新しい看板ネコ

　うちの新人看板ネコは、目とシッポが実に個性的である。大きくてイキイキとした瞳をもっている。友人のＴさんは、この目にみつめられて、連れて帰るはめになった。

　うちのお客さまたちも、目と尾と毛質をほめてくださる。毛が柔らかくて長いので、シッポがタヌキみたいに太い。日本猫と、毛の長い外国種の猫とのミックスだろう。不思議と、爪をたてて怪我をさせられることがない。どうも、爪が普通より短いようなだ。飛びついてきても、爪を出して保持することができず、ドテッと落ちる。こちらは痛くなくてたすかるけれど、危険から逃れるための木登りができなかったり、相手を引掻いたりできないんじゃないかと心配する。もっとも、今までの教訓から、このコは絶対外にださないように気をつけている。

　この猫の名はウェイウェイである。中国語で「尾」を意味する。

　ウェイがうちに来たこと、何か運命的のものを感じる。夏から続いた凶事を、断ち切ってくれるのではないかと思った。きっと、このコは福をもたらしてくれると・・・。

　８月１０日、交通事故を起こした。８月１４日、コジロウ（ネコ）を交通事故でうしなった。８月２７日、１５年来の友人を失った。自死である。９月２７日、去年、穂高で知り合った友人を、くも膜下出血で失った。さかのぼって、１月末、モモタロウ（ネコ）を交通事故で死なせている。３月初め、後ろからくる車に追突された。

　厄払いをしなくてはいけないのだろうか。生きていればいい事も悪い事もあるけれど、こんなことってある？もうこれでおしまいにして欲しい。そんなとき、ウェイがやってきた。このコは幸せを運んでくるような気がする。

日記を更新できなかった

　随分長いこと、日記を休んでしまった。

　１０月初め、ここ２年の間、お掃除を手伝ってくれていたＡさんが、体の不調を理由に辞めてしまった。Ａさんは６０代半ばである。２階３階への階段の昇り降りは、きつかったのかもしれない。人を雇う気遣いより、少々しんどくてもひとりでがんばってみるか、と掃除調理すべてやってみたけれど、行楽シーズンも重なって、とても手に合わないと感じた。掃除が苦手な私はついついさぼってしまい、埃が目に付くようになった。

　これではいけないと思って、職安へ行ってみることにした。義母の代から、従業員はいつも知人のツテで雇っていた。私の代になってからも、友人の紹介で来て貰っていた。だから、ハローワークを通じての、全く未知の人は、正直なところ、不安を感じる。

　求人を出してすぐ、職安から電話があった。あまりの早さに驚いた。うちの条件、（あまりたくさんの仕事はないのである）に合う人がいたんだ。お互いのニーズが合ったようだ。

　面接をし、２週間前から来てもらっている。仕事を覚えてもらうまで、私も気が抜けない。あるていどのことを任せられるようになると、私もラクできるんだけど。

　１０月初め、うちに新しいネコがきた。愛媛の四国中央市に住むＴさんが、この迷いネコをみつけて、私のところに連れてきたのだった。毛並みがよく、人懐っこいので、飼い猫に間違いはない。きっと大事に育てていたに違いないから、飼い主は心配して捜しているだろう。Ｔさんが、商店や犬猫病院などに、写真入り飼い主捜しのチラシを張らせて貰ったらしい。もう１ヶ月半になるけれど、何の音沙汰もない。私が飼うしかないな。

　このコ、もしかしたら捨てられたのかもしれないな。オスで、多分生後７,８ヶ月とおもわれる。来てすぐマーキングをしたので、去勢してもらった。けれど、まだ、シッポをブルブルっとふるわせて、オシッコを後ろに飛ばす。植木や花瓶を倒したり、物を落としたり蹴散らしたり、遊び盛りのヤンチャ坊主である。前の飼い主は、もしかして、このいたずらネコをもてあまして、捨てたのだろうか。