K氏のお宅の茶室内部
6畳間で、まんなかに掘りごたつがある。正座がきついからかな。1面が床の間をとった壁で、3面が障子である。どこからでも入れる、が障子がきしんで開きづらい。ドイツ人が造った茶室らしいが、日本の建具やさんならスムースに動く障子をいれてくれるだろうに。
お道具は好きなのを使うようにと、お宅の階段を最上階までのぼって、物置の部屋に案内された。日本で買って帰った品々が無造作に積んであった。茶杓はどれを?と次々と見せてくれるのだが、私はまだまだ勉強が足りない初心者、お茶が掬えればどれでもいいのだ。茶碗、棗、水差しはその辺にあった。建水がみあたらない。どれを建水にしようか。地味な色合いのガラスの器が置いてあったのでそれを建水にしよう。ガレであったとしても頓着しない。お軸は「喫茶去」から富士山に登るカタツムリの絵に変えた。
さてお手前であるが、お稽古したこともない逆勝手、左で入って右で立って・・・なんて考えていたらかえって躓いてしまう。そんなことより、間違えて動作が止まったり、慌てふためくことのないように、ゆったり落ち着いてお茶を差し上げることが大事だ。実際手順を間違えたのではあるが、流れを乱さないように続けたので、K氏は気づいてはいない、と思う。日本の茶道にとても興味をもっておいでで、道具を買い集めてはいるものの、使う人がいないのだろう。倉庫に眠っていた素晴らしいお道具も日の目を見て、K氏も嬉しかったのだろう。私のお手前をとても喜んでくれた。