7月も終わろうとしているのに、未だ梅雨前線はぐずぐずととどまっている。21日は、ここ瀬戸内でも、バケツを引っくり返したような大雨だった。
2日間、うちで泊まったお遍路さんが出発した日だった。出るときはそれほどでもなかったけれど、雨足はだんだん酷くなった。何処かで雨宿りしているだろうかとか、予約の門先屋さんまでいけたのだろうかとか、とても気になった。なぜなら、その方は日本語があまりできない外国人だったからだ。日本語が出来ないにもかかわらず、一人でお遍路するなんて、なかなか勇気がある。それも、結構年配の女性である。言葉がわからないうえに、身体はびしょ濡れ、心細い思いをされたのではないかしらと思う。
うちへの予約は、民宿岡田さんからいただいた。善通寺の門先屋さんへは、私が電話で予約してさしあげた。対面してボディーランゲジを交えると、なんとか意思は通じるが、電話で話が理解できれば一人前だ。
そのような方だから、この雨をどんなにして回避しただろうと気がかりだった。外国人は傘をさす習慣があまりないらしい。日本のお遍路さんは、ゴアテックスの山用レインウェアをほとんどの人が着ている。彼女は大きめのナイロン袋に穴を開けた、手作り簡易型レインウェアを着て出て行った。腕の殆どと、足全部が、すぐびしょ濡れになったことだろう。日本人だったら、スーパー、バス停、公共機関、コンビ二、などといったところで雨宿りするだろう。田舎道では民家の軒先を借りるしかない。明るく勇気ある彼女だから、きっと誰かに助けてもらったに違いない。