正常なお産でなく、流産でも難産になることがある。
胎児が先に死んでしまっているので、まともな姿勢で産道に入ってこなくて難産になるのだ。
胎児がまだ小さいのでたいていはひどい難産にはならずに済む。
ただ、流産の原因が気になるので、神経を使う。
以前に、難産になって運ばれてきた流産がERV(馬鼻肺炎ウィルス)による流産だったこともあった。
いつも馬がいるわけではないし、妊娠馬はそうそう来院しないので、診療室も器具も、消毒と洗浄を繰り返せば、診療所閉鎖までしなくても大丈夫なのだが。
牧場でも流産があったら、流産した母馬や胎児や胎盤や羊水で周囲が汚染されないように注意し、
流産した馬とほかの馬ができるだけ接触しないようにする必要がある。
診療室は洗浄と消毒をし易いが、一般の厩舎ではなかなか難しいだろうと思う。
しかし、大切なことだ。
天寿をまっとう出来る動物、特に大動物は、中々少ないですしね。
伝染が原因の流産は、担当している獣医が、その後の対処を徹底して教えなければなりませんね。それも義務の一つですね。
感染性なら見えない相手だけに緊張感が絶えません。
正直、今のうちのところではリスク意識がなく、コーチングが難しいです。男子だったら良かったのかな…。私の技量不足かなとも。いやはや、難しいです!
馬の場合、「受胎」しても、10%前後は生まれてきません。生産とはほんとうにロスとリスクの多いいとなみです。
ERVは、生産牧場は非常におそれているのですが、そのわりにワクチン接種以外の対策ができていないかもしれません。
獣医師が居る牧場で伝染病が発生すると、獣医師はたいへん辛い立場におかれます。「獣医師が居るのに何やってるんだ」になりがちです。普段は言うこと聞かないくせして;笑。
完全に防ぐのは難しいですが、だからこそリスクと被害を最小限に抑える対策は必要ですよね。
内臓が…
かわいそうだなあ
後ろについているのは胎盤です。子馬の内臓ではありません。かわいそうなことにちがいありませんけど・・・・・