予測


Z7 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

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今日はヨーロッパから営業が来て長く話をした。
前回来た時と話す内容がかなり違っていて驚かされた。
以前僕がここで話したような予測が、あちらでは日本より先に現実化しているようだ。

何年か前から、僕はここで勝手な自説を展開することがあった。
恐らく将来は街にものを販売する店舗はなくなる。
すべてショールームとなり、購入は基本的にネットを通じて行うことになる。
もしかすると店舗での販売は法的に禁止されて、ものを購入するという行為は、すべてネットを通すしかなくなるかもしれない。

僕が数年前に最初に言った時点では賛同者は少なく、半分呆れたような顔で聞いている人もいた。
ところが欧州から来た彼の住む地域では、現実にその形態に近付いているという。
中心地のモールでもお客はほとんどおらず、閉店した店が並び、高齢の人までネットでものを買うようになったという。
もう店舗は必要ないのだ。
数年先にはそうなると考えていたが、例によって予想より早く物事が進んでいるようで、急速に生活が変化しているという。

インターネットは無駄な工程がどんどん省かれる方向に働く。
やがてはネットショップのような「仕入れて売る」商売も消えて、メーカーが直接ユーザに販売する形態へと進むだろう・・とも僕は言っていた。
以前は販売店を前にそれは禁句であったが、ほんのこの数ヶ月ほどで、皆が「直売」のことを公けに話すようになった。
もはや直売方式への移行が避けられないのは、誰の目にも明らかなようだ。

実は今回欧州の営業が来たのは、内密にその話を進めようという意図があった。
あちらもメーカーであり、こういうものを作るから、組んで日本で販売しないか・・というのだ。
欧米では商売はそういう形に変わってきている。
やるなら今だ・・・というわけだ。

しかしそれは他のメーカーでも出来ることで、魅力的な提案とは思えなかった。
すぐにライバルが乱立することになり、短期的にはともかく、長期的に見て最善の策とは思えなかった。
そのためこちらはその話に乗らなかった。

時代はどんどん変化しているが、ではどうすればいいのかと問われると、正直なところ何をしていいのかわからない。
皆が模索中なのだ。
予測は出来てもいい対処方法がみつからないとしたら、あまり意味は無い。

ふと気になって、欧州の歴史ある大手メーカーはどうしているのか聞いてみた。
するとやはり何をしていいかわからず、新しいことは何もしていない状態だという。
大きくなり過ぎて舵を切ってもすぐには曲がれない。
日本よりあちらの方が一歩進んでいるので、これから日本でも起きることが予測できる。

そこから僕は、自分なりに今後の方向性について考えるモードに入ってしまった。
欧州から来た営業は、僕の表情を気にしながらも、その後も話しかけてきた。
しかし僕は考えに没頭していて、彼には悪いが彼の話をほとんど聞いていなかった。
一緒に来た代理店の日本人に、あとで聞くから彼の話を聞いておいてと頼んで、僕は僕で勝手に自分の世界に入っていった。
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