9月は慌ただしくおわった。
最初の週はトライアスロンのお客様の片付け、2週目は漸く天気が回復しそうだったので、急遽富士登山、3週目は孫のお世話で東京、4週目は休む間もなく、シルバーウィークで大忙し、あっという間に明日は10月。
9月前半にどこか山へ登りたいと思っていた。富士山は取り立てて登りたい山ではなかった。なのにどうして?
私の友人が、富士山へ行きたいと前々から口にしていた。若いころは一緒に北アルプス方面にも行ったことがある。友人は69歳、この頃はめっきり年をとってしまって、年に2,3度くらいハイキングする程度だ。これが最後の大きな登山になるかもしれないと思い、私が富士山に行こうと誘った。不安を感じながらも、久しぶりの山行をとても喜んでいた。
ネットで調べると、ツアーがたくさん出てきた。夜行バス、新幹線で行く、飛行機で行く、など。しかし友人は、ツアーだと付いていけずに放られるだろうから、時間をかけてゆっくり登れるように、個人で行きたいという。夜行バスで東京新宿に行き、山小屋2泊というのんびりスケジュールだ。人も小屋も多い、吉田ルートをいく。
五合目の賑わい。次々と大型バスがやってきて観光客をはきだす。客は楽しそうに、派手にポーズを決めて写真におさまる。中国人の多いこと、派手目の衣装ですぐわかる。
登山者も、半分くらいは外国人だ。そして若い人がほとんど。
計画は、五合目で1泊という超ゆったり登山であったが、頑張って七合目まで行けた。本日の宿は鳥居荘。
みんなお遍路さんの杖のようなものをついて歩いている。杖に焼印を押すのがブームみたいだ。各小屋のデザインがあって、隙間なく印を押してもらって、登山の記念にするのだ。何個ぐらい押せるのだろうか。一個300円だから20個でなんと!6000円! おおーっ、高価で立派なお杖になった。小屋も宿泊だけじゃなく、いいお商売を考えたものだ。
七合目に泊まった人は、早い人で、真夜中11時に出発する。次の人は3時出発。私たちは、はなから、ご来光を見る計画はしていない。素知らぬ顔で朝5時まで横になっていた。しかしながら、驚いたことにチェックアウトは6時という。隣に寝ている友人に声をかけると、気持ちが悪い、吐き気がするという。というわけで、せっかくの富士山、ここで撤退。
雲海の色を変えながら、少しずつ現れる太陽、七合目のご来光もなかなかのものでした!
下りは、宮城県からツアーに参加していた若い女性をいれて3人で歩いた。これ以上登るのは無理として、ツアーから放られた女の子だ。下りの早いこと・・・、バスの始発まで時間をもてあました。そして、予定より一日早く家に帰ってきた。
富士山の山小屋は、宿というより仮眠の場所なんだね。掛け布団が薄いのは、着の身着のままで寝て、3時にさっと起きて、早く身支度するためだ。もう少し小屋で休ませてくれたら、体調の快復も期待できたかもしれない。6時で出なくてはいけないとは、ちょっと冷たいなあと思った。
久しぶりに遠くに登山に出てきて、撤退を余儀なくされた友人、ガックリきてるかなあと思ったら、「又挑戦しよう、違うコースで」 といったのには、驚いたと同時に安心した。私は、ずっとこの人を人生の先輩として見てきた。7年後この人のように元気でいられるか、いつもそう思っている。
今回は偵察ということにして、次はお鉢めぐりするぞ!