日記

お遍路情報と、日記を綴っております。

名前類似によるトラブル

2016-04-29 09:31:47 | 日記

 

 先日のお客様、アメリカ人、李さん。アジア人のお顔をしているので聞いてみると、中国系であった。少し中国語ができる。朝食を食べたいとおっしゃるので、納豆抜きで用意したら、「おいしい」と言って平らげてくださったので私もうれしかった。

 実は到着のとき、ちょっとしたトラブルがあった。airbnbの諸作業をサポートしてくれているアメリカ人ジェシーと李さんとの電話内容から、別の旅館にチェックインしたことが判明。すぐピンときた。若松家本館と間違えてる。李さんがうちを探しているとき、誰か親切な方が「若松家」と聞いて本館へ連れて行ったらしい。よくあるケースだ。本館、別館、と最後まで言わないと、知名度の高い本館を意味する。なので、予約を受けたときに、初めて来てくださるお客様には、「お間違えのありませんように」と念を押す場合もある。お客様からみれば、「同じ店だろう、どっちに行ってもいいんじゃない?」と思う方もいる。若松家別館を開いた先代も、トラブルの度に名前を変えようかと時々言っていたが、その煩雑さゆえにそのままになっている。

 李さんはすでに部屋に入っていたけれど、素泊まりだったので損失はさほどなかったと思う。本館の女将さんにお詫びに行くと、相手が感じのいい外国人の学生だったからだろう、穏やかに対応してくれた。一件落着。


日本はなんと災害の多い国か

2016-04-23 06:06:14 | 日記

 家が建て込んでいる市街地では、屋根より高く鯉をあげるわけにはいかないけれど、郡部ではあちこちに、風をはらんで気持ちよさそうに泳いでいるコイノボリが見られる。裕福なお宅では、長男誕生を親族で祝う、ひとつのステータスシンボルだったのだろう。天気を見計らって揚げたり降ろしたり、おじいちゃんおばあちゃん、大変な仕事だろうなあと思う。見せていただくだけの私たちは、時に大きさや色合い模様などを吟味しながら、この日本の風物詩を絶やさないでと願うのである。

 熊本大地震のあと、あらためてテレビやマスコミで断層が表示され、娘や孫は、住んでいる木造の古い家からこちらの客室のほうに、寝るときだけ避難してきた。連鎖的に地震がくるんじゃないかというわけである。四国北部に、中央構造線が東西にきれいに伸びている。ひょっとしてここも危ないのかな。水くらいは準備しておいたほうがよさそうだ。棚に置いてあるコンロやテントなどの山用品も、ザックに詰めて保管しておいたほうがすぐ持ち出せる。海のそば、川のそば、山の麓、どこに住んでも狭い日本に安全な場所はない。断層の付近ではどんなに頑丈な家も壊れる。沢山の家が倒壊、半壊したが、建て直すチカラはあるのだろうか、たてる場所はあるのだろうか。

 

  

 トートバッグに入ってくつろぐウェイ。

 ロクは死んだふり。去勢のあと、徐々に腹回りに脂肪が付いてきて、あっちでコロリこっちでコロリ。


初めてツワブキを煮る

2016-04-14 21:56:40 | 日記

   

 桜はほとんど葉桜になったが、木の種類が違うのか、場所によって咲く時期がずれているのか、まだ名残の花をつけているのもある。

 4月最初の週、いつもの花見のスポットで、ついでに取った蕨とタラ。本当は、「ついで」は、花見のほうかもしれない。

  

 3月にお遍路さんで泊ってくださった方が、ツワブキを沢山送ってくれた。山を歩いていても、蕗はよく見かけるが、ツワブキはそれほど多くはない。ふつう、庭に植えられている。お宅の近くで群生しているのだろうか。ツワブキを煮るのは初めてである。ネットで、前処理の仕方、料理法を調べて、作ってみると、煮崩れして見てくれは悪いけれど、お味はいける。蕗の香りと少々濃い目の醤油味が白ご飯を誘う。旅館でいただく朝食によく出てくる、あのツワブキの佃煮の味に似ている。あまりに沢山なので、一度に処理できず、すこしずつ、皮を剥いで水に晒し、佃煮を作っている。段々と、皮剥や煮物も上手になってきた。

 Iさん、ありがとうございます。毎日天婦羅と佃煮が食卓にあがっています。


料亭の黒豆

2016-04-08 22:07:14 | 日記

 冬の間、シーズンオフなので、夜更かし朝寝坊をしてゆったり暮らしていたけれど、この頃は毎日5時過ぎからお仕事である。午後の11時も過ぎると瞼が落ちてきて開かない。やりたいこと、やらなくちゃいけないこと、沢山あるのに。頭がぼーっとして思考能力が失せてくると、もう布団にはいったほうがましだ。早寝早起き、健康的な生活をしている。

  

 先日、京都から宅急便が届いた。Sさんからだった。あの有名な「俵屋吉富」の菓子折りの上に小さなタッパーがのっている。開けると、黒豆であった。そうだった、夕食のとき、なんだか話がはずんで、「黒豆は炊きますか?今度私がつくったのを送りましょう」とおっしゃっていたっけ。「俵屋吉富の雲龍」より黒豆が主人公である。わざわざ送ってくださるなんて、驚くやら感激するやら。

 S さんは、京都の日本料理屋さんのオーナーシェフをしていた。諸事情で1年ほど前に閉店され、お遍路の途中、3月某日たまたまうちにお泊りになった。S さんのお店をネット検索してみると、びっくりポン、とても有名、人気の料理屋さんだった。閉店とは、本当に残念。京都までごはんを食べに行ったかもしれない。長女が京都に住んでいたころは、真夏と真冬のシーズンオフに京都へ遊びに行ったものだった。鞍馬から貴船に歩いたこと、比叡山に登ったこと、懐かしい思い出だ。

 黒豆は、丹波の黒豆、ふっくら大きくつやつやしている。噛むとねっとり柔らかく、お味は甘すぎず上品に仕上がっていた。これぞ料亭の味。

 Sさん、とても足の速い方で、うちにおいでたとき、私はまだ玄関に鍵をかけて外出中だった。このとき、何か理由のつけてキャンセルして先に進もうかと、チラリと考えたらしい。正直に率直におっしゃった。しかし帰り際には、「泊ってよかった」と言ってくださったので、ホッとしている。これもご縁だったかなと思う。もしキャンセルされていたら、顔を合わせることもなく、観音寺にあまり良くない印象を持ったまま、お遍路を終えることになったかもしれなかった。年内に二度目の遍路をする予定らしく、又お出でいただけたら充分におもてなししなくてはと思っている。お客様が日本料理の元シェフ、緊張で腕が震えるのでは?

 ネットでいくつか遍路日記の読んでいたとき、ある人が書いているのには、「若松家別館についたら鍵がかかっていて待たされた」とあった。ドキッ、ごめんなさい。

 


アメリカ人、ケンダルさん

2016-04-02 10:25:36 | 日記

   

 今年も、雲辺寺の麓、奥谷のsさんから、「お遍路さんに食べさせてあげてください」と筍をいただいた。初物である。さっそくあくを抜いて、翌日、筍ごはん、天婦羅、煮物にして、お客様にお出しした。丁度外国人のお客様も一緒に夕食をされて、うれしいことに、「おいしい」と日本語で言ってくださった。同席の、日本人の年配のお遍路さんは、お口に合ったらしく、おかわりをしてくれて、私も作り甲斐があるというものだ。

 Sさんは、「青空」さんの近くに住んでおられる。私より10歳くらいは年上のご夫婦である。筍を掘るのも大変だろうと思う。掘ってすぐ家に持ってきてくれた。本当に感謝している。たくさんの方に支えられて若松家別館は続けていける、と感じている。

  

 こちらは、アメリカからの、観光客、ケンダルさん。今話題の民泊、airbnbを通じてのお客様である。観音寺で3泊、今日は今治で泊るといっていた。なんと、日本へは12回目という。先日の台湾人といい、観音寺にまで観光に来る人は、かなりの日本ビイキだろう。彼が外出した後、部屋にシーツを取り換えに入ると、何本もの毛筆、硯、大きな和紙、絵具、そして鳳凰のような鳥が描かれた墨絵が隅に置かれてあった。ええっ?この人アーティスト? 恐ろしく重い彼のスーツケースの中身は、絵の道具と本だったのだ。

 ケンダルさん、日本語は少しできる。でも、日本語も英語も、会話は長く続かない。「さて、弱ったな。今日のお遍路さん英語が話せたら通訳してもらえるんだけどなあ」なんて心配していると、一緒に食事をしたYさんというご夫婦の遍路さんのうち、奥様がとても英語に堪能だった。ケンダルさんが奥様に「チョー、ジョウズ!」といったのには私も大笑いした。こうして、その夜は沈黙することなく、楽しくお話して過ごした。彼は、グラフィックデザイナーだそうだ。そして、Yさんに、どうして英語が上手なのか聞いてみると、「仕事で使ってましたから」とおっしゃった。暫く経って、あ、そうか、きっと英語の先生だ! 翌日聞いてみると当たっていた。どうしてわかったかというと、私が発した、「バード」鳥、という、英語独特の発音をやんわり直してくれたからである。

 次の日も、幸い、年配男性のお遍路さんが英語が話せたので、ケンダルさんはお酒がすすんだようだ。このお遍路さんは、仕事でアメリカに住んでいたことがあるらしい。英語を話せる年配の方、結構いるのものだ。「何年も使ってないから言葉がでてこないよ」といいながらも、積極的に会話を続けていた。時々、通じないこともあったが、話そうという気持ちが大事なのだ。

 きちんとしていて、礼儀正しく、日本が大好きという気持ちがそこここに表れているケンダルさん、これからも何度となく日本に来て、田舎をあちこち見て回るんだろうな。納豆も大好きといって食べてくれた。私の英語レべルがもっと高かったら、日本のこといろいろ教えてあげられたのに。日常会話以上のことが話せたら楽しいだろうなあと思うが、この年では至難の業だ。

 帰り際、私に絵を1枚プレゼントしてくれた。仏像の絵だ。額に入れて飾っておかなくては。書道をやっているといっていたが、さすが、サインの文字も上手だ。