2023年《プロ野球ドラフト会議》が昨日行われ、育成枠も含めて122名(支配下72名/育成50名)の選手が指名を受けた。注目の1巡目指名は、パ・リーグ王者のオリックスが横山聖哉(内野手/上田西高)、セ・リーグ王者の阪神が下村海翔(投手/青山学院大学)を一本釣りした一方で、他の10球団は大卒・社会人の有力選手を巡って競合した。社会人No.1野手との呼び声もある度会隆輝(外野手/ENEOS)は、抽選の末にDeNAが交渉権を獲得し、西舘勇陽(投手/中央大学)は巨人、武内夏暉(投手/国学院大学)は西武、常廣羽也斗(投手/青山学院大学)は広島が、それぞれ交渉権を獲得した。また、2度目の1巡目指名ながら、高校No.1左腕とも称されている前田悠伍(投手/大阪桐蔭高)はソフトバンクが“ハズレ1位”で指名権を獲得。1巡目指名で3度抽選を外したロッテは、上田希由翔(内野手/明治大学)を1位指名した。そのほかではヤクルトが西舘昂汰(投手/専修大学)、中日が草加勝(投手/亜細亜大学)、楽天が古謝樹(投手/桐蔭横浜大学)、日本ハムが細野晴希(投手/東洋大学)の1位指名権を獲得した。全体1巡目指名は大卒9人、高卒2人、社会人1人の内訳で、東都大学野球から7人を輩出。2巡目以下では育成も含め徳島インディゴソックスから6人指名されるなど、独立リーグ勢の躍進も目立った。
ここで勝手にドラフトを評価してみる。1位広島…1位常広、2位高、3位滝田と左右の即戦力投手を指名、新たなる投手大国再建に踏み出す。4位仲田は将来中軸を打てる選手になる可能性ありそうで、5位赤塚も大卒ではあるが伸びしろは大きそうで化けそうな投手だ。2位オリックス…1位で高校生内野手の横山、そして2位河内、3位東松、4位堀と4位まで各ポジションの高校生を指名している余裕のドラフト。育成の自信が見え隠れする。そしてしっかり、下位で社会人の右投手を3人指名しているのが巧い。このあたりの投手が来年後半戦に顔を出してきそう。3位阪神…下村を単独指名し、2位の椎葉は独立リーグ屈指の剛腕。3位山田、4位百崎とタイプの違う高校生野手を指名して競わせ、他は投手でまとめた。目的がはっきりしているバランスのいいドラフトだ。4位日本ハム…1位で2度抽選を外したものの細野を獲得したのは大きい。潜在能力は大学で今回一かも。僕は和製チャップマンとして後ろも面白いとみている。2位で大学NO.1捕手の進藤、3位でパンチ力に加え50m5秒台の快足と外野手の宮崎。井端さんは「塩見2世」の評価をしていた。また4位で将来性を見込んで右の長距離砲の明瀬も押さえた。5位西武…1位指名を公表していた安定度抜群の左腕の武内を引き当て、2位でも関西ナンバーワン投手と評判だった大商大の154㌔右腕、上田大河の指名に成功。杉山、成田と高校生の投手も指名し長期を見据え、6位の村田は西武らしい1m91,111㌔の大型内野手だ。いかにも西武らしいドラフトである。6位DeNA…1位渡会は横浜高時代から好打者だったが、社会人を経験して飛躍的に長打力が加わった。佐野以外は固定できていなかった外野の一角に食い込む可能性は十分にある。2位の松本は、打者に背中を見せる変則のサイドハンド。ワンポイントなら即戦力で良いリリーフになりそう。3位の武田は二刀流。僕は打者に専念すべきだと思っている。残念だったのは即戦力の先発タイプを上位で指名しなかったことだ。やっぱり即戦力の投手が欲しい。7位ヤクルト…補強ポイントは即戦力投手。クジで2度外したが、もう一人の西舘、2位で社会人ではNO.1の松本、3位で左腕の石原を獲得できたのは大きい。松本は昨年1位の吉村ぐらいのレベルにある。4位の鈴木は高校生捕手では堀より上とみている。5位の伊藤のショートの守備はすぐに使えるらしい。8位中日…1位で狙っていた度会を外したことは痛いが、外れ1位で亜大の草加勝を引き当てたのはいい。創志学園時代は阪神の西純矢の控えだった右腕で、最速153㌔の角度のあるストレートがあり、4年の春には6試合に完投勝利しうち4試合で完封している。今の中日なら即中継ぎあたりで使えるのでは…。身体能力抜群のショートの津田啓史、スピードタイプの辻本倫太郎を2、3位で指名。昨年の村松、田中に続き2年連続でショートの即戦力を補強。とりあえずセンターライン強化の見えるドラフトだ。9位ソフトバンク…一にも二にも育成できるかが鍵。僕はとにかく前田の育成に力を注いでほしい。2位の岩井は即戦力だが、長距離タイプの廣瀬、4位の村田は正直未知数の部分が多すぎる。化けるかもしれないが、そのまま終わるかもしれない。10位巨人…僕はもう少しバランスをとったドラフトの方が良いと思うが、1位の西舘を筆頭に、大学生1人、社会人4人の異例ともいえる来季特化型のドラフト。良い選手がいるのに使い切れていない巨人の現状を示している。なんか切羽詰まった感じがして仕方ない。11位楽天…古謝は腕の出どころが見にくい可能性を秘めた大型左腕だが、大物感はない。2位の坂井、3位の日當、4位のワォーターズ璃海と大型の高校生に3枠を使わないで、もっと打力のある選手を指名したほうが良かったのでは…なんか中途伊半端なドラフト。12位ロッテ…度会、草加、細野とクジで3度外して明大の左のスラッガーの上田希由翔を指名した。中村将の後釜としてはいい指名かもしれないが1位でなくても…。でもこんな選手が1年目から活躍することも多々あるのも事実で、予想を裏切る活躍を期待したい。ただそれでもシーズン終盤からCSで先発不足を露呈した球団なのだから、もっと先発タイプの即戦力にターゲットを絞るべきだったように思える。
いずれにしろ、本当の成否がわかるのは、5年後、10年後。みんな頑張ってほしい!
ドラフトでプロの一歩を歩む選手がいると思えば、まさかの指名漏れの選手もいる。例えば、高校生で高校通算62本塁打の広陵の「ボンズ」こと真鍋慧内野手、U18高校日本代表の沖縄尚学・東恩納蒼投手、同じく履正社・森田大翔内野手らがそうだ。大学生では大学日本代表の早大・熊田任洋内野手、同じく明大・蒔田稔投手らが指名を受けなかった。そして社会人では日本通運・平元銀次郎投手、三菱重工West・竹田祐投手らが指名漏れした。主な指名漏れ選手は以下の通り。
<高校生>広陵・真鍋慧内野手、沖縄尚学・東恩納蒼投手、履正社・森田大翔内野手、仙台育英・仁田陽翔投手、東北・ハッブス大起投手、修徳・篠崎国忠投手、高田・中山勝暁投手、神村学園・黒木陽琉投手、花咲徳栄・小野勝利内野手
<大学生>東北福祉大・後藤凌寿投手、成国際大・冨士隼斗投手、早大・熊田任洋内野手、早大・加藤孝太郎投手、明大・蒔田稔投手、法大・尾崎完太投手、立大・池田陽佑投手、立命大・谷脇弘起投手、同大・真野凜風投手、九州共立大・木村仁投手、日大・友田佑卓捕手、関大・有馬諒捕手、日体大・松浦佑星内野手
<社会人>日本通運・平元銀次郎投手、セガサミー・古屋敷匠真投手、東芝・粂直輝投手、三菱重工West・竹田祐投手、ヤマハ・相羽寛太内野手、日本新薬・武田登生内野手、パナソニック・山本ダンテ武蔵外野手
個人的には神村学園の黒木は指名してほしかったな。それでも高卒の真鍋、東恩納、黒木、森田、仁田は今後指名がありそうだが、大卒の熊田、池田、有馬あたりは高卒時にプロに行っていれば…と思ってしまう。人生って難しいね。
ドラフトの次は《日本シリーズ》。1964年の南海VS.阪神以来、59年ぶり2度目の関西対決となる。スポーツ紙などいろいろな勝敗予想を見ていると、阪神優利の評論家の方が多そうだが、僕も勝手に勝敗予想をしてみる。《CSファイナルステージ》は、どちらも数少ないチャンスを生かして競り勝ってきた感じだった。まぁいずれにしてもロースコアの展開が多いシリーズになりそう。今年の阪神の得点は、近本、中野が安打や四球で出塁し、森下、大山、佐藤輝で還す、また木浪が出て、投手が送って、近本、中野で還すパターンが多くみられた。ここで鍵になるのは、阪神がレギュラーシーズン獲得したリーグ最多の494四球。この四球の多さが得点につながった。ただオリックス投手陣はリーグ2番目に少ない405与四球と、そう簡単に四球を出さない。つまり阪神はレギュラーシーズンのように得点が獲れるか疑問になる。それに、先日から僕が書き続けているように阪神は短期決戦で“嵌りそうな”選手が多そうに思える。嵌らなそうなのは木浪ぐらいではないか。一方、オリックスは左足首を痛めた杉本、左手首違和感の紅林は心配だが、レギュラーシーズンでも何かあったときに、さまざまな選手でやりくりをしていたのでそう苦にしなそう。現に《ファイナルステージ》でも、森を外野で使っていたし、首位打者の頓宮さえも控えに回っていたほどだ。そういう起用法ができるのは中嶋監督の真骨頂である。
それから投手陣を比べると、僕はオリックスの投手力が12球団一だと思っている。もし7試合すべて違う先発投手という決まりがあっても、山本、宮城、東、山崎福、田嶋、曽谷、山岡(今はリリーフだが)と、故障の山下舜なしでも組める豊富な先発陣。リリーフ陣も平野、山崎颯、宇田川、阿部、本田、小木田、ワゲスバックと選り取り見取り。序盤失点してもゲームを壊すことがない多彩さである。一方、阪神も投手陣は豊富。先発で村上、伊藤将、大竹、西勇、青柳、才木、西純、リリーフ陣が岩崎、岩貞、桐敷、石井、加治屋、島本、及川らと揃っている。ただ大竹、加治屋、西勇らパリーグ出身の投手がオリックス打線を抑えられるかどうかは不安だ。村上、伊藤将も投げてみなければわからない。特に大竹は森が大の苦手(高校時代から)で、オリックスも阪神緒投手陣は組みし易しだろう。僕は量質共にオリックスが上とみる。そそして何よりもオリックスは、3年続けて《日本シリーズ》に進出という経験の強みもある。これは大きな差だ。よって僕の結論…オリックスの4勝2敗。もちろん阪神に嵌る選手が少ないこともあり得る。そうなっても4勝3敗でオリックスかな。キープレイヤーは両チームのサードである佐藤輝と宗で、二人の攻守で決まるような気がする。両軍とも頑張れ!
海の向こうのMLBも《第119回ワールドシリーズ》が明日開幕する。《ア・リーグ優勝決定シリーズ》では、レンジャーズがアストロズを4勝3敗で破り、12年ぶり3度目のリーグ優勝を決めた。2010年と2011年にも《ワールドシリーズ》に出場したレンジャーズだが、2010年は1勝4敗、2011年は3勝4敗で敗退。「3度目の正直」で球団史上初のワールドシリーズ制覇を目指す。一方《ナ・リーグ優勝決定シリーズ》はダイヤモンドバックスがフィリーズを4勝3敗破り、初進出と初優勝を果たした01年以来22年ぶり2度目となる《ワールドシリーズ》進出を決めている。《日本シリーズ》と違ってこの両チームは、ともにワイルドカードからの進出。両チームとも21年には100敗以上と低迷しており、100敗シーズンから2年以内のチーム同士の対戦は史上初めての「下克上シリーズ」となる。果たして優勝するのは…僕は4勝3敗でレンジャーズかな⁉
ところでMLBは21世紀に入って《ワールドシリーズ》連覇を成し遂げたチームがない。《ワールドシリーズ》連覇は1998~2000年のヤンキースが最後で、連覇がない現在の期間は、北米4大スポーツ史上の最長記録なのだ。MLBの歴史上、ワールドシリーズ連覇は14度達成されている。それは、1907~08年カブス、1910~11年アスレチックス、 1915~16年レッドソックス、1921~22年ジャイアンツ、1927~28年ヤンキース、1929~30年アスレチックス、1936~39年ヤンキース(4連覇)、1949~53年ヤンキース(5連覇)、1961~62年ヤンキース、1972~74年アスレチックス(3連覇)、1975~76年レッズ、1977~78年ヤンキース、1992~93年ブルージェイズ、1998~2000年ヤンキース(3連覇)だ。
これを見てお分かりのように《ワールドシリーズ》連覇を成し遂げた14チームのうち9チームはプレーオフが《ワールドシリーズ》しかなかった時代のチームであり、《ワイルドカード》導入後に限れば、1998~2000年のヤンキース(3連覇)しか達成していない。これはプレーオフのステージ数が増えたことで運に左右される場面も増えたからであろう。今年はとりあえず連覇はない。来年、今年の《ワールドシリーズ》を制したチームが連覇という偉業に挑戦することになる。挑戦者はどっち⁉
明日の予想。東京メイン【アルテミスS】は4番チェルヴィニア。前走がとにかく圧巻、この頭数なら、不利もないはずでここは鉄板。相手は1,2,6,7,8,9番。特に血統面で8番と【新潟2歳S】が良かった2番は厚めに。京都メイン【スワンS】は8番グレナディアガース。マイルのG1を勝っているが、1400mがいちばん良い馬。前走も出遅れたもののG1馬の片鱗を見せた。相手は1,2,3,4,9,15,16番。新潟メイン【魚沼S】は10番マイネルモーント。ここにきて安定したレースぶりを魅せる3歳馬。伸び盛りでここも好勝負を期待。相手は1,2,5,6,7,11番。
今週の一口馬。今週は2頭で、まずはラブリアージェが明日の新潟12R【3歳上1勝クラス・牝】(1200mダート)に古川吉騎乗で出走する。昆調教師は「今週もコース長目から負荷を掛けて追い切りを消化しています。単走でもキビキビとした動きを披露して、馬自身が活気に満ち溢れている。疲れは感じられず、いまは稽古でもだいぶ落ち着いた状態で臨めるようになってきたので、とにかく馬の雰囲気が良く映りますよ。使いたかった内回りの芝1400m戦は出馬状況が混み合っており、矛先をダ1200m戦に変えて投票しています。どこかで試したい気持ちはあったのですが、この週末が雨予報で脚抜きいい馬場コンディションとなりそうですからね。タイミング的に狙うならここしかないでしょう。芝以上のパフォーマンスを示せるかは疑問でも、スムーズに競馬できるようなら前進があると期待しています」とのこと。元々園田のダートをスピードで逃げ切って3連勝してきた馬。僕はこの条件での走りを待っていた!人気は無いが期待している。もう1頭はジャーヴィスが明後日の京都8R【3歳上1勝クラス・混】(1400mダート)に酒井学騎乗で出走する。千田調教師は「中1週となるので、昨日は単走で動きを確認する程度の追い切りを消化。この中間も順調にきていますし、問題ない感じだったので今週の出走を決めています。予想に反して思いのほかメンバーが揃った感じがしますが、この馬の場合はまずスムーズに競馬ができるかといったところ。枠順次第となりますが、なるべく馬込みを避けて競馬ができればと思っています。2走前なんかは外にずっと張り付かれていましたが、それは気にしていなかったようなので、まだ分からない部分もあるんですよね。少しずつ成長は見られますし、いろんな経験をすることで着実に良くなっているのを感じるので、ここも収穫のある走りをさせたいと思っています。ジャーヴィス自身、前走でこの距離の流れは掴めたでしょうし、鞍上も手応えを感じていたので、いい走りをしてきてもらいたいですね」とのこと。掲示板を期待。
山田敬士(26・フリー)からの騎手免許の取消申請を受け、JRAは26日付で同騎手の騎手免許を取り消した。 山田は9月に調教中に落馬して負傷。復帰を目指していたが、回復が思わしくなく、引退を決断したとう。山田は2018年デビューの6年目。18年4月14日の福島競馬6Rでイペルラーニオ(栗東・矢作厩舎)に騎乗して初勝利を挙げた。その後もコンスタントに勝ち星を重ねていたが、18年10月13日の新潟6R【3歳上500万下】(2500mダート)に騎乗した際、距離を誤認。大きく離された最下位に敗れ、翌日から3カ月間の騎乗停止処分を受けた。JRAでは通算1982戦40勝。今年は先週末時点で、118戦0勝という成績だった。山田は僕にとっては思い出深い騎手である。というのも、まだ現役で頑張っているアースライザー(6歳)の2勝を挙げた時のジョッキーが山田なのだ。つまり、山田の勝利の1/20は僕の一口馬の勝利なのだ。もし山田で勝っていなかったら、まだ競争馬でいたかどうかもわからない。山田有難う!そしてお疲れさまでした!