電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【フンイキと子供】
【フンイキと子供】
母親と二人暮らしだった幼い頃、男の客があると妙に嬉しく、帰る姿を見送るときは淋しくて泣いて追いかけた。いつもそうなので、泣いて追いかけられるから辛いと客たちは苦笑いしていた。終戦後の満州に取り残され、戦争難民となった母子たちとの集団生活を余儀なくされた木山捷平がこんなことを書いていた。「子供たちにはフンイキを愛する本能があったようである。父親が全然行方不明だから、正介のような代用品でも、父親がわりに男性の匂いがかぎたい本能も、子供は持っていたようである。」(木山捷平『苦いお茶』)。そうなのだ。父と母と子という三すくみ関係に生じた欠損を埋めてくれるフンイキが、泣いて背中を追うほど恋しいのである。
(以上ぴったり300文字の【人生車窓素描】)
2025/04/24 駒込7丁目
***
***
20 音オルガニートでマイ・ピュア・レディ MY PURE LADY
作詞・作曲/尾崎亜美
20 音オルガニートでノックは3回 Knok Three Times
作詞・作曲/L.ラッセル・ブラウン、 A.レヴィン
を公開。
***
◉
コメント ( 0 ) | Trackback ( )
« 【雷門】 | 【おやすみと... » |
コメント |
コメントはありません。 |
![]() |
コメントを投稿する |