プールサイド


SIGMA DP2

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先日のあんみつのリベンジ。
Mrs.COLKIDが再度同じものを買ってきてくれた。
まずは蜜をたっぷりかけて、それからおもむろに食べた(笑)


結婚して間もない頃、スポーツクラブに通っていたことがある。
家から少し距離があり、最初は意気込んで通っていたのだが、そのうち面倒になり行かなくなる・・という、よくあるパターンであった(笑)

個別にプログラムが組まれ、僕に課せられた運動は、施設内のプールのコースを何往復も「歩く」ことであった。
胸の辺りまでプールに浸かり、水の抵抗を受けながら、ただ行ったり来たりを繰り返すのだ。
面白くも何とも無い運動であるが(笑)、けっこう全身の筋肉を使う。

プールサイドでは、水着を着た若い女性インストラクターが、スピーカーから流れる騒々しい音楽に合わせて、元気良く飛んだり跳ねたりしていた。
ヘッドセットを付けて、マイクを通じて「ワントゥー、ワントゥー」と掛け声をかけながら、休むことなく動くのだ。
「ハーイ、手足を開きながらジャンプしてくださーい、ワントゥー、ワントゥー」

プールには15人ほどの中年の生徒が水の中に立っており、インストラクターの指示に合わせて、腕を開いたり閉じたりしている。
僕はその横のコースを、自分に与えられたプログラムに基づき、黙々とひとりで歩いていた。

突然、音が途絶え、プールが静寂に包まれた。
何だろうと思って見ると、元気に飛び跳ねていたインストラクターの女性が、水着姿のままステージの床に倒れている。
生徒たちは、凍りついたように動かず、その姿を凝視している。

女性は筋力を失ったようにヘロヘロになっており、顔を見ると口を開けて白目をむいている。
暑い場所で激しい運動を続けたために、失神してしまったのだ。
突然の事に皆何も出来ず、その哀れな姿を呆然と見ていた。

ステージの横から慌てて男性スタッフが飛び出してきた。
女性を支えて立たせようとしたが、女性の体には力が入らず、やむなく脇を抱えて、そでに引っ張っていった。
女性は白目をむいたまま、両足を地面にずるずると引きずり、控え室に消えていった。
別のスタッフが壇上に上がり、非常に気まずそうな表情で、生徒たちにお詫びをしている。

健康的なダンスから一転、力なく床にへたり込んでしまった水着姿の女性、その強烈なコントラストは衝撃的であった。
あれから10年も経つのに、目に焼きついてしまい、今でも鮮明に覚えている。
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