日記

お遍路情報と、日記を綴っております。

台湾、その3

2007-02-16 23:24:42 | インポート

 たっぷり一日かけてちょっと遠くへ遊びに行こう。何処にするか迷ったが有名な観光地、九份に決めた。オプションで、4000円ぐらいでらくらく観光バスでいけるが、それでは面白みがない。台湾人を観察したり、おしゃべりをしたり・・・。緊張するけれど、何かいいことあるかもしれない。去年は台北駅のホームで、30歳くらいの女性と知り合った。彼女、日本に留学したことがあって、きれいな文字で書いた手紙をもらった。

  先ず台北駅へ行く。観光案内で、乗るべき電車の時刻、下車駅、所要時間など教えてもらった。勿論、スタッフは日本語ができる。台湾では、日本でいう、特急、急行、快速、鈍行みたいに、4種類の電車がある。急行の切符を買ってホームにおりた。電車は、遅れることが常のようだから気をつけよう。

 ホームのイスに腰掛けて、ガイド本をみたり切符を弄ったりしていると、隣の若い女性が「ここで待っててOKよ」と身振りで教えてくれる。日本人のおばさんが一人で不安げにしてる、と思ったのだろう。これをきっかけに私達は日本語、中国語、筆談で会話をはじめた。そのうち、もひとつ隣の男性も加わった。二人とも日本語を勉強したことがあるし、日本に行った事もある。昨日、あまりに買い物の荷物が重くて、仕方なく乗ったタクシーの運転手は、お姉ちゃんが日本人と結婚していて自分は9回日本に行ったと言う。台湾人は日本に好意的だなあと感じる。年取った人が日本語が解るというのは知っているが、若い人も話せる人が多いのに驚いた。戦後、日本は驚異的発展をしたが、今はアジアから取り残されそうになってるのに、台湾人はまだこちらに目を向けてくれている。最近の日本の若い子は、英語ができる子は多い。でも、中国語までやろうという人、台湾に目が向いている人は少ない。私には台湾の若い人はとても勉強家でまじめにみえた。日本に興味をもってくれているのが嬉しかった。皆、親切にしてくれた。

 去年の台湾旅行で、鶯歌(イングー)という陶器の街へ、これも電車で遊びに行った。たっぷり遊んで買い物もして、背中にデイパック、両手に荷物を下げて、鶯歌駅のトイレに駆け込んだ。用を足してほっとして、台北往きの電車に乗り込んでふた駅くらいのところでハッとした。リュックがない!!、トイレのフックに掛けたまま忘れたんだ。慌てて車掌さんに何とか事態を伝えようとする。知ってる単語を並べたり、紙に書いたり。車掌さんが無線機で連絡をしてくれた。私は次の停車駅でおりた。その駅の駅員さんが私の方に歩いて来て、「没有」とすまなさそうに首を振る。やっぱり・・・。あるわけないよなあ。あの中には、現金2400元、電子辞書、鶯歌で買ったばかりの服、割と新しいウィンドブレーカーなど、5万円相当のものが入っていた。がっくり落ち込んだ。誰かが盗ったとしたら、中身を抜いてリュックはその辺に捨てられたかもしれない。家の鍵やその他メモは私にとって大事なものなので、自分で確かめに行こう。下り線に乗って、もう一度鶯歌駅に行く。そのときの私はとても沈んだ悲しそうな顔をしていたに違いない。中学生の女の子が席を譲ってくれた。台湾では、社会的弱者に席を譲るのは当たり前のことらしい。私はたぶんにこりともせず、かろうじて、「謝、謝」と弱々しく言ったのだろう。

 やっとのこと、鶯歌駅に着いて、半ば諦めてはいたが、先ずトイレ、そして駅の外をぐるりと捜した。仕方ないホテルに帰ろう、もう疲れちゃった、とぼとぼホームに下りると・・・、なんと!、私のリュックが駅員さんの詰め所のような小さな建物の中にあるではないか。そのときの嬉しかったこと・・・。

 掃除のおばさんが届けてくれたらしい。中身はそっくりそのままだ。その方を捜し当てて、少しだけれど現金でお礼した。彼女は要らないと言ったが、ポケットにねじ込んできた。とても感謝していたので、どうしても受け取って欲しかった。こんな出来事があったので、私は台湾が好きなのだ。

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瑞芳という駅で電車を降り、バスに乗り換える。バスは狭い坂道をぐんぐん登っていく。とあるバス停で一斉に客が降りはじめた。私もここで降りるのかな?ガイド本を差し出して運転手に聞く。ここで降りなくてはいけないらしい。ほとんど全員降りた。外はひどい雨、ざーざー降り。傘さしてもびしょびしょだ。写真は、バスをおりたところ。

100_1444 こんな雨の中歩くの?とうんざりしたら、大丈夫、遊歩道の細い路地には、両側からのきが迫り出していてあまり濡れない。そうだよねえ、たくさんの観光客に来てもらうためには、快適に歩けるようにしなくては。日曜だからか、人が多い。ほとんどは台湾人だ。

100_1445_1 九份名物の芋圓、お汁粉ににているが、日本のほどあまくない。やさしい味だ。里芋の団子と、豆類、ピーナッツを甘く煮ている。温かくてとても美味しかった。これを絶対食べようと決めていたから、実現できて幸せだった。茹でる前の芋団子をパックで売っていたので、買おうとしたら、

 「いつ帰る?」

 「あした」と、私 

 「ダメだ」

傷むから売ってくれない。今日帰る、と言えばよかった。残念!

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バスで高いところまで行って、お店や景色を見ながら、歩いて下ってくるのが九份の観光の仕方だ。

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「非情城市」という映画のロケが行われたそうだ。私もビデオを借りてきてみなくっちゃ。

 九份観光は短時間で終わってしまった。まだ台北に帰るには早すぎる。台湾北部のもう一つの観光名所、基隆(ジーロン)へついでに行こう。瑞芳駅の切符売り場の前でたたずんでいると、中から

 「どちらまで?」

という、とても流暢な日本語が聞こえてきた。5,60歳くらいの男性だ。

 「基隆まで」

言葉もたどたどしいおばさんが一人で旅行しているのが珍しかったらしい。私は、このような小さな駅で、きれいな日本語が聞けてとても嬉しかった。

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 基隆は大きな街だった。駅前から少し歩くと賑やかな商店街だ。歩道を人が大勢歩いている。冬物バーゲンらしかった。観光名所へはタクシーでいかなくてはいけないようだった。天気も悪いので商店街を歩いただけで帰ってきた。

 台北まで各駅停車で帰ることにした。空いているし、気持ちよく揺られて、居眠りしてしまった。外国で、こんなにリラックスしていいものだろうか。

 いつもないしょで果物を買って帰る。バナナ(小さくてすっぱい)、ナツメ(味は日本のものと似ているがかなり大きい、ほんのり甘く梨のよう)、ドラゴンフルーツ(味はちょっと淡白)、パパイヤ、を持って帰った。とても買いたかったのはチェリモヤだ。初日、ガイドさんが、「美味しいから是非食べてみて。御釈迦さんの頭みたいだからシャカトウといいます」とせつめいした。スーパーで売っていたので、ホテルに持ち帰り試食したら、なるほど、甘くてこってりして、美味しい。森のアイスクリームといわれ、世界三大美果のひとつということだ。帰国までにどこかで買って持って帰ろうと思っていたのに、スーパーに見当たらなかったりして、チャンスがなかった。果物の王様、ドリアンも買って帰りたいけれど、不可能だなあ。日本では1万円はする。

 いつものことながら、帰りのカバンの中は食料でいっぱいだ。果物(厳重に隠す)、お茶、麺、お菓子、調味料など。日本を出国の際、カバンを開けて検査されたとき、空っぽのガラガラで恥ずかしかったが(何も持って行くものがないのだ)、帰りの検査では、カバンをあけたとたん、ラーメンが滑り落ちたり、溢れた荷物を元に収めるのにてこずったり、また赤面だ。密輸品が見つかりはしないか、ドキドキだったが、無事通過。

 朝台北を出て、関西空港に昼前に着いた。母に電話する。話の内容がなんだか変。家に着いたらすぐ見に行かなくては。そして、翌日、母の買い物の後始末に奔走する。それについては、日記「危機一髪、云々」に書いた。


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1 コメント

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こんにちわ、初めてコメントさせてもらいます。 (麻衣)
2010-08-16 13:55:23
こんにちわ、初めてコメントさせてもらいます。
私は今台湾に滞在していて一時日本に帰国するのですが、果物持ち帰りたいです(笑) けど、知り合いには絶対に無理と言われましたが…このブログを見つけて、連絡しました~!!!
スーツケースの中に忍ばせたのですか?? それともハンドバック??だとしても凄いですね!! 厳重とはどのような?? すみません、質問ばかりで…親が高齢なので、台湾に来るのを嫌がって、果物を食べさせてあげたいです・:*:・(*´エ`*)
お返事頂ければ、ありがたいです。
有難うございました!
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