酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

多様性と連帯~グリーンズジャパンの未来へのステップは

2017-02-17 12:23:24 | 社会、政治
 昨日(16日)は母の誕生日だった。金正日、高倉健と同じである。1927(昭2)年生まれだから満90歳。体のあちこちは傷んでいるが、内臓は丈夫だという。俺に出来る唯一の親孝行は先立たないことだ。

 <俺の人生は文学に衝き動かされてきた。星野(智幸)、そして池澤夏樹らの小説を読んで、どのように変わったかを次稿に記したい>……。

 前稿をこう結んだ。文学は大抵、人を浮世から遠ざけるものだが、俺は特異体質らしい。20代の頃、文学に育まれたマグマが政治に噴出した。会社を辞めて再度、小説に親しむようになると、ケミストリーが生じる。星野や池澤らが提示するアイデンティティーの浸潤、多様性の尊重に感銘を覚えているうち、志向性が近い緑の党に行き着いた。

 入会後、社会は明らかに悪くなった。殺伐とした空気が世界を覆い、安倍内閣の支持率は10%以上もアップする。原発輸出、辺野古移設強行、共謀罪と暗いニュースに憂鬱になるが、個人的には収穫があった。「脱成長ミーティング」発起人の高坂勝さん、「武器輸出反対ネットワーク」(NAJAT)代表の杉原浩司さん、各種イベント(映画、音楽等)をプロデュースする大場亮さんら誠実に社会と向き合っている人たちと出会えて、大海に乗り出すことができた。

 同時に、自身の〝政治音痴〟を痛感することになる。この間、<日本の政治を変えるためには、まず永田町の地図を破り捨てること>と繰り返し記してきた。ポデモス、スコットランド独立党、サンダース旋風を生んだのは直接民主主義の動きだったが、日本では通用しない。そのことを思い知らされたのが、先週末に参加した緑の党の定期大会だった。

 臨時を含め大会に参加するのは4回目(たぶん)だったが、以前と比べて穏やかなムードだった。主役というべきは、参院選新潟選挙区、知事選で野党統一を中山均共同代表とともに主導した佐々木寛新潟国際大教授で、オープンディスカッション「2017政治のゆくえ――私たちの向かう未来へのステップ」の講師を務めた。実践に基づいた講演は、まさに〝目からウロコ〟といえた。

 緑の党の役割を緩衝材、接着材と考える佐々木氏は、泥を被ることを厭わない<知識人+オルガナイザー>といえる。氏の実績への評価は、講演会と交流会(俺は不参加)に馳せ参じた顔ぶれ――菅直人元首相、福島瑞穂参院議員ら――が証明している。日本共産党中央委員会、小沢一郎自由党代表、宇都宮健児弁護士ら多くの関係者からの祝辞も届いていた。文明論の重要性をユーモアを交えて説く佐々木氏は、自然エネルギーの広まりを目指す「おらって~にいがた市民エネルギー会議」を支えるなど、緑の理念を体現している。

 講演を早めに切り上げ、質疑応答に入る。俺は最後の最後、佐々木氏が言及した「ポストトゥルース」に関連する質問をした。<「ポストトゥルース」の時代、情念や感情が軸になると危惧されているが、リベラルや左派が若者に浸透するためには何が必要か>という内容である。

 佐々木氏の答えは、<「ポストトゥルース」に対置すべきは「トゥルース」>だった。学生の多くが奨学金に悩んでいることを知り、具体的な解決方法を野党統一候補の政策に織り込んだという。「自民党への支持が高い若者だが政治に無関心ではなく、壁を感じている」と語っていた。

 採択された決議は<差別と分断から多様性と連帯の社会>だった。今年は3月末からリバプールで「グローバル・グリーンズ世界大会」が開催され、日本からも若手中心に参加する予定だ。オーストリアのファン・デア・ベレン大統領(前緑の党代表)も登場するかもしれない。

 国内で最も大きなテーマは都議選だ。小池知事は日本会議の一員で、他府県で延長が次々に決まっている原発事故自主避難者の住宅支援も打ち切り、誓願をはねつけ定時制高校廃止を方針通り行う。弱者に冷酷な〝自分ファースト〟の小池知事に対する闘いは、すでに始まっている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする