200年


LEICA X1

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学生時代からよく秋葉原に行っていたことは何度も書いている。
オーディオに全力投球していた時期である。
多い時は一年に百数十回も通ったので、人一倍(当時の)秋葉原には詳しくなった。

表通りばかりではなく、電気街から離れた静かな裏通りもよく歩いた。
30年も経った今でも、時折足を運ぶことがある。
人気の少ない通りだが、なぜかその辺りに惹かれて、理由もなくそちらを通るこも多い。

歩きながら、ふと立ち止まり、写真を撮ったりする。
きれいな場所とは到底言えず、大した写真が撮れるわけでもない。
建物の隙間から、奥のほうがどうなっているのか覗いてみたりもする。

少し前に話題にしていた自分の先祖が、江戸時代に住んでいた場所を特定できないかと、翻訳本や研究書を読んでいた。
養子に入った先の家が、何かの功績を称えられ、神田に領地を与えられたため、そこに住んでいたらしいという話が家族に伝わっている。
随筆なども、神田の自宅を出て、同行者と待ち合わせて出発する場面から書かれているものがある。

研究書で、具体的な場所が記述されているものがあった。
古地図を買いに行った話を書いたが、江戸時代の古地図でその場所を調べてみたかったのだ。
ちゃんと現代の地図と重ねられるようになった本が出ている。

それで驚いてしまった。
毎週のように通り、時折足を止めて写真を撮っていた一角に、その家があったことがわかったのだ。
お気に入りの裏通りも、その場所を中心とした一帯である。
恐らくご先祖様が毎日のように歩き、生活していた場所だ。

不思議なこともあるものだ。
僕が休日のたびに気ままに散歩する東京の街も、案外遠い先祖が歩いていたのと同じコースをなぞっているのかもしれない。
時の隔たりは200年ほどあるのだが・・・(笑)
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