ゴールデンウィークも終わりになると、皆さん日常に戻る準備をするのか、うちの宿泊客もぐっと減る。で、私も最後に休みをもらって、一泊二日の山行きに出かけた。目的地は剣山系縦走である。出発日、仕事はたくさんあった。大急ぎで、いい加減に片付けて、やっと10時に家を出ることができた。見越(みのこし)までバスがあると聞いている。名頃に車を停めて、13時43分のバスに乗り、見越まで行って、剣山から三嶺まで歩く。
1日目は晴天だった。又しても、間違えて、本線からかずら橋の駐車場に誘導されてしまった。かずら橋には、順番待ちの人で長蛇の列ができていた。そして、剣山も、老若男女、たくさんの人がいた。なかには、2ヶ月くらいの赤ちゃんをだっこして散歩しているパパもいた。
そして、登山道が広くて走り易いのか、トレイル・ランをする人が多かった。お蔭で、縦走路は、しっかりと踏み固められていて、間違うことはないと思った。
さて、私は、その日は2時間半歩いて丸石小屋に泊まることにしている。小屋で、ヒトリである可能性がある。孤独と恐怖とのタタカイになるかもしれないが、野宿の練習と思うことにする。しかし、5時に小屋に着くと、先着さんが、夕食も終えて寝る準備にかかっていた。一安心して、私も軽く食事を摂り、長崎から来たというこのお二人さんと雑談しながら夜を待った。お二人さんは、翌朝3時起床というので、6時前にシュラフに潜り込んだ。外はまだまだ明るい。小屋の周辺は、まだ芽吹きのない木立ではあるけれど、見通しがよくないので、雲ひとつない西の空に落日もきれいに見えず、なんとも手持ち無沙汰な時間をすごした。そして、6時半就寝である。山の夜は早い。
翌日、5時に出発。昨日はあんなに晴れていたのに、夜中に恐ろしく強風が吹き荒れ、朝はおさまっていたものの、ガスっていて、連続晴れを期待していたのにがっかりだ。山の天気はわからない。アップダウンを繰り返しながら三嶺に到着、ここから一気に下る。トレイルランよろしく走り降りる。その後一週間左ひざがちょっとおかしかった。
それから二週間後、里山を歩いていて思いがけず足首を捻挫した。身体能力も反射神経も衰えていることを認識しなくてはいけない。
縦走路から剣山方面を望む
丸石避難小屋、小さいけれど頑丈そう
白髪避難小屋、あれに見えるは三嶺か
三嶺に近付くにつれ、至る所、鹿の食害から植物を守る為の方策がなされている。山は痛々しい限りだ。
実によくできた案山子たち、どうもこの地区の観光スポットらしい。
道路わきの、シルバーカーに座ったおばあさんの案山子が、ジワリと立ち上がったのにはびっくりした。えっ?ホンモノ???
谷あいに、新しく、大きな、きれいな建物がある。中学校だそうな。木材を使っていて、やさしい雰囲気だ。