シフトレンズ比較


シフトレンズを2本比較撮影してみた。
最新のニコンPC-Eニッコール24mmF3.5とシュナイダーPCスーパーアンギュロン28mmF2.8だ。
シュナイダーはシフトのみでティルト機能は無い。

三脚にD3を固定し、レンズのみを交換して撮影。
仕上げはピクチャーコントロールのスタンダードで、アンシャープマスクのフィルターのみをかけた。

焦点距離が違うので、写る範囲が異なるのは当然だが、今回はレンズが特殊なので、シフトも(適当に)行なっている。
あまり激しいシフトはしないようにしたつもりだが、シュナイダーの方はご覧のように周辺部が暗く落ちている。

またシュナイダーは絞りの情報がデータとして残らず、一応F8にした(はずだ)が、シャッター速度を変えて何枚か撮った中で、明るさの近いものを選んだ。
露出の数値はあまり厳密に合わせなかったがお許し願いたい。(少々後悔している・笑)



D3 + PC-E NIKKOR 24mm F3.5D ED



D3 + Schneider PC-SUPER-ANGULON 28mm F2.8


ライブビューの威力は絶大で、レンズの能力(分解能)を見事にあらわにしてみせる。
シュナイダーはPC-E24mmより粒が一段荒っぽい印象で、開放の状態で拡大してもなかなかピントがピシッとこない。
ただシュナイダーは無限遠近辺の調整代が少なく、その分近接(最短0.28m)はけっこうたっぷりしており、そちらに振った設計なのかもしれない。

この大きさでは判りづらいが、シュナイダーのもとデータは拡大すると多少ボソボソしてノイズっぽい。
こういうレンズがいくつか存在するが、理由は良くわからない。
ソフト上の補正対象リストから外れているのだろうか?

色収差はソフトウエアが自動で補正しているようだが、シュナイダーの方は補正しきれないのか、僅かに多めに残っており、その分線の太い表現になっている。
オリジナルのデータにはけっこう出ているのではないか・・と予感させる仕上がりだ。
あくまで想像であるが・・・

少々古さを感じさせるシュナイダーだが、思ったより健闘している。
独自の味というものを持っていて、青みの強い色合いや強めのコントラストに、らしい演出を感じさせてくれ、独特の存在感がある。
冷徹に描き出すように思われたPC-E24mmが、比較するとどこか日本的な淡白な印象を感じさせるのが面白い。
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