天気はかんばしくないけれど、今シーズン初めての赤星、行ってみるか。友達と一緒に行くときは、いつも早い時刻の集合だが、一人だとどうも気儘。明るくなってからの出発になる。それに、土居といえば近い。高速使わなくても、1時間で登山口だ。
天気がもひとつだからか、車は先客さんが2台。車を走らせながら伊予の山々を見ると、残念ながらまだガスがかかっている。頂上に着くころには消えてくれればいいけど。
ゆっくり滝を見物している男女を追い抜いた。その後、トレイルランのような軽装の男性がさっさと追い抜いて行った。雪は900メートルくらいから現れた。時折ゴーッと風が吹くし視界は悪いし雪は少ないし、だんだん天気は悪くなるはず。今日は登山には不適切だったかなと、大儀だなあと思いながら歩いていた。1200メートルくらいで、さっき追い越していったランの男性が下ってきた。ガスっているので止めたという。彼の足元は、タイツにハーフパンツ、スニーカーのような靴に軽いアイゼンのようなものをつけている。雪はだんだん深くなって、靴の中に入って冷たいだろうに。軽装過ぎる。下っていく彼を見送り、天気悪いけどもう少し行くか、と気を取り直して、登る。
少し登ると、また下ってくる男性に遇った。天気の悪い山中では、人に遇うと心強く、嬉しい。しばし立ち話をする。丸亀から来たといった。「まだ、頂上までは大変だけど、雪はたくさんある。青くてきれいだから、何も景色はみえないけど、行ったらいいよ」
なるほど、頂上は最高の雪道だった。昨日何人もが踏んでくれている。頂上点前5メートルでチェーンアイゼンを拾った。さっきの人、片方しかアイゼン付けてなくて、無くしたといってた。彼のだ。追いつかないかもしれないけれど、頑張って特急で下りた。けれども、だめだった。片方だけのアイゼン、どうしよう。
下りでは、追い越した男女と、あとから登ってきた単独の方、3人に遇った。私が励まされたように、「雪がきれいだから頑張って行ってきてください」と、同じセリフをしゃべった。赤星は標高差が大きくきつい山だ。皆、雪を見たくて登ってきている。山で出遭う人たちはみんな仲間のような気がする。
赤星の駐車場は私を入れて9台に増えていた。篠原さんのかなと思われる軽トラもあった。きっと、豊受山方面の登山道を整備しているのだろう。赤星の登山道を歩くたびに、どこかここか、直されている。道が右岸になったり左岸になったり、橋が7,8本あるが、どれも頑丈に作ってくれている。ありがたいことだ。
頂上の景色。展望悪く、ランチをする気にもならず、アイゼンを届けたい一心で、とんぼ返り。
いつものことながら、雲のないきれいな三角錐の赤星を恨めしく眺めながら、帰路につく。降りてくると晴れるんだから。