風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

9年前の今日・当日

2020-03-11 | 風屋日記
まだ運行を始めて10日ほど。
初めて乗ったはやぶさは快適だった。
朝早かったにも関わらず、新しい車両が珍しく
あちらこちらキョロキョロしまくっていた。

あっという間に盛岡に着き
(2時間20分がとんでもなく早かった)
校了となる、当社初取引となる出版社のムックの
今後の進行計画などについての打ち合わせも予定通り。
久しぶりに知人が経営する喫茶店に行ってランチし、
時間も余裕だったのでゆっくりと
岩手銀行中の橋支店(現レンガ館)や
早春の中津川の写真を撮りながら駅まで歩いた。
花巻へ向かうために乗った電車は確か14:02盛岡発。
花巻までは40分だ。

花巻駅についたのは14:42。
電車を降り、陸橋を渡って改札口を出たとき時計を見た。
14:45だった。
駅から出て、当時駅前にあった灰皿のところで1本くわえた。
その瞬間だった。


30分後もまだ路線バスは走っていたが
立て続けに起こる、バスの中でもわかるほどの余震によって
少し走っては止まり、また少し走っては止まりを繰り返していた。
末広町の交差点のところに立つコンクリート製の電信柱が
グラグラ揺れて、電線がちぎれそうになっていた。
どこも信号は動いておらず、バスはそろりそろりと走る。
いつもの5倍ぐらい時間をかけて自宅近くのバス停に降りた。
まだ揺れている。
本震中に急いで打ったメールにより、家族の無事は確認できていた。
自宅から車を出して、母がひとり住む実家へ。
長い長い10日間はそうやって始まった。
コメント
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