今年の北海道獣医師会三学会では、シンポジウムがいくつかの会場で開かれた。
私は、エキノコックス症のシンポジウムを聴いた。
エキノコックスの名前は北海道ではかなり知られているが、獣医師でさえ、詳しい情報は知らない人が多いのではないだろうか。
なんとなく恐 れられてはいるが、実際には今まで数百人の患者さんが確認されているだけだ。
奇妙な病気だし、病状が進行すると治療法がないので恐れられるが、もっと発症率も死亡者数も多い病気はいっぱいあるだろう。
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しかし、その辺りにキツネやタヌキがうろついているし、そんなところのイヌの飼い主としても興味深いシンポジウムだった。
また、寄生虫症を扱うことが少なくない馬医者としても、寄生虫症について参考になる内容だった。
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北海道で問題になっているのはエキノコックスといっても多包虫Echinococcus multilocularis だが、私はかつてイギリスからの輸入馬で単包虫 Echinococcus granulosus の剖検例を観たことがある。
肝臓に数センチの結節がいくつかあり、解剖していたJRAの病理の先生が、
「エキノコッカスかもしれない」と言って、結節の内容液を顕微鏡で観て、
六鉤幼虫が確認された。
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最近、本州の屠場で解体された北海道産の馬でもエキノコックスが見つかっているらしい。
すでに、北海道の全域で、キツネは半数以上がエキノコックスに感染しているとのことだ。
終宿主であるキツネやイヌは、エキノコックスに感染したネズミを食べないと感染しない。
しかし、中間宿主であるヒトを含めた動物は、エキノコックスの卵が口から入ると感染してしまう。
私は、山や川でさんざん水道水以外の水を飲んできたので、そのうち検査を受けたいと思っている。
相棒が、目を離した隙にネズミの死骸を食べたりしないように気をつけようと思っている。
キツネに餌をやったりしないのは当たり前。
これは北海道へ旅行に来る人にも覚えておいてもらいたい。
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交通事故だろう。
番(ツガイ)だろうか。
タヌキは夫婦で行動する珍しい動物だ。
可哀そうに・・・・・冥福を祈る。
検査機関は限られるのですか?
オラ君の場合、検査しなくても定期的に駆虫薬の投与を考慮した方がいいのですか?
猫も中間宿主だそうですね。猫飼いさんへの啓蒙もして欲しいです。
本人が気付いていないのに、体は、外敵の侵入に、ちゃんと反応しててくれるなんて、とても不思議だと思います。
自分の抗体を応援するには、やはり、健康に気を付ける、ということなんでしょうね。
道新で読みました。 ロマンがあってかっこいいなと思ったのを覚えています。
温暖化で氷がどんどん割れてもっとやって来るキツネが増えるのか、
自然界もボーダーがなくなってきましたね。
人の検査はふつうにはやってもらえません。イヌはキットが市販されているようです。
ネコは終宿主として感染するようですが、好適宿主ではないとのことです。やはり、キツネ→ネズミ→イヌ→人のルートに注意なんでしょうね。
エキノコックスをすんなり成虫にしてしまえばひどい病気にならずに済むのに、抵抗するがために治せない病気になってしまうという見方もできるのかもしれません。難しいものです。
温暖化すると流氷は減るのでしょうね。しかし、北海道のキツネにはすっかり蔓延してしまっているようです。野生動物を駆虫することができるのかどうか・・・考えたり、試されてはいるようですが、難しいでしょうね。
エキノコックスに限らないことですから、感染症の予防に努めたいと、はとぽっけも思います。(何回もコメントして、すみません)
なるほど。ほとんど繋がれているイヌに比べて、ネコはネズミを捕まえるのを目的に飼われていたりしますから、ふつうの家ネコではなく厩舎や畜舎で飼われているネコは感染率を調べてみる価値があるかもしれませんね。
エキノコックスで検索しましたところ、多包虫嚢はこの世のものともおもえない悪夢のような形状ですね…エイリアンのほうがまだかわいいです…泣ToT
最近の温暖化により熱帯地方の伝染病が日本でも心配されるという流れからいくと、北方原産の寄生虫が本州をどんどん南下するということはなさそうと素人考えではおもわれるのですが、どうでしょうか…(来てほしくないという願望をこめて…;人;)
北海道はさすが畜産県なので伝染病との戦いが多いことが分かります。馬の伝染病発生状況の年別表をみるとテンションが上がりますが、その感動を伝えるのは難しいです^^;