風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

応援団退団式

2020-03-04 | 風屋日記
母校である岩手県立花巻北高の卒業式が
3/1に卒業生だけで行われたのだろう。
国の要請によるので仕方ないところもあるが
特に校長は今年度で定年退職だから忸怩たる思いだろうな。
そして、生徒たちにとって悔しかっただろうと思うのは
応援団退団式がなかったのではないかということ。

花巻北高は旧制花巻中学からのバンカラの伝統を持つ。
今は応援団幹部だけだが、
我々の頃は一般生徒もボロ学帽に手ぬぐいを腰に下げ、
下駄や足駄を履いて街中を闊歩していた。
全校生徒が応援団に所属し、幹部は選挙で選ばれる。
しかも生徒会執行部より真剣に。
成績優秀で同級生からも尊敬を集める奴しかなれなかった。

母校にとって、入学式より重要なイベントは応援団入団式。
新入生がひとりひとり先輩たちの前で自己紹介する。
ヤジを飛ばし、大騒ぎする先輩たちのを前に壇上で・・・だ。
それが入学後の最初の洗礼となる。
放課後の応援歌練習や、幹部が各教室を回る歌詞指導とともに
花高生になるための通過儀礼だ。
(もしかしたら次年度これも無くなる?)

そして卒業式より重要なイベントが応援団退団式なのだ。
卒業生全員と在校生全員が体育館で対面し、
卒業する応援団幹部OBと在校生の現役幹部の旗振りにより
双方がエールを交わし合う。
いつものエールではなく、お互いに思いつきエールなので大爆笑となる。
笑顔で去る、笑顔で送る、とてもいいイベントだと思う。
そして全員で「花高讃歌」1番2番を歌うのだが、
続けて卒業生たちは、3年間でこの時だけ歌うことができる3番を歌う。

 ああパラダイス花高に 思い出深き三とせ
 桜が丘は永遠に咲け 緑が丘の常盤木よ
 ああ懐かしき学び舎に

歌いながら卒業生たちはここで泣く。
(今はどうかわからないが、我々の頃はそうだった)
この歌で巣立つ覚悟ができるのだ。

今年のコロナ禍で、この退団式がなかったとしたら
それはとても可哀想だな。
コメント
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