ブラウンの人


Z9 + NIKKOR Z 24mm f/1.8 S

大きな画像

電車に乗っている時、ひとつおいて隣に座っている中年の男性の足元に目が行った。
ブラウンのロングウイングチップ、それも安売り店のものではなく、本格的なグッドイヤーの革靴である。
なかなか形が良く、一目でちゃんとしたメーカーの靴であると分かった。

その上のズボンと上着は濃いブラウン・・という具合に、しっかり靴と合わせてある。
さらに上のほうを見ていくと、白いワイシャツに縞柄のネクタイ、これは上手くスーツと馴染むようバランスを考えている。
かなり気を遣って選んでいるのが分かる。

きっとお洒落な人なんだな・・・
顔は見えなかったが、ブラウンの上下は珍しいので、車内でもよく目立つ。
次の駅で間に座っていた人が立ち、その人物の全身が見えた。
あまりじろじろと見ると悪いと思い、さり気なく顔を見てみた。

あれ・・・
何となくちぐはぐである。
着るものは綺麗にまとめているのに、顔が入ると違和感がある。
急にぱっとしなくなるのだ。

服装の色合いは、よく練られているのだが・・・
顔と組み合わせると、一気にオーラが減衰し、普通のおじさんっぽくなってしまう。
これは例のパーソナルカラーというやつだろう。
せっかく統一したスーツの色が、その人の顔に合わないのだ。

多分ブラウンが好きな人なんだろうな・・・
もしかすると最初にブラウンのロングウイングチップに惚れ込み、それに合わせて服を選んでいったのかもしれない。
(その気持ち、凄くよく分かる・笑)
しかし残念ながら、トータルでは似合っているとは思えなかった。

これは自分も同じパターンに陥っている可能性があると反省した。
「好きな色」が「似合う色」とは限らない・・というのが、パーソナルカラーの難しいところなのだ。
何かを気に入って、つい買ってしまっても、実際に身に着けてみると何だかしっくりこない・・という事になる。

以前は僕も、ブルゾンなどを買う時には、無難に黒っぽいものを選んでいた。
母親から、あなたは目立たないように黒か濃いブルーの服にしなさい、と言われていたこともある。
理由は太って見えないからなのだが・・・(笑)
お洒落にまったく興味の無い僕は、何も考えず言われる通りにしていた。

しかし真っ黒が似合う人って、パーソナルカラーが「ブルーベースの冬」の人で、実は人数的にはあまり多くない。
僕のパーソナルカラーは多分夏なのだが、実際黒いブルゾンやジャケットを羽織って鏡の前に立つと、自分には合っていないのが分かる。
アウターの前を閉じてみると、黒い部分が多くなるので、似合っていないことがよりはっきりする。
電車の中でブラウンの人を見て、あらためて色選びは慎重に行う必要があるな・・と思った。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )