このところ、マダニが媒介するウィルスによるSFTSという病気が話題になっている。死者が出て、日本にもこのウィルスをもつダニがいることがわかった。
私はマダニに噛まれたことがある、と思っている。2年前、山で笹こぎをした日の夕方、首にイボのようなものができていた。引っ張っても取れない。何か得体の知れない生き物が皮膚に入り込んでいるのかな、とも思った。気持ちが悪いので翌日皮膚科を受診した。何か薬を塗って、絆創膏を2,3日貼っておくと、それは黒くなって枯れたようにおちた。しこりはかなりあとまで残った。あの時は、全然、マダニと思わなかった。イボだったんだろうと思っていた。医者も何も言わなかった。その1年後、山好きの友人が、
「耳の後ろをマダニに噛まれた」
といった。耳の後ろに何かあるようで、ご主人に見てもらったら、
「ダニじゃないか、足が動いとる」
とな。で、引っ張って取ってもらったらしい。この話を聞いたとき、あのときのイボを思い出し、
「あれはイボじゃなくてマダニだったんじゃないか?」
と思った。犬を飼っている人はよく知っている。公園などの草むらに普通にダニは隠れていて、通りかかった犬など哺乳類に取り付いて、血を吸うことを。獣医さんに別件で会ったとき、
「犬がよくマダニに噛まれるけれど、私も噛まれました」
「人を噛むなんて聞いたことがない」
と言われた。医者も、マダニが人を噛むこと、知らない人多いんじゃないかなー?
さて、私も友人も何も感染しなかったようで良かった。感染すれば致死率は10パーセントを超える。マダニに噛まれた人は結構いる。噛まれたことに気がつかない人もいる。野山で仕事をする人、山歩きの好きな人にとっては、ショッキングなニュースである。早く治療薬を開発してほしい。
まるで珊瑚のような樹氷