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今年も、雲辺寺の麓、奥谷のsさんから、「お遍路さんに食べさせてあげてください」と筍をいただいた。初物である。さっそくあくを抜いて、翌日、筍ごはん、天婦羅、煮物にして、お客様にお出しした。丁度外国人のお客様も一緒に夕食をされて、うれしいことに、「おいしい」と日本語で言ってくださった。同席の、日本人の年配のお遍路さんは、お口に合ったらしく、おかわりをしてくれて、私も作り甲斐があるというものだ。
Sさんは、「青空」さんの近くに住んでおられる。私より10歳くらいは年上のご夫婦である。筍を掘るのも大変だろうと思う。掘ってすぐ家に持ってきてくれた。本当に感謝している。たくさんの方に支えられて若松家別館は続けていける、と感じている。
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こちらは、アメリカからの、観光客、ケンダルさん。今話題の民泊、airbnbを通じてのお客様である。観音寺で3泊、今日は今治で泊るといっていた。なんと、日本へは12回目という。先日の台湾人といい、観音寺にまで観光に来る人は、かなりの日本ビイキだろう。彼が外出した後、部屋にシーツを取り換えに入ると、何本もの毛筆、硯、大きな和紙、絵具、そして鳳凰のような鳥が描かれた墨絵が隅に置かれてあった。ええっ?この人アーティスト? 恐ろしく重い彼のスーツケースの中身は、絵の道具と本だったのだ。
ケンダルさん、日本語は少しできる。でも、日本語も英語も、会話は長く続かない。「さて、弱ったな。今日のお遍路さん英語が話せたら通訳してもらえるんだけどなあ」なんて心配していると、一緒に食事をしたYさんというご夫婦の遍路さんのうち、奥様がとても英語に堪能だった。ケンダルさんが奥様に「チョー、ジョウズ!」といったのには私も大笑いした。こうして、その夜は沈黙することなく、楽しくお話して過ごした。彼は、グラフィックデザイナーだそうだ。そして、Yさんに、どうして英語が上手なのか聞いてみると、「仕事で使ってましたから」とおっしゃった。暫く経って、あ、そうか、きっと英語の先生だ! 翌日聞いてみると当たっていた。どうしてわかったかというと、私が発した、「バード」鳥、という、英語独特の発音をやんわり直してくれたからである。
次の日も、幸い、年配男性のお遍路さんが英語が話せたので、ケンダルさんはお酒がすすんだようだ。このお遍路さんは、仕事でアメリカに住んでいたことがあるらしい。英語を話せる年配の方、結構いるのものだ。「何年も使ってないから言葉がでてこないよ」といいながらも、積極的に会話を続けていた。時々、通じないこともあったが、話そうという気持ちが大事なのだ。
きちんとしていて、礼儀正しく、日本が大好きという気持ちがそこここに表れているケンダルさん、これからも何度となく日本に来て、田舎をあちこち見て回るんだろうな。納豆も大好きといって食べてくれた。私の英語レべルがもっと高かったら、日本のこといろいろ教えてあげられたのに。日常会話以上のことが話せたら楽しいだろうなあと思うが、この年では至難の業だ。
帰り際、私に絵を1枚プレゼントしてくれた。仏像の絵だ。額に入れて飾っておかなくては。書道をやっているといっていたが、さすが、サインの文字も上手だ。