ホテル到着の夜、何とか楽器を調整して、2日目朝、徒歩でホテルそばのロープウェイ乗り場に向かう。ホテルの屋根越しに見えていた、あのゴンドラに乗るわけだ。
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ゴンドラを降りて、1時間強歩いて第一回目の演奏だ。どこでどんな風に演奏するのか、曲は何かなど、全く知らないまま目的地へ歩く。先生も「わかりません」とおっしゃる。これから先、細かいスケジュールに沿って、というようなことはないんだなと、私たちは次第にわかってきた。実に中国的なのだ。
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三清山は世界遺産である。中国独特の、山水画に描かれるような風景だ。道教の3人の神様が居られるという。左から2番目の岩はヘビのようにみえることから、巨蛇出山という。登山道は整備され、安全だ。登り、正味2時間を超える山歩きだった。海抜1800メートルくらいだそうだ。グループの皆さん、山歩きなど普段されない方ばかりだったが、ゆっくりながら、頑張って登った。
ほとんど途切れることなく観光客が歩いている。皆中国人だ。普通の観光旅行の、軽い服装だ。子供からお年寄りまで、頑張って歩いている。道教の聖地巡礼かもしれない。
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金毘羅さんには輿があるが、ここにはこんな形の輿が。
ホテルでも山でも日本人には遭わなかった。欧米を4,5人見かけた。登山道で、ストックにザックにハット、きちんとした山歩きの恰好をした熟年カップルを見た。日本人かもしれない。話しかけてみようと思ったら、すれ違いに韓国語が聞こえた。韓国人は日本のアルプスでもよく見るよね。山歩き好きなんだね。
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私たちは、ありがたいことに手ぶら。二胡は人足さん2人が天秤棒で担いでくれた。揚琴は、金属で重いから二人で一個。
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会場に到着すると賑やかさにびっくり。私たちは三清山観光イベントの一環だったようだ。観光局は、それぞれに3日間3枚のTシャツを準備してくれ、東京弓弦楽団の幟が山の至る所に立てられ、ドローンとカメラが映像を撮っている。私たちもテレビで報道されたらしい。聴いてくれるお客さんはたまたまその近くに居合わせた方が少し、音はオープンエアーだから響かない(小さなスピーカーが用意されていた)、つまり、映像が目的だった。あとで、動画を見てビックリ、どこのプロの演奏家?って感じ。田先生と張先生は、勿論、プロ。楽団は日中文化交流という役割かな?
休憩所で一回、頂上で2回目の演奏をした。3回目は、下り途中、絶壁の登山道で2メートル間隔で立ち、二胡を弾く。正面のドローンが映像を撮る。メチャクチャ、カッコいい。弾く側も、雄大な景色を眺めながらの演奏、すごく気持ちが良かった。これはかなり貴重な体験。
田先生のお父様が放送関係のお仕事をされているということで、沢山ご尽力下さり、この旅行が出来上がった。江西省の観光局のおおきなイベントに参加させていただいたり、ご飯をご馳走になったり、楽団にちょこっと便乗させてもらった者としては、面映ゆい。
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山登りで疲れた後は、シャワーをして、夕食。元気を取り戻して、夜のショーを見に行く人、マッサージに行く人、それぞれに別れる。私は道教の祖、三清山のショーを観劇。華やかなダンスあり、アクロバットあり、充分楽しめた。本物の馬と騎手が下から出てきて、マシーンの上で走るのにはびっくりした。これもご招待だった。