日記

お遍路情報と、日記を綴っております。

捨てがたい品々

2012-04-29 23:51:14 | インポート

 桜も、とうに散って、山はモコモコと盛り上がっている。勢いがあって、楽しそうで、クスクス笑っているように見える。「山笑う」とはよくいったものだ。 

 同時に、庭や畑のカラスノエンドウやタンポポが一斉に咲きだした。あぜ道の黄色い絨毯は美しいけれど、庭のタンポポは憎っくき厄介者だ。毎日、いつのまにやら現れた綿毛をそっと摘み取って、袋に集める。根っこは道具で掘り起こす。タンポポの根っこは、深く、しっかりと土にもぐっていて、手では決して抜けない。

 さて、4月から私達夫婦の静かなくらしが一変した。というのは、大阪に住んでいた次女と孫達がうちにのりこんできたのだ。荷物が1軒分増えて、家中ダンボールの箱だらけ。私は自分の部屋を譲り渡して、布団部屋に逃げ込んでいる。余儀なく引越しするはめになり、あちこちに自分の持ち物を移動したものだから、何がどこにあるのか、頭が混乱している。ただでさえ、絶えず探し物をしているのに・・・。

 いよいよ我が家も建て替えを考えている。震度3程度の地震でも壊れそうなボロ家である。孫や娘を危険に曝すわけにはいかない。それでやっと決心がついたのである。

 膨大な持ち物を整理していかねばならない。彼らが運びこんだ荷物と、私達がこれまで溜め込んできた品々、それらが至る所散乱していて、目を遣るたび、何から手をつけたらいいのか途方にくれて、ため息だけついて、先になかなか進めない。つまり、捨てるしかないのだ。この家に嫁いで30余年、溜め込んできたくだらないもの、くだるもの、へらさなければ引越しできない。戦後、大量に作られた、安っぽいベニヤ張りの家具は、いくつか壊して捨てた。骨董的価値はないが、頑丈で、庶民の道具であった茶箪笥や衣類の箪笥は、どうしても捨てがたく、何とか保存したい。スイッチを入れると火を噴きそうな古い扇風機も、倉庫にまだ置いてある。オークションに出品したら、マニアが買いそうなガラクタが結構ある。うちに、「昭和の生活博物館」でもつくれば捨てなくてもいいのだけれど。