◉眠りとほころび

2018年4月30日
僕の寄り道――◉眠りとほころび

このところ体調が悪かった。「悪かった」と過去形で思う。

インターネット検索するとインチキ医学情報で溢れかえっているので、少なくとも自分や家族の体調についてはネット検索しないようにしている。検索すれば「夜間高血圧」とか「睡眠障害」など、他人と比べての「分類の枠組み」に取り込まれるに決まっているのでやらない。

2002 年に三人の親の在宅介護が始まってから、わが家の夜は 21 時就寝と決めている。深夜に錯乱が始まったら、夜明けまで騒いで家族を寝かせない年寄りがいたからだ。睡眠こそが「死」の代替となるやすらぎの逃避場所だった。寝る前は「どうぞ朝まで起こされませんように」と祈っていた。

親たちの看取りが最後に近づいて在宅介護が終わっても、相変わらず 21 時就寝の生活習慣は変えていない。早寝早起きこそ信頼に足る自分への健康法だと思っている。

それがいつ頃からか未明に目がさめるようになり、目が覚めると眠れないと感じるようになった。眠れないと余計な考え事をするので、枕元のスマートフォンで本を読むようになり、おかげで読書量は増え本読みのスキルが上がったと思うし、本読みに飽きるとずいぶん日記も書いた。

そのせいだと思うのだけれど、日中激しい睡魔が訪れるようになり、さいわい自由業なので昼寝をすることもあるのだけれど、どうも「眠り」についての不快が高じて感じられる。

夜中にスマートフォンで本を読んでいると、目を覚ました妻が
「暗いところで本を読むと目が悪くなるよ」
と昔懐かしい母親のような小言を言い、
「だって眠れないんだもん」
と子どもじみた答えをすると、
「いいえ。目をつぶっていれば必ず眠れます!」
ときっぱり言う。

いささか昼間の睡魔に危機感を感じるので、連休入りをきっかけに、言われる通り夜中に目が覚めても目を閉じて何も考えず「ちんとしている(富山弁でじっとしている)」と、確かに程なく眠ってしまう。ネット検索すれば脳内伝達物質を援用したインチキ解説記事があるかもしれない。

目を閉じて眠りのほころびを繕えば、次に目が覚めた時は明るい朝になっており、昼間の睡魔もやってこない。簡単なことなので、これからも「ちんとしていよう」と思う。(2018/04/30)


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