馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

飛節軟腫 ワンコの

2016-11-07 | ワンコ修行

今年は急に寒くなったし、相棒は皮膚炎の影響か冬毛の伸びが悪いような気がする。

そんなこともあり、夜は玄関フードに入れてやることが多い晩秋だった。

毛布をかけてやったりはしません。

この写真はいたずら。

雨の土曜日の朝、外へ出したら急いで戻ってきて、玄関の段差を上りそこねたのか戸にぶつかった。

左後肢をぶつけたと思ったのに、そのあとから右後肢を着けなくなった。

しばらく様子を観たが、痛くて肢を着けない。

触ると痛がる。

異常可動はなさそうだが・・・・

Dyson先生の8段階グレードで言うと、7/8かな。

まったく負重できないが、身動きできないわけではない。

X線撮影してもらった。

うわっ!中足骨が何本もあるよ。が、馬のじゅういさんの見立て。

真面目にしげしげと見ても骨折はしていないようだ。

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翌日曜日は若い獣医さんたちを集めてのX線撮影の研修会。

借りた実習馬で50回近くのX線撮影をした。

相棒は夕方は少し痛みがひいたようだった。

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今朝のようす。

右の下腿足根関節が腫れている。

たぶん濡れた玄関の段差を上り損ねて捻挫したのだ。

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まだひどい跛行なのだが、動き出すと痛みを忘れるらしい。

散歩に連れ出すまでもなく、リードもつけずに逃げ出した。

やれやれ、きのうキャストを巻いたりしなくて良かった。

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小動物外科の教科書のコピーをもらった。

イヌの足根関節も靭帯損傷や脱臼・亜脱臼がけっこうあるらしい。

靭帯再建手術や関節鏡手術や関節固定手術が載っている。

獣医学って進んでるのね・・・・・



8 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2016-11-07 19:58:19
 オラ君、びっくり。はとぽっけも。左右の違いはあるけど。気分な日曜日だった。もう痛くもなんともないけど走り込みする勇気はない。オラ君はすごいね!
 中足骨いっぱい、なるほど
 おんまさんの場合、X線照射の上限は設定あるのですか?
 hig先生、おんまさんも靭帯再建術もするのですか?かなり大ごとになりそうですが。
 今夜は治打撲一方飲んどく。
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Unknown (piebald)
2016-11-07 21:23:16
最近、うちのチワワも、時々、階段を踏み外し、痛い思いをしてます。顔に白髪が出てきたので年なのかな?と思っています。
オラ君の場合、力が強いから、ぶつかった衝撃も大きいんでしょうね?
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>はとぽっけさん (hig)
2016-11-08 03:32:35
な~んかあらためてイヌのX線画像を見ると、馬医者としては驚くというか、あきれるというか・・・・それは飛節ではなく足根関節であり、球節ではなく中足指骨関節がいっぱいあって;笑

照射回数の制限はありません。レポジトリーだと30回とか撮ります。

馬でも球節の脱臼などでは靭帯の再建をやってはどうかと考えていますが、キャスト固定している間に脱臼しなくなります。
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>piebaldさん (hig)
2016-11-08 03:35:06
まったく肢がつけなくなったので心配しました。まだ4歳なのに・・・とも考えました。
獣医学上は、「イヌは断脚しても平気で生きていけますから」なんて言いますが、飼い主としてはとんでもないです;笑
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Unknown (zebra)
2016-11-08 07:38:08
ゴールデン的には4歳は四十肩始まるでしょうからね。ぎっくり腰とか。
学生の頃大型犬は10歳まで生きたら上出来なんて言われていましたから、手技うんぬんよりそっちのほうに獣医学の進歩を感じます。
断脚しても平気で生きていけるのは人も一緒だと思いますけどね。
その辺のデリカシーのなさは獣医師の進歩のないところかもしれません。

キャストかけて治っていたのは治らない遺伝子は淘汰されていたからでしょう。
獣医療が進歩していけばその素因は確実に後世に伝えられるようになります。
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>zebraさん (hig)
2016-11-08 19:47:14
4歳はまだ働き盛りでしょう。ワンコの長寿化は著しいようですね。
断脚しては生きていけない、と言うのは当然馬牛のことが頭にあってのことです。

サラブレッドは骨折しやすく、治りにくいです。しかし、世界中で「馬」の獣医学と思われているかなりの部分はサラブレッドの獣医学なんですよ。
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Unknown (Unknown)
2016-11-09 08:29:52
 人間も断脚しても生きていけますが、ワンコのようには走り回ることができなくなります。
 装具の進歩には驚かされることが多いのですけど 膝下の切断でさえ 歩行の再獲得率は50%に過ぎません。
 大腿切断だと もう涙が出るようなアウトカムで御座います。
 パラリンピックを見た後だと 悲惨な数字に一層がっかりさせられます。

 そんなワケで こちらはどうやって「切断しないで済ませようか」という方向にずいぶんとリソースがつぎ込まれています。
 現状は 外傷から切断となることは ずいぶん少なくなり、マイクロステントなどで動脈閉塞が救肢できるようになってきているところでしょうか。
 下肢切断の大難問は糖尿病足なのですが、こちらは外科医の元に患者さんが来る前に勝負がついてしまっている気がしております。
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>Unknownさん (hig)
2016-11-10 18:50:11
そうなんですか、両脚義足で高速で走れるアスリートはやはり特別な人なんですね。
そもそも断脚に到るのが、加齢と基礎疾患の悪化からだから、という面もあるわけですね。
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