北八ヶ岳に登る

　初めて中部地方の冬山に登った。さすが、標高2600メートル、寒かった。

　11日金曜日、4人ずつ2台の車に分乗して、21時半観音寺を出発。翌12日8時前、茅野市渋の湯に到着。

　雨がシトシト降っていた。駐車場には先着さんが２,3台いて「雨だから、今日はここ渋の湯温泉で泊まる」と言ってた。私達は、この連休は悪天候承知で来ている。小ぶりにならないかなあと思いながら、ゆっくり身支度する。雨は一向に止みそうにないので、９時２０分に登り始める。気温は高めで汗が吹き出る。外から内から濡らされる。

　３時間歩いて、今日の宿泊所、黒百合ヒュッテに到着。ここでも雨は未だ降っている。予定の天狗岳は明日にまわすことになった。

時刻はまだ１２時過ぎ、私達が一番乗りだ。ストーブを独り占めして、手袋、カッパを乾かす。夕食は５時半。有り余る時間、飲んで眠るしかない。コタツを囲んで、持参のつまみを広げて、ビールにワイン、ウィスキーを飲む。極楽、極楽。

　この小屋の外には、太陽光発電のパネルがズラリと並んでいる。したがって、トイレは快適、テレビに電気コタツまであるのだ。

　夕食は２０人くらい集まった。スタッフが挨拶した。アルピニスト、野口健が出ている麒麟ビールのテレビコマーシャルは、ここで撮ったのだそうだ。パソコンで早速麒麟のページを見てみた。ボラーレという軽快な歌声にのって、彼が「こんにちわー」と戸を開けて小屋に入ってくる、そんなシーンだった。天狗岳に登るシーンもあった。野口健と同じところに行ったわけだ。ファンというわけではないけれどなんだか嬉しい。

　小屋ではコンサートが行われることもあるらしい。ピアノが置いてあった。

　山小屋でいただく食事で、こんなのは初めてだった。５種類ほどのおかずを、４人分いっしょに盛ってあるのだ。私達は気心のしれた仲間だが、全く知らない人といただくのは、遠慮もあってちょっと食べずらいだろうな。水がない小屋だから、食器を使いたくないんだろうなあ。

　雨は雪に変わり、夕食が終わると、することもなく、７時前の天気予報を待つ。テレビに天気図がうつしだされたとたん、「オオーッ」と、どよめきがあがる。西高東低、冬型、強風、等圧線は縦にきれいに並んでいる。

　明日は吹雪かなー、なんて思いながら、汗ばむほど暖かいお布団でぐっすり眠った。