がリリーフで使いたがる感じの投手だ。
◎広島…1位斎藤優汰(投手・苫小牧中央高)、2位内田湘大(内野手・利根商高)、3位 益田武尚(投手・東京ガス)、4位清水叶人(捕手・健大高崎高)、5位河野佳(投手・大阪ガス)、6位長谷部銀次(投手・トヨタ自動車)、7位久保修(外野手・大阪観光大)
〈感想〉…バランスの取れた指名。1位斉藤優汰、2位内田湘大は将来性豊かな素材で、2~3年広島で鍛えれば面白い。一方で3位で即戦力右腕の益田武尚、6位長谷部銀次と共に救援陣の即戦力になりそう。
◎中日…1位仲地礼亜(投手・沖縄大)、2位村松開人(内野手・明大)、3位森山暁生(投手・阿南光高)、4位山浅龍之介(捕手・聖光学院高)、5位濱将乃介(内野手・日本海L福井)、6位田中幹也(内野手・亜大)、7位福永裕基(内野手・日本新薬)
〈感想〉1位の仲地礼亜は沖縄の大学出身で初のドラフト指名。多彩な変化球を操る実戦向きで1年目から先発枠に入ってほしい。二遊間の補強が懸案事項の中で、2位・村松開人、5位・濱将乃介、6位・田中幹也を指名したが、いずれも俊足巧打の似たようなタイプ。もう少しバランスいい指名して良かったのでは…。
続いて《パ・リーグ》
◎オリックス…1位曽谷龍平(投手・白鴎大)、2位内藤鵬(内野手・日本航空石川高)、3位齋藤響介(投手・盛岡中央高)、4位杉澤龍(外野手・東北福祉大)、5位日高暖己(投手・富島高)
〈感想〉…さすがドラフト上手のオリックスだ。1位指名の曽谷龍平は完成度大学No.で、即戦力。1だろう。2位内藤鵬は高校生離れした長打力が持ち味でオリックスなら大成しそう。3位の斎藤響介は僕が1,2位でもいいと思っていた投手、5位の日高暖己ともども大きく成長できるので…と思っている。
◎ソフトバンク…1位イヒア・イツア(内野手・誉高)、2位大津亮介(投手・日本製鉄鹿島)、3位甲斐生海(外野手・東北福祉大)、4位大野稼頭央(投手・大島高)、5位 松本晴(投手・亜大)、6位吉田賢吾(捕手・桐蔭横浜大)
〈感想〉…ズバ抜けた身体能力で躍動する1位のイヒネ・イツアは大型遊撃手として、無限の可能性を秘めている。ただあくまでも可能性だ。2位の大津亮介は完成度の高い右腕。3位以降は、身体能力は高いが粗さが目立つ「素材型」。ソフトバンクらしい指名。ただなぜか成長するのは育成。
◎西武…1位蛭間拓哉(外野手・早大)、2位古川雄大(外野手・佐伯鶴城高)、3位野田海人(捕手・九州国際大付高)、4位青山美夏人(投手・亜大)、5位山田陽翔(投手・ 近江)、児玉亮涼(内野手・大阪ガス)
〈感想〉…外野が最大の補強ポイントだった中で、蛭間拓哉の1位指名にGOOD。高校時代からいい選手だったが、大学4年間で重厚さを増した。2位古川雄大は将来の主軸を張れる素材。西武は高卒の野手を育成する能力が高いので楽しみ。3位の野田海人、5位の山田陽翔は甲子園活躍コンビ。将来二人とも野手転向か…。
◎楽天…1位荘司康誠(投手・立大)、2位小孫竜二(投手・鷺宮製作所)、3位渡辺翔太(投手・九産大)、4位伊藤茉央(投手・東農大北海道オホーツク)、5位平良竜哉(内野手・NTT西日本)、6位林優樹(投手・西濃運輸)
〈感想〉…投手陣の高齢化が懸念される中、大卒、社会人の投手を5人指名はその表れ。荘司康誠は188㌢の恵まれた体格から150㌔を超える直球、カットボール、スプリットはいずれも質が高い。平良竜哉は「沖縄のアルトゥーベ」と呼ばれている選手。
◎ロッテ…1位菊地吏玖(投手・専大)、2位友杉篤輝(内野手・天理大)、3位田中晴也(投手・日本文理高)、4位高野脩汰(投手・日本通運)、5位兼ねた優太(内野手・浦和学院高)
〈感想〉…荘司のはずれ1位で菊地吏玖を指名。伸びしろの荘司とは対照的に計算できる投手。意外とこういう投手が活躍したりする。2位友杉篤輝は補強ポイントだった二遊間を守れる俊足の選手。うまくいけば開幕スタメンも…。チームを考えると長距離砲が欲しかった。
◎日本ハム…1位矢澤宏太(投手・日体大)、2位金村尚真(投手・富士大)、3位加藤豪将 (内野手・メッツ3A)、4位安西叶翔(投手・常葉大菊川高)、5位奈良間大己(内野手 ・立正大)、6位宮内春輝(投手・日本製紙石巻)
〈感想〉…1位の矢澤宏太はそんないい選手なのか。投手でうまくいけば石川(ヤクルト)、打者でうまくいけば真中(元ヤクルト)タイプでなんかこじんまりタイプにしか思えないのは僕だけだろうか。ただ2位の金村尚真はいい。即戦力になりえる。それにしても富士大はいい投手を輩出する。3位加藤豪将は3Aレベルだから日本でも十分通用しそう。1番打者に収まればナイス指名!
僕がこの指名選手だけで順位をつけると1位オリックス、2位広島、3位楽天、4位DeNA、5位日本ハム、6位巨人、7位西武、8位ヤクルト、9位阪神、10位ソフトバンク、11位ロッテ、12位中日
このドラフトで指名漏れ選手の中では、有望選手の多い大阪桐蔭の選手たちが多かった。大学生では大阪桐蔭時代に根尾(中日)や藤原(ロッテ)と春夏連覇を達成し、一時は上位指名候補として名前が上がった立教大・山田健太内野手、当時は主将を務めていた早大・中川卓也内野手。それぞれ欠点はあるものの、高校時代群を抜いていた藤原、根尾の現状を見ると…。センバツを制した現役組からは松尾はDeNAから1位指名されたが、エースとしてセンバツを制覇し、U-18でも活躍した本格派右腕・川原嗣貴投手と、5番で本塁打を量産していた海老根優大外野手が漏れた。川原は藤浪を2回り小粒にした感じだし、海老根は中村(西武)、森(西武)、中田(巨人)、浅村(楽天)に比べてもかなり小物に映る。ただみんな、ポテンシャルはあるので今後の活躍に期待したい。
前述のように今年のドラフトはなんとなくこじんまりとした感じだったが、来年は面白そう。まずは高校生で、前田悠伍投手(大阪桐蔭)と佐々木麟太郎内野手(岩手・花巻東)に注目。左腕の前田は今春の《選抜高校野球大会》で優勝に貢献、佐々木は高校通算93本塁打を誇る左打ちの強打者だ。他にも広陵(広島)の「ボンズ」と呼ばれる真鍋慧内野手、佐倉俠史朗内野手(福岡・九州国際大付)はともに左打ちのスラッガー。この4人以外では最速150㌔超右腕の松石信八投手(大分・藤蔭)や本格派左腕の東松快征投手(愛知・享栄)らも楽しみな存在だ。大学生では最速150㌔超左腕の細野晴希投手(東洋大)や速球派右腕・西舘勇陽投手(中大)らが有力な候補となる。社会人では神奈川・横浜高出身の高卒2年目で、今年の都市対抗で最高殊勲選手賞にあたる「橋戸賞」を受賞した左打ちのスラッガー・度会隆輝選手(ENEOS)が注目される。
明日からは【日本シリーズ】が開幕する。で、僕の独断と偏見での勝敗予想だが、4勝2敗でオリックスの雪辱日本一と予想する。今回のオリックスは去年と比べて救援陣が充実。平野、阿部、宇田川、山崎颯、比嘉ら強力な投手がそろい、陣容は豊富だ。パ・リーグのどの球団も攻略できなかったのだから、さすがのヤクルトも間違いなく苦労する。先発陣もエース・山本を筆頭に宮城、田嶋、山岡、山崎福、ワゲスバック(リリーフに回るかも…)と盤石。そして杉本がここにきて調子をグングン上げてきている打線もヤクルトとそん色ない。一方のヤクルトは、攻撃陣は強力だが、小川、サイスニード、故障明けの高橋が並ぶ先発の顔ぶれが足りないし、リリーフ陣もオリックスに劣る。下手したら、4勝0敗まであるとみている。もしヤクルトが初戦の山本から勝利を獲ったらひょっとするかもしれない。
明日の予想。東京メイン【富士S】は13番ソウルラッシュ。正直、10番セリフォス、14番ダノンスコーピオンは強いが、この馬もマイルなら勝負になる。東京に実績はないが、【安田記念】は進路がなく、【新緑賞】は距離が長すぎた。相手は1,2,5,10,15,16番。阪神メイン【オータムリーフS】は15番ケイアイドリー。前走は案外だったが、阪神なら違うはず。59㌔でも…。相手は1,2,4,5,6,7,8,10,12番。新潟メイン【北陸S】は10番ルピナスリード。左回りは得意で、1400mの時計を見れば1200mにも対応できるはず。相手は1,2,4,7,8,9,11,13番。
今週の一口馬。3頭出走予定。まずは明日の東京1R【2歳未勝利】(1600mダート)にメリオルヴイータとオランジーが出走する。何もこんなところでぶつからなければいいのだが、馬主がG1とシルクだから仕方ない。どちらかというと、期待はメリオルヴィ―タ。ダート替わりになるが初勝利までもう一歩。ダイワメジャー産駒だからダートも苦にしない。一方、オランジーもドレフォン産駒でダート替わりは歓迎だが、前走時からあまり動きに関しては変わってこないらしい。現状はまだ成長待ちの段階で、明日は少しでも前進してくれれば…という感じ。ひょっとしたらこれまで投資したシルク馬の中で一番のハズレかも…。もう1頭はテキサスフィズ。明日の阪神12R【3歳上2勝クラス】(1200mダート)に出走する。当初は新潟【妙高特別】に出走目指していたが、除外濃厚だったので阪神へ。タイプ的にはスピードを活かす平坦の新潟の方が良いように思うが、坂のある阪神でも実績があるので大丈夫だろう。前走は昇級戦に加えてレコード決着の中でも3着と好走してくれた、今回も良い走りを期待したい。
僕が投資している一口馬でニュースが一つ。デビューを目指していたウインガレオン(牡2歳・田中克典厩舎)の入厩先栗東・飯田雄三厩舎へ変更する運びとなった。原因は「ガレオンは9月下旬に京都にある宇治田原優駿ステーブルへ移動し、入厩に向けて調整を続けています。ガレオン自身、馬体面をはじめ、まだ良化の余地を残す段階ではありますが、調整は順調であることから早期の入厩を要望していました。しかし、入厩時期も含めた今後の運用方針についてクラブと田中克調教師との間で意見の相違があり、これを受けて協議の結果、入厩先を変更し、栗東・飯田雄厩舎に預託することを決定しました。今後は育成場で調整を続けて、11月中にも栗東トレセンへ入厩する予定となっています」とのこと。どうもウインと田中克調教師で相当なもめ事があったようだ。その証拠に1歳馬も転厩予定になっている。馬生いろいろ!