酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

<愛と信頼>の競馬~有馬デーは岩田に託す

2011-12-25 10:07:03 | 競馬
 今年ほどジングルベルが虚しく響く年はない。3・11から9カ月半、人々は何を祝い、何に浮かれているのだろう……。なんて、どこからも声が掛からぬ拗ね者が斜に構えている。そんな俺からクリスマスプレゼントを。この時季に相応しい2本の映画を紹介したい。

 1本目はアメリカでクリスマスシーズンの定番になっている「素晴らしき哉、この人生!」(1946年)だ。史上ベストワンに推す声も強いが、左翼と見做されたキャプラは本作以降、レッドパージの一環でハリウッドから締め出される。キリスト教国を自任するアメリカがヒューマニズムや理想と無縁であることを、巨匠の失意の後半生が物語っている。

 2本目は、同性愛者で共産主義者の鬼才パゾリーニによる「奇跡の丘」(64年)だ。聖書から忠実に引用されたキリストの言葉の数々が、透明の鋭い杭になって心に突き刺さる。イエスを革命家として捉えた清々しい群像劇で、拝金主義で信仰が歪められた今こそ、<キリスト教の原点>として観賞されるべき作品だ。

 ちなみに公開当時、「素晴らしき哉、この人生!」は酷評され興行的にも大失敗、一方の「奇跡の丘」はパゾリーニが欲しくもなかったはずのカトリック映画事務局賞を受賞するなど、明暗を分けている。

 五十路も半ばを過ぎたことだし、少しは枯れたいと思っているが、相変わらずゴキブリみたいに触角をピクピクさせながら這いずり回っている。俺にとって上記の2本は、自らを浄めるための濾紙でもある。

 さて、本題。POGに参加して4年、競馬への接し方に、<愛と信頼>というギャンブルにそぐわない要素が加わった。指名馬のレースをグリーンチャンネルで見て、勝てば素直に喜び、負けても納得いく理由を見つけ出す。まるで親バカの<愛>だ。4頭の指名馬が出走するクリスマス、俺にとってのメーンレースは有馬記念ではなく中山7RホープフルSだ。フェノーメノが勝てば一躍、東のクラシック候補に浮上する。

 最も<信頼>している騎手は、指名馬を幾度となく勝利に導いてくれた岩田だ。11年は西のクラシック候補ディープブリランテ、上記フェノーメノなど6勝のうち4勝が岩田とのコンビだった。その岩田にとって、今日は人生で一番長い日になる。初のリーディングが懸かっているからだ。

 勝利数で並ぶのは福永だ。「武豊TV!~新年会スペシャル」(08年)に酩酊状態で出演した岩田は、「中央入り当時、ある若手騎手からいじめや嫌がらせを受けた」と告白する。「ピー」と音が被されていたが、ネット上で〝犯人〟扱いされたのは福永である。それが事実とすれば、中央のエリートと園田の叩き上げの意地がぶつかり合う一日になる。

 これまでお世話になったお礼と、ディープブリランテでのダービー制覇を願って、有馬記念は岩田が騎乗するブエナビスタから馬券を買う。最内でじっくり足をためる岩田の得意技に期待したい。結論は◎①ブエナビスタ、○⑨オルフェーヴル、▲⑫アーネストリー、注⑬レッドデイヴィス、△③ヒルノダムール。ブエナ1頭軸の3連単が中心だが、馬体重やオッズを見て買い足しもあり得る。今年を象徴する数字、③⑪の馬連とワイドも付け加えたい。

 今日は朝からPAT漬けで10レース近く購入しそうだ。渡辺竜王のブログによれば、一日平均25レース買うという。画像記憶力、論理的思考力、直感に秀でた竜王ならたやすいはずだが、回収率は94%と知り安心した。超の付く天才といえども、ギャンブルの神には敵わないということか。


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