「糸」
2020-03-16 | 読書
中島みゆきの名曲をモチーフに映画が作られ4月公開。
これはその映画のノベライズで、脚本を担当した林さんの著作だ。
正直言って、軽いノリで手に取ったのだったが・・・深い。
脚本家というのはここまでストーリーを組み立てるものなのかと
驚愕するほど深い内容だった。
単なるラブストーリーではない、スケールが大きい社会派の内容。
文章表現では、悲しいことを「悲しい」、辛いことを「辛い」と書かず
そのシチュエーションの中で表現するのが当たり前だが、
現代社会の裏側をこういう形で大きなストーリーに組み込んだ上で、
純粋なラブストーリーに落とし込んでいる。
お見事。
これほどまでのストーリーは自分にはなかなか生み出せないなぁ。
「糸」林民夫:著 幻冬社文庫