コロナで我慢していた旅行熱を取り返そうと言わんばかり、今週の連休の観光客は凄いことになりそうだ。コロナ前より多いような気がする。3日の予約が特に多い。しかしながら私は、「申し訳ありません。都合で休ませていただきます。」とお断りしている。週末、東京の娘夫婦が外出するので、私と孫娘が留守番することになっている。3日は、宿泊施設はどこも満室のようだ。うちに予約をくださった方々、泊まるところは見つかっただろうか。
四国では毎日晴れ、空気が乾燥している。去年沢山とれた場所へキノコを探しに行くけれど、全くと言っていいほど、ない。ところが、奥秩父、武甲山へ登った時には、たくさん見つかって、嬉しかった。左はイグチ、中はオオイチョウタケ、右は? この間、ラジオ番組「山カフェ」で、キノコが話題だった。私有地の山も多いので採ってはいけないとか、東北のキノコには放射性物質が検出されているとか、野生のキノコは採らないようにとクギを刺していた。
大菩薩嶺の翌日、妹は出勤、私は一人で武甲山へ行った。交通機関の乗り換えをしっかりと聞いて、奥多摩奥秩父のガイド本を持って、まずバスで清瀬へ行く。次に、電車で横瀬まで行く。途中一回乗り換え。都会に出てきたときには、乗り換え案内のアプリは使うけれど、もたもた時間がかかる。「この電車、〇〇駅で行き先が分かれます」なんてアナウンスがあるとたちまち不安になる。地名も位置関係もわからないのだから。隣に座っているハイキング姿の奥さんに訊く。「この電車、横瀬に行きますか?」同じような年恰好、山歩きの服装、知らない同士でも会話が弾む。土曜日とあって、電車の中は山登りの恰好をした人が多く、それぞれ目的の登山口の駅で、次々と降りていく。山が好きなんだなあ。休日にはどっと山に繰り出すんだ。
横瀬まで乗っていたのは僅か。私のお仲間はいないのか。タクシーで登山口まで行くつもりなんだけれど、誰かと相乗りさせてもらえたらなあと甘い考えだった。駅前にはタクシーもコンビニもない。タクシーは電話で呼び、昼食は傍の食堂でおにぎりを二個買った。
あまり人が少ないと道を迷わないかなあと心配したが、やがて路上駐車がずらりと現れ、登山口一の鳥居に到着。大勢山に入っている。私の登山開始が遅かったため、人に遇わなかっただけなのだった。
途中の大きな杉の木。樹齢何百年? 頂上の広場には、あちこち陽だまりでランチをする登山客が。傍に武甲山御嶽神社がある。頂上は5分ほど登ったところ。遠くの山々が見えるけれど、どれがどれか、さっぱりわからない。石灰岩の採掘場を見たかったが、見下ろせる様なところはなかった。遠くから見ると、それが異様で、興味をそそられる。
下りは浦口駅から電車に乗る。無人駅、しかも1時間に2本しかない。10人余り待っている。派手にペイントした電車に乗って「おはなばたけ」という駅で降り、徒歩10分、秩父駅へ行く。皆同じ方向へぞろぞろ歩いているので、安心して付いていく。帰りが遅くなりそうなので所沢まで特急に乗る。これがすごく快適、こっちの特急しおかぜよりずっと綺麗で、揺れない。
関東にくると一度や二度は電車を乗り間違えるのだけど、この日はすべてうまくいき、自信満々である。よし、妹が仕事のときは電車で里山へ行こう。