いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

「あなたのために」は呪いの言葉

2016-04-28 01:30:33 | 特選いぶたろう日記
「教育」と「支配」は違う。
子供を親の思うとおりに育てようとするのは、
愛情に見せかけた自己満足でしかない。

暴力や強制力でうわべだけ従わせたところで、
子供の心の奥底を変えることはできない。
厳しすぎる管理や成果の要求、そして罰は何も生まない。
叱られ続け、否定され続けた子供は、
やがて自分を守るために親の望む姿を演じ、
嘘をつかざるを得なくなる。

逃げ場をなくした子供は、心を殺してしまう。
親に責められないことだけを望み、
自分自身を封じ込め、好きも嫌いもなく、
何も考えず、何も言わず、唯々諾々と従うだけの存在になる。
心が死んだ子供に、どれほどの学歴や地位や財産が備わったとて、
それはその子にとっての幸せと呼べるだろうか。
親が自分の成果として喜ぶためだけに、
子供は自分の人生を犠牲にしなくてはならないのだろうか。

親は、何があっても味方で居てくれる存在であるべきなのだ。
家庭に居場所を喪い、逃げ場を求めた子供が、
悪い大人につけ込まれて、いったいどれほど犯罪の犠牲になったことか。

子供には、結果よりも過程が大切なこともある。
何度失敗しても温かく見守ってやるべきだし、
目には見えなくとも必ず成長する。
私が居ないとこの子はダメだ、なんてのは思い上がり。
親が居なくとも生きていけるように育てるべきなのだ。

子供もまた、ひとつの人格。
そのすべてを管理し、支配し、責任を負おうなどと、
子供にとってはありがた迷惑な、
親の過信でしかないのだ。

恩着せがましくくり返す、
「あなたのために…」
に続く言葉は、何か。
「私がどれだけ…」ではないのか。

それは、見返りを求める言葉ではないのか。
Comments (2)
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