退散


今日は珍しいほど晴れていた。
神宮外苑のイチョウが見頃だから、行ってみるといい、と言われ、その通り行ってみた。

しかしテレビで放映されるようなところに行くものではない。
人、人、人・・であった。
お祭り騒ぎ・・というか、本当にイチョウ祭りというのを開催しており、大勢の人がぞろぞろと歩いていく。
その中をカメラの機材を持って歩くのは、並大抵のことではない。
かなりの労力を伴い、疲れ果ててしまった。

結局一枚も撮らずに退散した。
せっかく晴れていたのに、えらく損したような気分・・・

D3 + AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED
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注射


昨日の話、医者に行ったついでにインフルエンザの予防注射をしてもらおうと思ったら、母親もしてもらいたいと言うので、ふたりで出かけることにした。
ところが行ってみると、駐車場は車でいっぱいで、順番待ちの患者が外にまであふれ出ている。
大半は風邪をひいているらしく、それ以外は予防注射の希望者のようだ。
座る場所も無いので、少し寒かったが、外のベンチに座って本を読んで待つことにした。

母親は、こんなに混んでいるとは予想していなかったらしく、本でも持ってくるのだったと言っている。
ちょうど読み終わった本を持っていたので、それを貸そうかと言ったが、すぐにしまったと思った。

吉村昭氏の「冷たい夏、熱い夏」という本で、癌であることが判明した弟に、氏がそのことを告知せず隠し通そうと決意し、悩み苦しみながら、最後まで徹底的に嘘を突き通すという、凄まじい内容の実話だ。
これは母親には見せまいと思っていた。
母親は健康であるが、お年寄りにこういう内容の本は好ましくないと思ったのだ。
本の中でも、吉村昭氏のとった態度に対し、家族を初めまわりの人たちから、あなたは私の時も嘘をつくのでしょう・・と信用されなくなるシーンがある。

ところが母親は、丁度この本を読みたいと思っていて、自分で買おうとしていたらしく、大喜びして読み出した。
家族を癌でなくしているので、こういう話はむしろ身近で共感が持てるのだ。
癌であることを本人に告知するかどうかに関しては、本が書かれた頃と、多少時代が違ってきているかもしれない。
僕の父などは、癌で余命いくばくも無いことを承知の上で、ぎりぎりまで働き、ある日ころりと亡くなってしまった。

医院では1時間半ほど待ったが、母親はその間に本の3分の1ほどを読み終えてしまったようだ。
つい夢中になって、読むことに集中してしまうのが吉村作品である。

母は以前この医院で診察してもらい、血圧の薬をいただいたのだが、その後新宿にある脳専門の病院から貰うようになってしまい、申し訳ないからと今日の医院には足を向けたがらなかった。
しかしその事を白状したら、実は新宿の先生とお友達であることがわかり、むしろ会話に花が咲いたようだ。
どこからもらってもいいですから、薬だけは間違いなく飲んでくださいね、と言われたそうだ。

僕はいつもの糖尿の検査で血を採られ、その後インフルエンザの予防注射をして、合計2度針を刺した。
体に液体を出したり入れたりして、不思議な気分だった(笑)

D3 + AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED
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