競馬の前にゴルフニュースを3つ。まずは男子ゴルフ【つるやオープン】。首位と2打差でスタートした松山英樹が通算18アンダーの266で優勝。日本ゴルフツアー機構が発足した1999年以降では最短となるプロ2戦目での優勝を飾った(アマチュア時代を含め、ツアー通算2勝目)。東北福祉大4年の松山は今月2日にプロ転向を表明。プロデビュー戦となった【東建ホームメイト・カップ】では10位に終わっていたが、今日は強い松山が君臨。いやぁその強さは石川遼を上回るインパクトであった。今後の日本のゴルフ界にとって明るい話題だ。
二つ目。女子ゴルフ【フジサンケイレディスクラシック】。勝ったのは首位で出た28歳の佐伯三貴。6バーディー、1ボギーの67で回って通算14アンダーの202で逃げ切り、前週の【KKT杯バンテリンレディース】に続いて優勝した。ツアー通算7勝目で、賞金1440万円を獲得。今年の賞金獲得トップに立った。尚、日本選手による2大会連続優勝は、’09年9月の諸見里しのぶ以来であった。昨年首の手術をして”もうゴルフが出来なくなる”と思ったらしいが、森田に続き、佐伯の復活は女子ゴルフ界を盛り上げるだろう。
三つ目。同じ【フジサンケイレディスクラシック】の舞台、『川奈ゴルフコースGC』の名物ホールといえば、ティグラウンドからグリーン面まで7m以上の高低差がある砲台グリーンの17番パー3。このホールで今日23年ぶりの快挙が生まれた。下川めぐみが、今年の【アクサレディス】に続き自身2度目のホールインワンを達成した。驚くべきは、この17番にかけられたホールインワン賞の賞金。今大会でかけられている元々の賞金額は100万円ながら、’85年からは未達成の時点で100万円ずつ翌年へと繰り越され、上限は800万円に設定された。’90年大会でコウ・ゲッキンが(当時のコースはファイブハンドレッド)達成して賞金600万円を獲得。そしてこの日、下川が23年ぶりに同賞を獲得し上限額800万円をゲットしたのだ。17番の1ホールだけで、単独2位(横峰さくら)を上回る賞金。ホ^-ルインワン賞において女子ツアー史上最高額とであった。尚、この下川、日本女子プロゴルフ協会の会員ナンバーは、“777番”というから、そんな運を持っているのだろう。
では今日の【第147回天皇賞・春】を振り返る。勝ったのは僕が初輸送を考え本命を回避した蛯名正義騎乗の2番人気フェノーメノ(牡4歳・戸田博文厩舎)。4コーナー先頭の積極策から押し切って、GI初制覇を飾った。タイムは3分14秒2。断然人気に推されたゴールドシップはいつもの手応えがなく5着に敗れた。沈んでいく同期のライバルを尻目に、自分の競馬を貫いた。狙い通りの積極策を敢行したその先に待っていた栄光のゴール。フェノーメノがついにGIのタイトルを手に入れた。
レースはサトノシュレンが気合をつけて先頭に立ち、トウカイパラダイスが2番手へ。大外からかかり気味にムスカテールも先行策を取り、3頭が後続を離してやや速いペースの流れ。ゴールドシップはいつものように後方を追走。縦長の展開になるが道中は大きな動きもなく、2周目の3コーナーの勝負どころを迎える。ゴールドシップが仕掛けて上昇していく。しかしいつものまくり切るような勢いがない。逆に、好位を追走したフェノーメノが強気に進出して4コーナーでは早くも先頭に躍り出る。ゴールドシップはいつもの伸びがなく、前にいたトーセンラーに離される。強気に出たフェノーメノに、トーセンラーが迫るが差は詰まらず、そのままフェノーメノが栄光のゴールを駆け抜けた。1馬身1/4差の2着が3番人気トーセンラーで、2馬身差の3着が6番人気レッドカドー。
勝ったフェノーメノだが、パドックで見ていても初コース、初輸送の影響はなく良く見えた(よってこれからの馬券も購入して3連複的中!)。古馬になって馬がしっかりしてきたのか、自分の競馬が出来るようになった。それがいちばんのこの馬の強さの秘訣だろう。この強さは本物で、これから先が楽しみになった。これで【宝塚記念】は3強でなく、4強の戦いと言っていいだろう。2着トーセンラーは本当に京都は走る。これだけ走れば他場でも走っておかしくないのだが・・・。3着レッドカドーもさすがに力がある。このあとのシンガポールが狙いかとも思ったが、秋【JC】に来ると言うので来たらまた注意が必要だろう(秋は【メルボルンC】、【JC】、香港のローテーションらしい)。4着 アドマイヤラクティは3~4コーナーでややスムーズに捌けなかった。ただ一線級相手にこれだけのレースが出来たのだから、この馬もパワーアップしている。問題の5着ゴールドシップ。正直敗因がわからない。いつもの切れがなかった。気分的な問題で、故障でなければいいが・・・。でもこれで人気が落ちれば【宝塚記念】は面白い!? 僕が本命に推した15着カポーティスターだが、ゲートを出てすぐに接触して、1~2コーナーで折り合いを欠いてしまった。距離も長かったのかもしれないが、最後は脚をなくしていた。
勝ったフェノーメノは、父ステイゴールド、母ディラローシェ(母父Danehill)という血統。北海道平取町・追分ファームの生産で、(有)サンデーレーシングの所有馬。通算成績は11戦6勝。重賞は【青葉賞】、【セントライト記念】(’12年)、【日経賞】(’13年)に次いで4勝目。
戸田博文調教師は【天皇賞】初勝利、蛯名は’96年・秋バブルガムフェロー、’02年春マンハッタンカフェに次いで【天皇賞】3勝目。また前日の【青葉賞】(ヒラボクディープ)に続く土日重賞連勝にもなった。そして今年の春のGⅠこれで関東馬は【桜花賞】、【皐月賞】に続いてGI3連勝となった。
それから香港・シャティン競馬場で行われた【クイーン・エリザベスII世C】に出走したエイシンフラッシュ(牡6・藤原英昭厩舎)だが、ゴール前で猛追も惜しい3着となった。レースでは、M.デムーロ騎乗で14頭立ての13番ゲートからスタートしたエイシンフラッシュは、道中前半1000m通過が63秒台で流れるスローペースをじっくり脚を溜めての最後方を追走。3~4コーナーにかけての手応えもよく最後の直線に向いてくると、進路をインコースに切り替えて鋭く脚を伸ばして残り50mで3番手に浮上した。その後も鋭く伸びて最終的には勝ち馬でベリー騎手騎乗のミリタリーアタック(セン5、香港・J.ムーア厩舎)、2着のカリフォルニアメモリー(セン7、香港・A.クルーズ厩舎)に最後は猛然と迫って捕らえかけたところでゴールとなって、非常に惜しい3着に入った。勝ちタイムは、2分2秒14。
エイシンフラッシュは、父King's Best、母ムーンレディ、その父Platiniという血統。昨年の【天皇賞・秋】で感動の復活優勝に導いたM.デムーロを背に、ゴール前で見せ場たっぷりの惜しい3着でゴールイン。勝利こそならなかったが、今シーズンの活躍を期待させる走りを見せた。
明日は福島競馬が行われるが、4Rクニサキゼブライカ、11Rロンドで勝負する。それから明日のゴルフの予定。下川めぐみ選手のように何か一打いいショットをしてきたいものだ。