はざま


LEICA X1

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多くの分野がデジタル化した。
今更言うのも馬鹿馬鹿しいくらい、すでにそれは日常化している。
デジタルという言葉自体が、もう時代遅れになっている。

僕の世代が生まれた頃は、少なくとも世の中はアナログ的であった。
身の回りのものが、だんだんとデジタル化していくのを、実際に体験してきた世代だ。
多くの者は、その環境の変化にじんわりと適応していった。

デジタルとアナログの、はざまに立つ世代ともいえる。
否応無く、両方を使いこなさなければならなかった。
デジタルに適応できない世代と、デジタルしか知らない世代の、両側から攻め立てられている世代でもある。

デジタル化が進んでから生まれた世代には、当然ではあるが、アナログ的な部分が欠落する傾向が見られるように思う。
行動に何となく違和感を覚えるのは、反応や考え方が単純で、アナログ的なグラデーションが感じられないからであろう。
人間そのものが、環境に強く影響を受けているのだ。

一方古いアナログ人間は、時に論理性や合理性に欠けていても、感情的、情緒的な面が優先されることがある。
何かと浪花節調なのだ。
そのため時に大人の判断と称し、教科書的なルールから外れた行動をとることもある。
しかし、ちょっと怪しげな領域に入り込む・・という事態にも陥りやすい。

デジタル人間のほうは、白か黒かで、中間が抜けてしまうという面がある。
その中間部分を当人が感知することが出来ないようで、見えないのだから存在として認めることも難しい。
そのためアナログ人間とは相容れないものがある。
皮肉なことに、新しいようでいて、かえって頭が固い傾向も感じられる。

少々独断と偏見に満ちた意見に思われるかもしれないが、両者のことを批判するつもりで書いているわけではなく、むしろ自分自身に両方の要素があることを思いながら書いている。
ではその両方をバランスよく持ち合わせていればいいのかというと、それではそれで、小さくまとまってしまい、つまらなくなる。
なかなか難しいものである。
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