◉北緯35度線上で

2018年7月18日
僕の寄り道――◉北緯35度線上で

大雑把な物事の捉え方こそが必要なときがある。嘘を言わないために「大雑把であること」しか有効性を持てないことがある。辞書に書かれた「細かいところを気にせず全体を大づかみにする」を肯定的に読みつつ、大雑把にとらえる能力は立派な「才能」であると思う。

ほんの僅かな間だったけれど親しくお付き合いさせていただいた岡田英弘先生の本(★1)を読んでいたら「ごく大まかに言うと」と断りつつ北緯 35 度線の話が出て来て嬉しくなった。「(ほーれみろ、ちったー勉強して出直して来やぁがれい)」と、誰にとは書けないけれど、そう言ってやった気分になって爽快である。

先週の土曜日、一緒に暑気払いをさせていただいた女性編集者から、ご自分が書かれた本(★2)の部分コピーを見せていただき、全体を通読したくなったので取り寄せた。高価な本なので安いのを探して上田市の古書店から取り寄せた。段ボール 20 箱ほど本を処分したいのでここの買い取りに送ろうと思っていた店だった。

古書店がサービスしてくれたわけではないと思うけれど、届いた本に中国製らしい美しい栞が挟まっていた。前の持ち主のものだろうか。栞を眺めながらまた岡田先生の北緯 35 度線の話を思い出し、高校時代に読んだ松本清張(★3)が再読したくなったので古書店に注文した。

飛 魚 も 三 十 五 度 を 飛 ん で 越 ゆ

(2018/07/18)

★1 岡田英弘『倭国―東アジア世界の中で』(中公新書 482)
★2 山口廣 他『郊外住宅地の系譜―東京の田園ユートピア』鹿島出版会
★3 松本清張『Dの複合』(新潮文庫)


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