とあるカフェのネコたち、
家具職人のご主人が作ってくれたのだろう、アパートみたいな箱の中でネコが寛いでいる。
はじめ、籠の中には2匹のネコ。そのうち、もう1匹が割り込んできて、仲良くお昼寝している。
陽だまりで死んだように眠るネコ
なんと幸せなネコたち。カフェに来たお客さんも、そのかわいさについカメラを向けたくなる。このごろ、テレビによくネコが出てくる。ペットのネコの可愛い仕草を動画に撮って投稿するのだ。ネコ愛好家が増えるのは喜ばしい。飼えないなら生ませない、飼うと決めたら最期まで責任を持って面倒を見る、これを守ってくれたら捨て猫や野良猫が減るだろうに。
ベジタリアンのお客様が泊まった。ご夫婦のうち、奥様が菜食主義、とメールに書かれてあった。肉はもちろんダメだろうが、魚介類はどうだろう。私の知り合いに二人ほど菜食の方がいる。この方は、魚介類は少しならオーケー、乳製品、卵も大丈夫である。
さてさて、どんな料理をお出ししたらいいか、すこし悩んだ。よくいう精進料理は、手間が掛かって私にはできそうにない。ゴマ豆腐とか、肉や魚の擬きのようなものである。
普通ならメインが刺身になるのだけど、菜食になるとどうも見栄えのするものが浮かばない。野菜を使った料理を思い浮かべてみる。結果、天麩羅、豆乳ベシャメルソースのグラタン、茶碗蒸し、里いも、大根、厚揚げの煮物のゆず味噌かけ、白菜塩麹蒸し、野菜サラダ、雑穀ごはん、汁ものとしてうどん、以上の献立とした。
夕方、お二人がレンタカーでみえた。奥様はなんと外国人だった。バルト三国、リトアニア出身で歳は30代かな、日本語がとても上手だった。物静かで品よく、質素で聡明な感じだ。
エビの天麩羅はやはりご主人の皿に移動した。料理に使うだしは、イリコやカツオがはいっているけれど大丈夫だった。彼女、乳製品はほとんど食べないらしい。ベジタリアンにもいろいろな方がいるようだ。その夜のグラタンに、ミルクやチーズを使わなくてよかった。白みそ味の豆乳仕立てにしたのだった。お砂糖もあまり摂らないらしい。
こういう食事をされている方は化学調味料に敏感である。そして薄味でなければいけない。外食すると、一般的なお店では、必ずといっていいほどそのような調味料の味がする。お二人と食の話をするうち、この方たちには手をぬけないなと思った。でも、私の料理には化学調味料をつかってないので、まあ、満足していただけたのじゃないかなと思っている。いろいろなお話もできて、楽しい出会いだった。この方たちのような食生活をしたら、健康に暮らせるだろうなと思う。ベジタリアンにはなれないが、できるだけ悪いものを排除して、野菜中心の食事を心掛けたい。
レストラン日水土の料理長、浅川勇人さんが書いたレシピ本、「野菜料理とヘルシーソース」はなかなかいい。茹でたり焼いたり、シンプルに火を通した野菜を、野菜や発酵調味料でつくったソースでいただく、野菜本来の旨味を味わう料理法である。ちょっとした工夫がもてなし料理にもなりそうだ。