そろそろ喪中はがきが届く季節になった。先日の葉書、差出人の名字を見てドキッ、毎年年賀状のやり取りをしている北海道のNさんの名前が飛び込んで来た。文面を読んで一安心、御兄弟が亡くなったそうである。Nさんは、もう10年以上も前、歩き遍路で来られて、その後奥様ともお遍路された。ギョウジャニンニクをたくさん送ってくださったこと、一番印象に残っている。行者ニンニクは近畿以北で取れる山菜で、四国ではお目にかかれない。とにかく、Nさんがご健在でよかった。毎年来てくださるお遍路さんで、気にかかる方が数人おいでる。去年からおいでになっていないのだ。皆さんひとつずつ年を重ね、ご高齢の域に近づいていく。恐らく体調がすぐれないのだろうが、元気になってまたお遍路さんできてくださることを願っている。
この間は同級生のお葬式に参列した。高校時代、クラブ活動で一緒だった人だ。同級生10人のうちひとり欠けた。突然の訃報を聞いたときには本当に驚いた。元気印のスポーツマンタイプである。死因はスキルス胃癌。胃癌で胃を手術した人は結構いるし、最近ではそう深刻な癌と思われていない。治っているからだ。胃癌のなかで、スキルス癌は12パーセントを占めるらしい。10人にひとりは亡くなるのだ。死の確率は意外と高いなあと思う。彼は、退職して間もない、64歳という若さである。JRを退職後、関連会社の取締役をしながら、趣味のゴルフを楽しんでいたようだ。告別式には、ブラスバンドの先輩後輩たちが来ているかなと思ったが、会社関係の男性ばかりの、盛大な式であった。やはり男性は社会と重要な係わりをもっている。
男性と違い、女性たちは大抵「家族葬」を望んでいる。私もそうしてほしいと思っているが、残された家族の面子もあるだろうから、文書できちんと伝えるべきかと思っている。そろそろ「終活」か。式の会場に、故人の楽しそうな写真をいくつか飾ってあった。遺影だけじゃなく、山で綺麗に写った写真をいくつか残しておかなくちゃね。この間、写真も結構捨てたけれど、どうしても捨てきれず、もう少し手元においとこうと思ったのが何枚かある。そして、驚いたことに、49日過ぎてから満中陰志の品を送ってくるのがいままでの習いなのだが、この間の葬儀では、その日のうちに返していた。香典の金額に応じて、それぞれ2種類品物を用意してあった。うーん、ここまで合理化するのだね。いっそのこと、香典受け取りません、というのがいいのにね。私の友人にギフト屋さんがいる。ごめんね。
台風の影響で雨が降り続いている。雲辺寺への登山口がある、奥谷地区に避難勧告が出ている。栗をいただいたSさんのお宅があるところだ。「青空や」さんもある。青空さんはお若いが、Sさんご夫婦は高齢だ。避難されただろうか。