草取りをはじめると、つい夢中になって時間を忘れてしまう。腰の疲れも忘れている。何も考えない作業、私は草抜きが好きだ。
畑のサヤエンドウが実をつけ出したのと同時に、庭のスズメノエンドウとカラスノエンドウも種ができている。スズメノエンドウ、葉が緑から赤紫色に変わったら、1センチくらいの、一人前に豌豆のかっこうをした実をつける。可笑しいくらいかわいい。カラスノエンドウは、未だ黒く熟していないので、少し猶予はある。猶予期間中、庭からこの雑草を見つけ出して尽く退治しなくてはいけない。タンポポについても、あの黄色い可愛い花を見つけては、ほじくり出している。ここ3,4年、まめにタンポポを抜いたお蔭で、今年はめっきり少なくなった。母が元気な頃、いつも麦わら帽子を被って庭で草を取る姿があった。認知症の兆候がでてから、草取りをしなくなって、庭は雑草だらけ、荒れ放題になった。10年放っておいた庭は、元に戻すのに10年以上はかかる。
子供の頃、畔に無数に咲いたタンポポは、田舎の子供の大事な遊び道具だった。タンポポを摘みながら首飾りを作ったり、茎を笛にしてブーブー鳴らしたりして遊んだ。草を舐めたり噛んだりするのはみんなやっていたことなので、何の抵抗もなかったが、母に、「してはいけない」と注意を受けていた。昔は人糞を肥料として畑にかけていて、そのせいだろうが、寄生虫を持っていた人が少なくなかった。現代の清潔な暮らしからは考えられないことだろう。清潔、潔癖過ぎて、アレルギーを持つ人が増えているとも言われているではないか。回虫と共生した方がいいとか?
庭の白いフジが満開。よそのお宅でも、ふじ色のきれいな房が垂れて丁度見ごろだ。