日記

お遍路情報と、日記を綴っております。

収穫

2006-12-17 11:04:44 | インポート

 今年はとても暖かい。お蔭で野菜が安くて嬉しい。でも・・・、キャベツ、大根など値段の調整の為に廃棄しているとか。なんともったいない。作っておられる方、どんなに悔しく悲しいだろう。

 認知症の母がやる気をなくした畑を、季節も涼しくなったし、ちょっと野菜の種でも蒔いてみるか、と気軽く引き受けたものの、いいかげんなことでは食べられるものはできないと痛感した。さあ、どのスペースに種を蒔こうか、と空いてそうなところを鍬で掘るとなにやら球根が出てくる。ま、いいか、隙間に植えてやれ、てな感じで適当にやってしまったので、今、春に咲く水仙やなんか名前を知らない花の伸びた葉の間で、可哀想に遠慮がちに縮こまっている。

 バジルは今年もうまくできて、ジェノベーゼソースをいっぱい作った。イタリアンの好きな人にさしげて、まだ冷凍庫にいくつか保存している。最近急に寒くなって葉っぱが茶色く枯れてきたが、それまでは、秋だというのにどんどん収穫できた。

100_1314 左のほうれん草と右のターツァイは不合格、ほうれん草は石灰を土にまぜるのをサボった。発育不良で硬い。ターツァイは畑の住人に横取りされてレースのように穴だらけ。よほど美味しかったと見える。ほとんど葉脈しか残っていないけれど、意地でも食べる。せっかく育てたんだから。お店で売ってるターツァイは緑濃くて直径30センチはある。見た目より柔らかくて癖がなく、好きな野菜だ。ああいうものが私につくれるんだろうかとあまり期待しないで蒔いたけれど、やはり思ったとおり。売っているのはガンガン消毒するのかもしれない。

100_1374

他に上出来なものは、チマサンチユ、春菊、右のディル、その手前はルコラ、ルコラはこぼれ種が自然に芽を出した。美味しいんだけれど、小さくてなかなか穫れない。ディルは、サラダ、ピクルス、肉料理、魚料理、なんでもいける。使い切れないほど芽がでたけれど、摘むと日持ちしないので、鉢に植えておすそ分けしている。種物やさんで買った種は本当に発芽率がいいなあと思った。

 ブロッコリーも作り易いと聞いたので、3本苗をかって植えた。肥料をやらなかったので発育不良だ。花芽のかけらもない。よその畑の青々とした勢い良い葉を横目でみながら、この次は失敗しないようにやろうと思う。土作りの勉強をしないといけないなあ。

 12月の仕事、年賀状の下書きを終えて、印刷屋さんにだすまではこぎつけた。明日あたりできあがってくるだろう。宛名書きにいそがしくなる。300枚以上書かなければいけない。宿帳を見て、どんな方だったかなあと思い出しながら書く。悲しいかな、なかなか名前を見てもお顔が思い浮かばない。

 宿帳を書いていただくとき、必ず文字を確認しなくてはいけない。あとで読んだとき、なんとかいてあるのかわからないことが時々ある。棒が突き出ているのか、点があるのか、お名前を書き間違えると失礼なので、気をつける。お客様にしてみるとまさか賀状がくるとおもってもみないのだろう、慣れ合いでささっと文字を書かれるので、私には読めなかったりする。部屋にお忘れ物が残されていることもあるので、住所、名前は楷書ではっきりと書いていただけるとお送りできる。私も人のことはいえない、時間が急いているとつい殴り書きをしてしまうことがあるので、注意したいところだ。

 今年はまたいちだんとお客さんが減っていると思っていたが、買ったはがきは少しだけ増えている。どういうことかな、と考えた。団体やグループが減って、一人で歩くお遍路さんが増えたのだろう。で、人数が減っても年賀状は増える。

 今年はアメリカ人が2人泊まっている。「年賀状、出しますからね」と言ってある。お年玉つきでだしても意味ないので、写真をプリントしてハガキをつくる。とどくまでの日数を考えると、のんびりしている時期でない。早く出さなくっちゃ。


冬山トレーニング、二ツ岳

2006-12-12 21:35:49 | インポート

 昨日、11日は、久しぶりの快晴だった。今日はまた雨だ。このところ、雨が多い。一日ずれてくれれば、一昨日、10日の二ツ岳は絶好のハイキングだったのに。曇りのち晴れの予想は当たったけれど、山に居る間はずっと曇っていた。下りてから、スカッと晴れた尾根を仰ぎ見て、「あれが鯛の頭だよ」「なるほど、海面から左に頭を突き出しているね」

 毎年12月前半に、冬山トレーニングをする。アイゼンをつけての歩行やピッケルの使い方の練習、そして、装備類の点検をする。今シーズン初めての冬山だ。冬衣装を箪笥の奥から引っ張りだす、グローブは何処かな、目出帽は、といった具合で、前日に慌ただしく準備する。 

 土曜日は雨だった。山は雪が積もったかなー、と期待するけれど、あまり寒くない。雪はないかも。うちの屋上に上がれば、赤星山のその向こうの山並みまでよくみえるので、雪が積もっているかどうかわかるのだが、見に行くのを忘れた。

 6時すぎに事務所に集合、今日は6人も集まった。2台に分乗して出発。土居に近づいてきて山に目をやるが、雪のかけらも見えない。どうやら雪山トレーニングになりそうもない。

 高速をおりて谷に入ると、中ノ川のほとりにお城が現れて、度肝をぬかれる。帰りがけ、時間があったので、好奇心のかたまりの3人が見学に立ち寄る。誰もいないのはまちがいないが、一応、「こんにちわー」 そばで見ると、屋根瓦に草が生えていて廃屋の雰囲気。1階は飲食店だ。カウンターがあって小部屋がいくつかある。2階は畳の大広間だ。埃だらけ、障子は破れかぶれだが、むき出しの太い材木がすばらしい。入り口に鍵もかかっていないのに、悪さする人はいないのだろうか。

 なにやら怪しい、気味の悪い感じがする。ひとりで入るにはちょっと勇気がいるだろうなあ。

 100_1373

 100_1371

 二ツ岳へ北から入るには中ノ川から登っていくのが昔からの道だとおもうが、今は更に林道を4キロはしって、敬天の滝の近くに登山口ができている。かなり省エネだ。

100_1357 新登山口

100_1361 敬天の滝

 20年前、中ノ川から峨蔵越へ歩いたとき、藪だったような記憶があるのだが、全くそんな箇所はなかった。同行の2人も同じような記憶があるらしかったから、昔はかなり悪かったんだ。植林されたばかりの藪道だったのかもしれない。

 わさび谷の終了点を渡渉して40分ほどで峨蔵越にでる。わさび谷はこの夏、沢登りで来た。あのときは木々の緑の勢いも最高だったが、今は葉っぱを落とした幹のあいだをすかして、黒い岩肌と苔が醸し出す景色が、全く別の場所にきたかのような錯覚をおこさせる。

100_1370 わさびの終了点

100_1366 峨蔵越

 尾根歩きでどんどん高度を上げて行くと、やっと冬山らしい、樹氷をみることができた。日陰に、水溜りのように雪が僅かに残っている。この山は本当に険しい。あと1キロで頂上、がとてもながい。滑落してなくなった方もいる。怪我しないように緊張して歩こう。

100_1369 100_1368

鯛の頭とカメラマン

下で見ると、このイワが鯛に見えるのだそうな

 頂上で手早くお昼をして下山。まだ時計は11時半というところだ。リーダーが「トレーニング山行ということなんで、アイゼンつけて岩を登る練習でもしましょう」といったが、皆、心ここにあらず。「はよー下りて、温泉いこー」

 駐車場まで下ってくると、廃石堆積場の下の方でトンカチ音がする。石を採集している人が2人いる。駐車している軽トラの荷台に小石が20個くらいおいてある。よく見ると僅かに金色に光るものが散りばめられていたり、緑色の細い筋が石の中に入り込んでいたり、ははーん、こういう鉱物を拾いにきたマニアなんだ。

 今日の温泉は新宮の霧の森、ここのレストランはガラス張りで、緑の季節はとてもきもちがいいので、3,4回訪れている。風呂ははじめてだ。300円とは安い! 


番外、大滝寺

2006-12-07 22:48:28 | インポート

 1ヶ月近く里帰りしていた娘とその息子こうちゃんが、大阪の自宅に戻って行った。初めは岡山まで送って行こうか、などといっていたのに、結局家まで付いていって、一泊して、翌日夕方に帰ってきた。その間、旅館は休業である。

 帰ってからは、掃除をしたり、大事なものをもとの位置に戻したり、やっと以前の静かな生活に落ち着いた。

 幼い子供との旅も疲れる。大人2人がかりではあったのだが。こうちゃんが今一番好きなのがアンパンマンである。予讃線では、10時と15時の特急にアンパンマンが描かれている。寝坊のこうちゃんを起こして、着替えをさせて、朝食を食べさせて、なんとか10時の特急に乗れた。こうちゃんは「アンパン、アンパン!」と言って大喜びだ。男の子も女の子もアンパンマンが大好きらしい。こうちゃんのおもちゃも衣類も絵本もアンパンマンだ。著作権料、すごいだろうなあ。

100_1339 孫のこうちゃんです

100_1338 座席指定だと、シートにアンパンマンが画かれている。

自由席は天井にだけ描いてある。

 アンパンマンのスタンプ帳があって、いくつか集めるとアンパンマングッズがもらえるという。今までそんなこと知る由もなかったが、これからはばあばもスタンプ集めがんばるぞ。

 余談が長くなった。

 やっと実行できた大滝寺への参拝を報告しよう。

 12月6日、今日は快晴、明日からは下り坂という予報なので、行くのは今しかない。遍路道は歩けるのだろうかという質問を何回かうけている。いつか調べてこなくては、と思っていた。

 宮崎さんの地図に従って、国道193号線をはしり、徳島にはいる。清水小学校があった。夏子休憩所のほんの少し先に、山に向かう道路がわかれていた。大滝寺の標識もある。この道にはいって少しのところで山道があるはずだが、見つからなかった。車ではしると細かいところを見落としてしまう。しかたがない、もう一箇所の山道を見つけよう。しかしこれも見つけることができなかった。かくなるうえは、寺まで車で行って、遍路道を見つけて下ろう。

 家をでたのが10時、途中道草をしたので、到着は12時半を過ぎていた。さっさととりかからないと、せっかくここまで来たのに、肝心なことができずに終わってしまう。まず、お寺の方に聞こう。100_1346 100_1347 100_1349

寺の隣の西照神社、

大滝寺はチベットのお寺みたいな旗が揚がっていた。

 お遍路さんがひとりおいでた。歩きのようだ。ラッキー!遍路道を聞こう。近寄ると、なんと外人さん。外国人のお遍路さんもこのごろ結構おいでる。勿論日本語は上手だ。この方は漢字はわからないようだが、日本語の会話は通じる。彼に遍路道を教えてもらって、私は寺に戻り御参りをすませ、少し遅れて下り始める。10分も歩かないうちに、地図に載っている種苗園があった。30分くらいでさっきのお遍路さんに追いついた。私は車道にでたら登り返さなければいけないので、先を急いだ。遍路道の札は付いているし、軽トラが通れそうなほど幅の広い山道だった。分かりにくいという噂はどこから来たのか、首を傾げたくなる。

100_1348 アメリカ人、名はマトさんという。

100_1351 途中の、種苗園

 ごく最近、私が道を確認したより後のことだが、三角寺から番外仙龍寺への峠越えで、女性が一人、道に迷って大騒ぎになったらしい。2,3人のお遍路さんから聞いた。

 ええっ?あの道の何処でまようの?この大滝寺の道幅の半分もない細い道だけど、はっきりしているし、何の問題もないと思う。このような事故が起こると、ますます、「危ないから止めろ」といわれるだろう。残念なことだ。お勧めの道なのに。遍路のしるしと地図とコンパスで確認しながら歩くのも緊張感があっていいものだ。

 車道まで1時間かかった。山道へも道しるべはあった。車で通り過ぎたから見つけられなかったんだ。

100_1352 ここが入り口、しるしがある。広棚という集落の中だ。

 登るのに2時間要るかなあ。パンとコーヒーで軽くエネルギー補給して出発。上り始めてすぐ、下りてきたマトさんとすれ違った。せっせと歩くので汗もしっかりと出た。このところ運動不足なので、いいトレーニングになった。大きな栗のイガがたくさん落ちていた。是非とも9月か10月に栗拾いにきたいものだ。道は広いし、里は近いし、きっと競争だな。

 登りは1時間半かかった。車に乗り込んで、もうひとつ下の山道を捜す。地図をみながらノロノロ運転で注意深く捜すと、あった。カーブミラーに遍路道とかいてある。なるほど、さっきの道より細くて悪そうだ。遍路道の札を(春、雲辺寺の麓で拾ったのを持参してきた)ミラーの支柱に括り付けた。ここはマトさんも見落として、車道を遠回りしたというところだ。

100_1355 193号線に出て、マトさんをさがしながら走ると、路傍のお地蔵さんを熱心に見ているお遍路さんがいた。マトさんは今日は大窪寺の方のバス停で野宿すると言っていたから337号の分かれ道まで送ってさしあげようかと思って声をかけたが断られた。生憎、パンとみかんしか持ってなかったが、さしあげたら、名前とEメールアドレスを書いた納め札をくれた。私も若松家別館と書いたメモを渡して、ホームページみてくださいと言った。メールくれるといいけど。

 お寺で偶然マトさんに出会えたから順調に道を見つけることができた。このご縁に感謝したい。

 大滝寺への道をもういちど簡単に説明しておこう。

 夏子休憩所の先で、193号線から右の車道にはいる。目立つ標識がある。

 700メートルほど車道を歩くと、左手に集会場、右手にカーブミラーがある。このミラーの   支柱に、遍路道、と、落書きのようにかいてある。それと私が取り付けた札が目印。

 この道は私は歩いてはいないが、たぶん30分もしないうちに車道にでるだろう。携帯のアンテナのような鉄塔が3基くらいあったかな。車道を10分くらい歩くと集落がある。右手に遍路道のしるしが付いている細道を登っていく。あとは木にぶら下がっている遍路のしるしを確認しながらどんどん登る。途中崩れそうな作業小屋が数戸あって、私はこういうの嫌いなので足早に通り過ぎる。誰か居そうな気がするのだ。

 野菜畑、種苗園の横を通り1時間半くらいで到着。

 帰り道、塩江のはずれの、朝、目をつけていた蕎麦やに寄った。4時もまわっていたので他に客はいない。700円のしっぽくそばを注文した。おでんも御寿司もがまんしてじっとまっていたら、おおきなどんぶりに野菜たっぷりのそばが運ばれてきた。大根、にんじん、牛蒡、蒟蒻、里芋、厚揚げ、肉、お腹いっぱいになった。この肉がまた美味しかったのだ。こりこりと歯ざわりよく、皮がついてるから鳥の類だ。でもかしわの味と違う。カモ?

 店の主人に聞くと、鶏肉だそうな。なにやら下処理をしているとな。こだわりの鶏肉か。

 時間があればまた食べに来たい店だ。