日記

お遍路情報と、日記を綴っております。

白鳥

2017-11-29 15:23:58 | 日記

 一昨日、夫の病院に付き添っていたとき、窓から、傍を流れる河を眺めていたら、白い大きな鳥が2羽浮かんでいる。なんだろうと、じっと見ていて、あれは白鳥だ、と思った。こんなところにいるんだ。そこは岡山の町中である。ゆっくり流れにまかせて下っていき、視界から消えるまで楽しませてくれた。なんと優雅な鳥だろう。森の中の湖におよいでいる白鳥を見たら、美しい王女様を連想して、あのようなバレエが出来上がるのも納得だ。

 以前なんとなくテレビをつけていたら、バレリーナが白鳥を踊ってるのを見たことがあった。サンサーンスだったか、チャイコフスキーだったか記憶はないが、ダンサーの腕から手先にかけての波打つような動きに釘付けになった。ひとの身体であのように白鳥を表現できるのかと驚いたのである。具象、抽象、全てを身体で表現するのがダンスなのだろう。楽器で表現すれば音楽、絵具と筆で表現すれば絵画、言葉も手段の一つかな。生活に潤いを添えるのがこのような芸術だろう。

 白鳥を演じるバレエを見たくてユーチューブを覗いてみると、出るわ出るわ。「白鳥の湖」より「瀕死の白鳥」が感動的だ。かつてテレビで見た踊りはこれかもしれない。ユーチューブではマヤ・プリセツカヤの踊りが素晴らしいと思う。この秋、高松でのバレエの公演のチラシをみて、一度ナマを見てみたいと思ったけれど、逃した。機会はまた訪れるだろうか。

 


水鳥が好む池

2017-11-23 22:50:27 | 日記

 母の家の私のベッドの上に、鳥の死体があった。獲物は、スズメよりずっと大きく、ハトよりは小さい。ムクドリだろうか。半分食べられている。部屋の隅には夥しい量のフェザーとダウンが散らばっている。あーあ、ついこの間、久しぶりの大掃除をしたばかりだ。小さな野鼠はしょっちゅうであるが、珍しいところでは、モグラを捕らえてくることもある。母の家の雌猫はとても優秀なハンターである。うちの肥満気味の雄猫たちには、とても狩りは無理だろう。

 

 実家と私の家を繋ぐ道路わきに、水鳥がたくさん休んでいる池がある。今年はビックリするくらいたくさん集まってきて、150から多いときは200わくらいいるんじゃないかと思う。しかし、隣の池には一羽もいない。実に不思議だ。車を停めて岸に寄っていくと、鳥たちはスーッと池の中の方に離れていく。ときどき頭を水中に突っ込んで、可愛らしいお尻を上に立てているのが面白い。

 鳥に詳しい人に聞いてみると、4種類くらいいるらしい。彼らは夜、田んぼに餌を食べに行くという。でも、午後10時、11時になっても、ライトに照らされた水面に黒い点がみえる。早朝、まだ暗い時刻に通り合わせると、どうもお留守のように見えた。この時刻に食事に出かけるのだろうか。彼らが昼間飛び立つ姿を見たことがない。一日中この池に浮かんでいるのだろうか。この池で鳥たちが餌を食べているようには思えない。よほどリラックスできる場所なのかもしれない。


アジア人は抹茶が好き

2017-11-18 15:15:58 | 日記

 心配されていたように、朝起きた時から雨が降っていた。けれども予報通り、昼頃には止んで、人気のパン・ストリートは結構賑わっていた。せっかくのイベント、気象予報士は大げさに悪天候を予報していたが、雨も止み、気温もそう低くなく、まあ順調に運んだんじゃないかな。

 3回目のパン・ストリート、観音寺の街に人がいっぱい。新しく建てられた市民会館の前に列ができている。ちょうど、角の場所に、高校生が運営するカフェが、今日オープンした。市民会館での公演の開場を待つ人の為に、この通りにカフェでもあればいいのにと、前から思っていた。お客さんがたくさん来てくれるといいね。

 因みに、この列の先は坂出の吉田ベーカリーだそうだ。私は並んでまで、買わなくていい。

 ブラブラ歩いて、買うに値するパンを探した。長い行列や、いつでも買えるパンはパスする。品物が少しのパン屋さんは、開店30分で売り切れ。なんとか、徳島の「カントリー・ロード・ベーカリー」というパン屋さんのカレーパンを買ってみた。250円、ちょっと高い。カレーパンはもともと、味が濃すぎて食べないけれど、人気とあらば試してみよう。うちに持ち帰り食べてみる。うーん、やはり次買うの止そう。

 高すぎる!と思っていたら、中から半熟卵が。だから高いんだね。どうやって卵を半熟に、パンを焼くのだろう。

 街ゆく人々、みんな3,4個の袋を下げている。売る方も、買う方も満足したかな?

 2日前に2泊してくれたお客様が、帰り際に、懐紙に絵を描いて、くださった。シンガポールから来た、30過ぎくらいの女性だ。イサムノグチミュージアムや直島を観てきた人だから、アートが好きなんだな、とは思っていたけれど、この絵は普通じゃないようにみえた。「画家ですか」と聞いてみると、彼女は「そうです」といった。道理で、ゆったりと観音寺を歩いて見て回ったようだ。私みたいに忙しく旅するタイプじゃなく、画家の視点で景色を見て歩いたのだろうね。

 名前とシンガポールを入れてネットで検索すると、南洋美術学院とか、写真とか、年齢がわかったが、同一人物かどうかよくわからない。もっと早く教えてくれれば根掘り葉掘り聞くのに。残念でした。

 茶道に少し興味があるようで、茶道具屋さんにも立ち寄ったらしい。やはり観音寺にも外国人観光客は増えつつあるので、商店の経営者も「今更、面倒だ」なんて言わないで、英語をもう一度勉強した方がいい。

 中国、東南アジアでは、抹茶をつかったお菓子がブームらしい。彼女の部屋を片付けにいって、テーブルに置かれている抹茶なんとかといったお菓子をみて「抹茶は好きですか」という話になった。「大好き」ということなので、ぜひ抹茶を点てなくては、と思った。そして夕食の後、お菓子と抹茶をさし上げたらとても喜んでくれて、私も大変うれしかったのである。外国人が日本の文化に興味を持ってくれるのはとても嬉しい。

 最初の日、彼女は、和服の羽織を着て現れた。普通に上着のように羽織っていた。外国人は好きなように和服を着こなしている。


旧遍路道を歩く

2017-11-01 18:02:39 | 日記

 雨の多い最近であるが、昨日からやっと秋らしい晴天になった。屋上に洗濯ものを干しに行くと、川之江の製紙工場の煙突の煙が、まっすぐ上にのぼっている。穏やかな一日を予想させてくれる。お天気の日には、4階に当たる屋上まで、頑張って階段を上がっていく。籠が重いときは、ハアハア息があがる。これも足腰のトレーニングと思えば、なんてことはない。

 久しぶりに雲辺寺の遍路道を歩いてみようかなと、奥谷の登山口まで車をはしらせる。一時間登って降りて来るつもりだ。鰻淵の展望台の20メートルくらい手前左側に、谷に下っていく道のようなものがあった。テープもいくつかみえるので、何か重要な道のようだ。帰りはこれを歩いてみるか。下って行けば必ず林道に出るはずだ。

 立ち枯れのアジサイの色がまだ残っている。

 そろそろ、秋の野イチゴが実るころだ。

 ウナギぶちから少し歩くと、測量をしているおじさん二人に遭った。世界遺産登録のため、県から委託されて、遍路道を測量しているのだそうだ。この方たちからいい話を聞いた。「昔の遍路道はここから少し下ったところから左にある」と。私がさっき見つけた魅力的な山道は旧遍路道だったんだ。丁石もあるそうだ。私が、それを下ると言ったら、「岩があって危ないよ、やめたほうがいい」とご注意を受けた。

 そして、下りの進路を左にとって、薄暗い谷の中、今の遍路道とは比べ物にならない細い山道を歩いて行った。昔のお遍路さんは、地図も磁石もなしで、こんな険しい、道もはっきりしない山の中を歩いていたんだね。厳しい巡礼だったと思う。その昔、どんな人がお遍路をしたのだろう。子供の頃のイメージでは、お遍路は幸せな印象ではない。修行のお坊さん、何らかの理由で家を追われた人、「砂の器」のような癩病を患った人、乞食、想像すると感慨深いものがある。死をも覚悟した巡礼だったのはなんとなく分かる。丁石だけが道しるべだったのだろうが、今はテープはあるし、道ははっきりしているので、旧遍路道だけれど不安はない。しかし、小さな沢に沿って、岩ゴロゴロの急な斜面を下るのは少し緊張が必要、これは普通のお遍路さんにはお勧めできないなと思った。もうすぐ林道というところでは、やはり迷った。麓の方では桧の植林地なので、仕事道やテープがあちこちにあって、迷う。丁石も見当たらなくなったので、遍路道から外れたのは確かだ。

 世界遺産になることは果たして良いことだろうか。富士山は今やほとんど外国人というし・・・。遍路文化もガラッと変わるに違いない。宿泊所はゲストハウスが主になるだろう。時代の流れを受け入れなければいけないのだが、私はひっそりとした遍路道を歩いて、千年以上も続いている遍路を偲びたいなあと思う。私の好みを言うと、緊張して歩く、やや細い道が好きで、今日はひと昔前の遍路さんを思って歩くことができてよかった。

 仕事道を歩ていると、栗の木が何本かあって、当然実が落ちているわけがないとおもっていたけれど、僅かに3個拾えた。遍路道や林道で栗を拾おうと思ってもなかなかタイミングが難しいが、このあたりならば人はそう入ってはこないだろうから、来年は絶対ここに栗拾いに来るぞー。

  

 旧遍路道には、このような丁石が7,8体あった。10年後には幼木の桧も背が高くなって、鬱蒼とした山道になるのだろうね。この旧道、誰かが草刈りをしているようだ。有難いことだ。時々、鎌でももって、整備しながら歩いて道、が無くならないようにしなくてはいけない。

 

 このような、旧遍路道の道しるべもある。が、わざわざこれを通る人はいないだろうと思う。うちに毎年お出でるお客様で、マニアックなお遍路さんがいて、丁石や、昔の石の道しるべを訪ねてまわっている。今度お会いしたら、この道のことお話しよう。

 着ていたシャツ、パンツ、靴、種だらけ。秋の里山はこれだからイヤなんだよねー。

 

 登山口にあるカフェ、Botanでランチを食べた。こちらの奥様、体調を悪くされてから、ランチの種類や営業時間を減らしたりしたけれど、相変わらずお客が多い。お店の看板の、たくさんのネコと新入りの犬、必ずお客さんが写真を撮っていく。